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元スレ まどか「仮面ライダーアギト?」翔一「魔法少女まどか☆マギカ?」 http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298713167/ 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第1話「あなたは私たちの味方なの?」 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第2話「変身!」 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第3話「私たちの相手は魔女じゃないわ」 part1 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第3話「私たちの相手は魔女じゃないわ」 part2 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第4話「私はそう思わない」 part1 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第4話「私はそう思わない」 part2 魔法少女まどか☆マギカ AGITΩ ~最初で最後の約束~ 第5話「魔法少女のことを知りたいの!」 コメント欄です 感想や応援メッセージなどをお気軽にどうぞ(無名コメントも可能です) なお、過度な展開予想や要望はご遠慮ください。コメント同士の会話もお控え願います。 勝手ですが最終更新分までを追加させていただきました -- 名無しさん (2013-02-17 16 46 15) 名前 コメント
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…………………………………… さやか「はぁっ…はぁっ…なんとか逃げ切れたかな」 まどか「…」 さやか「それにしてもなんなのよアレ…何であんなのが…」 未だに現実を直視できないさやか まどか「でも」 さやか「?」 まどか「私のこと、守ってくれた…」 さやか「…うん」 さやか「そうだよね…」 タタタッ マミ「キュウべえ!?」ダッ まどか「わっ!?」 さやか「え?誰?」 突然現れた金髪の少女に驚く二人 マミ「あ…驚かせてごめんなさい。私は巴マミ」 マミ「あの…あなた達がキュウべえを助けてくれたのかしら?」 まどか「は、はい…なんだか虐められてたみたいだったから…」 マミ「そう、ありがとう…まっててキュウべえ、すぐ治してあげるから」キュウーン マミがキュウべえに手を当てると瞬く間に傷が回復する さやか「!!」 まどか「また不思議な能力…」 さやか「あの…あなた達は一体なんなんですか?」 マミ「私は…」 QB「ふぅ!ありがとうマミ、すっかり治ったよ!」 さやか「喋った!?」 QB「まどかも助けてくれてありがとう」 まどか「!…どうして私の名前を?」 QB「…それよりまどか!」 QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 まどか「魔法…少女?」 さやか「なにそれ?」 QB「それはね…」 …………………………………… QB「理解できたかな?じゃあさっそく契約を…」 まどか「ま、まってよ!いきなり契約なんてそんな…」 さやか「それになんか危なそうだし…」 マミ「…じゃあ魔法少女体験コースってことで今度私の戦いを見に来ない?」 マミ「それに考える時間も必要でしょうし…ね、キュウべえ?」 QB「…まぁそのほうがいいだろうね」 さやか「それならいいんじゃない?」 まどか「じゃあ…そうさせてもらおうかな?」 マミ「決まりね。それじゃまた明日学校で会いましょ」 マミ「制服からして私と同じ学校みたいだしね?」スタスタ 二人の前から立ち去るマミ まどか「行っちゃった…」 さやか「なんだか夢みたいな一日だったね…」 まどか「うん…なんだか今日一日驚きっぱなしだよぉ~」 さやか「そういやあのおじいさん無事かな?」 まどか「無我夢中で逃げて来ちゃったけど…きっと大丈夫だよ!」 さやか「うん!そうだよね!」 まどか「あ!それとあの巨人…何だったのかな?」 さやか「さあ?マミさんの話からすると魔法少女じゃない?」 さやか「あの転校生も魔法少女みたいだしさ、仲間だよたぶん」 まどか「そっかあ~」 …………………………………… ほむら「結局逃げられてしまった…」トボトボ 下を向きながら歩くほむら ほむら「いや…落ち込んでる暇はない」 ほむら「次の事態への対策を…」 ハヤタ「そんなに焦ることは無いんじゃないかな?」 ほむら「!!」ビクッ 身構えるほむら ダン「ハヤタから話は聞かせてもらった」 郷「聞くところによると…君も不思議な力を持っているようだね」 北斗「宇宙人…ではなさそうだな」 四人の老人が集まってくる ほむら「!?」 ほむら「…あなた達は何者なの!?」 ほむら(まさか魔法少…いや、ないわね) ハヤタ「僕たちは一度会っているよ。変身したところも見られてたと思ったんだけどなぁ」 ほむら「…!!」 ほむら「あなたは…?」 ハヤタ「…私はウルトラマン」 ハヤタ「地球での名はハヤタだ」 ほむら「宇宙…人…?」 ダン「その通りだ。理解が早くて助かるな」 郷「君の知っている情報を我々に教えてほしい」 ほむら「…」 …………………………………… ダン「なるほど、魔法少女か」 ほむら(さすがに魔女の正体と私の秘密は話せないわね…) 北斗「そのインキュベーターというのがこの町から感じる星人の反応の正体でしょうか?」 ダン「それもあるだろうがこの町からは他の正体不明の力を感じる」 郷「この子の話を聞くと…どうやら第二次性徴期の少女が優先的に契約の対象になるようです」 ハヤタ「よし、我々はなるべくインキュベーターが少女達と契約を結ばないように警戒しよう」 北斗「それと話に出てきた使い魔と魔女の撃退ですね!」 ダン「待て!この人数では出来ることにも限りがある。光の国から増援を…」 ほむら「…」 ほむら「あ、あのっ!」 ダン「…?」 郷「どうしたんだい?」 ほむら「あなた達は…なぜこうも簡単に信じてくれるの?」 ほむら「こんな疑わしい話…普通だったら」 北斗「信じたいという気持に理由はいらない」 ほむら「!」 ハヤタ「それに僕は君の戦いを間近で見せてもらった」 ハヤタ「君の戦い方からは守りたいという気持ちがあふれ出ていたよ」 ほむら「…」 ほむら「あり…がとう…」 ~翌日~ 早乙女「遅刻しちゃう~!」ダダダッ 早乙女「生徒たちの前で遅刻登校なんて絶対にできない!」ダダダッ 早乙女「今日は新任教師が来るって話なのに!」ダダダッ 早乙女「この裏通りをぬけて近道すれば学校なんてすぐ…」ダダダッ ギューン 結界に引きずりこまれる 早乙女「えっ…?」 早乙女「ここ…どこ?」 使い魔『ギイィ!』 早乙女「ひいいっ!」 ガッ ドシャ 使い魔に殴られて吹っ飛ばされる早乙女 早乙女「ううっ…」 ???「はっ!」バシュン 使い魔『ギィ!』ズバッ 止めを刺そうとする使い魔は突然放たれた光の刃に真っ二つにされる ???「もう一匹だ!」ドガガガッ 不意を突かれて戸惑う別の使い魔はあっけなく倒される ???「大丈夫ですか?」 青年が駆け寄り、尋ねる 早乙女「う…」 早乙女「学校に…行かないと…」 ???「学校?」 早乙女「生徒達が…待ってる…」ガクッ ???「!?ちょ、ちょっと!!」 ???「気絶した…病院へ連れて行かないと…」 ???「それにしても…学校って…」 ???「もしかして僕が潜入するところの教師かな…?」 ???「…それより急がないと!」ダッ ~学校~ さやか「まどか!いよいよ今日だね!」 まどか「う、うん…なんか緊張しちゃうな~」 さやか「魔法少女だもんね!なんだかんだ言ってちょっと楽しみだよ!」 ガララッ 教師「はい席に着いて~」 まどか「あれ…?早乙女先生は…?」 教師「早乙女先生はここに来る途中事故にあって入院するそうだ」 まどか「ええっ!?」 教師「幸い命に別状はないらしい」 さやか「そっか…よかったぁ~」 教師「…という訳で今日新しくこの学校に来た新任の先生にこのクラスを任せることになった」 ザワザワ エー ホントニー 教師「はい静かに…それではどうぞ入ってきてください」 ガララッ まどか(男の先生だ) さやか(うわ!なんだあの格好…やべえ…) 仁美(あれは…コスプレですの?) 派手な格好の青年が教室に入ってくる ミライ「今日からしばらくこのクラスを受け持つことになったヒビノ・ミライです!」 ミライ「短い間ですがよろしくお願いします!!」 ミライ(やっぱりここだった…) ~放課後~ 女1「ミライ先生なんでそんな格好なの~?」 女2「どこのブランド?…くるー…がいず?何これ」 ミライ「えーっとこれは…」 男1「おい見ろよコレ!」 男2「なんだこれ!新しい携帯か?」 ミライ「あ!それはメモリーディ…」 ミライ「って駄目だよ!返して!」 大勢の生徒から質問攻めにあい、戸惑うミライ ミライ(80兄さんは凄いなぁ…こんな大勢の子達をいっぺんに相手にしてたんだろうなぁ…) ミライ(…) ミライ(こんな子供たちが狙われているなんて…)ググッ 静かに拳を握りしめる ガララッ マミ「鹿目さ~ん…美樹さ~ん?」コソコソ 扉の隙間からマミが顔を覗かせる さやか「あっ、マミさん!」 まどか「今から行くんですか?」 マミ「ええ、ちょうど近くに魔女の反応があるからそこに行きましょう」 ミライ(…魔女?) ミライ(うーん…とにかく兄さん達と合流しないとな) ミライ(みんなは河原の橋の下に拠点を構えてるらしいけど…) ~河原~ ダン「おい北斗!ちゃんとそっちを支えろ!」 北斗「郷さんがそこのダンボール踏んでるから動けないんですよ!」 郷「まてまて!ここに窓を作るからそっちのダンボールを回してくれ!」 ハヤタ「上手くいかないなぁダンボールハウス…」 北斗「見てないで手伝ってくださいよ!」 河原の橋の下でダンボール相手に格闘する四人 ミライ「すごい!ダンボールハウスだ!」キラキラ 子供のように目を輝かせるミライ …………………………………… ミライ「魔法少女…ですか?」 ゲン「ああ、にわかには信じ難い話だがな」 北斗「お前を学校に潜入させたのは少女達を監視させるためだ」 ミライ「あれ?そういえばウチのクラスに来た子が学校近くの魔女がどうとか…」 ハヤタ「なに!?」 ダン「どうしてそれをもっと早く…」 郷「悔んでる暇はありません!探しに行きましょう!」 ミライ「は、はい!」 大量のダンボールを放置し、駆け出す五人 …………………………………… さやか「ホントにこんなところにいるんですかぁ?」 マミ「ええ…ここよ!この先にいるわ」 まどか「魔法少女は魔女の居場所をある程度察知できるんですね」 マミ「そうよ…あと二人とも聞いて」シューン 変身を完了すると同時に二人に向き直るマミ マミ「ここから先はどんなことが起きるか分からない…」 マミ「私でも守り切れるか分からないわ…危なくなったら逃げて」 険しい表情で告げる さやか「えっ…」 まどか「…」 まどか「…でも私、知りたいんです!みんなを守るために戦う魔法少女がどんなものか」 まどか「私も魔法少女になればみんなのために何か出来るかもしれないから…」 さやか「うん、それにさ」 さやか「いざとなったらマミさんが守ってくれるんですよね?」 マミ「…!」 マミ「ええ!まかせて!」 QB(…マミがあんな顔してるの初めて見たよ) ほむら「…待ちなさい」スタッ 三人の後ろにほむらが現れる まどか「ほむらちゃん!?」 マミ「あら?あなたは…」 QB「!」コソコソ ほむら「三人とも聞いて。ここから先に出る魔女は普通では…」 さやか「あーっ!!転校生!」 さやか「マミさん、コイツですよ!キュウべえ虐めてたの!!」 ほむら「!!」 マミ「そう…それじゃあ少しお仕置きしないとねっ!」 ヒュルルル 拘束魔法でほむらを捕える ほむら「く…うぅ」ギシギシッ マミ「安心して?魔女を倒したらちゃんと解いてあげるから」 ほむら(しまった…前回の時間軸より強力に…) ほむら(これじゃ自力で拘束を解けないっ…) さやか「行こっ!まどか!」タタタッ まどか「うん…いいのかなぁ?」タタタッ ほむら「ま、待って!」ギシギシッ ほむら「誰か…」 …………………………………… マミ(体が軽い…!)バンバンッ マミ(誰かが私を頼ってくれる…もう一人じゃない!)バンッ マミ(もう何も恐くない!) 使い魔の攻撃をかわしつつ攻撃するマミ マミ「決めるわ!ティロ・フィナーレ!」ドォオン! シャルロッテ『!!』ドカ-ン マミ「…よしっ!」 まどか「…」ゾクッ さやか「やった!」 まどか「ふぅっ…」 シャルロッテ『…』ギュルルル シャルロッテの体から黒い蛇のような怪物が現れる マミ「えっ」 まどか「…!!マミさんっ!危ない!」 さやか「ああっ!」 …………………………………… ダン「ここか!?」 ハヤタ「あれは…暁美ほむら!」 拘束され、動けないほむらを見つける ほむら「あ、あなた達は!」 ブチブチッ ミライ「ウチのクラスの子だよね?もしかして君も…」 ほむら(なぜ新任教師が…まさか彼も…) ほむら「いえ…説明は後よ!この奥に魔女が!」 北斗「なに!?」 郷「急ぎましょう!手遅れになるかもしれない!」 …………………………………… シャルロッテ『…』ガバッ マミ(あ…私…) マミ(死ん…) ???「危ねぇ!!」ガシッ マミ「えっ!?」 シャルロッテ『!?』 一つの影がマミを抱え、その場から飛び退く アスカ「へへ…見た~?俺の超ファインプレー!!」 青年が自慢げな顔で言う マミ「あなたは…一体…?」 アスカ「俺?俺はアスカ・シン!」 アスカ「あー…もっとも地球ではウルトラマ…」 シャルロッテ『…』ギュン アスカが話している途中でシャルロッテが口を開けて突っ込んでくる マミ「あっ…!!う、後ろっ!!!」 アスカ「え?」 バクッ ゴクンッ シャルロッテ『…』ペロリ さやか「早っ!!」 まどか「の、飲み込まれちゃったよ!?」 マミ「あ…ああ…」ガクガク ~体内~ アスカ「わああああああ!!!」ゴロゴロ アスカ「くっそおおおおおおおおお!!」ゴロゴロ 胸ポケットからリーフラッシャーを取り出す アスカ「負けるかーーーーっ!!!」バッ 暗い魔女の体内が強烈な光に照らされる シュンッ バシュゥウウン シャルロッテ『!!…!?』ブクブクブク マミ「えっ…?」 まどか「な、なに!?なんか膨らんでるよ!?」 さやか「もしかして…破裂する!?」 シャルロッテ『!!!』 ドバーンッ!! ダイナ「ジュワァッ!!」ズンッ シャルロッテの腹の中から巨人が飛び出す マミ「な、なに!?なんなの!?」 さやか「まどか!あれってもしかして!!」 まどか「うんっ!あの時の巨人と一緒だ!!」 シャルロッテ「…!」ズズッ… 腹が破れた状態でダイナに突進してくる マミ「危ないっ!!」 ダイナ「!…」クルッ シュシュッ ダイナ「デュアッ!!」バシュッ シャルロッテ「!!?」 ズバババッ! 振り向き様にビームスライサーでシャルロッテを頭からバラバラに斬り刻む マミ「う…わぁ…!」 ダイナ『どうだぁ!この恵方巻き野郎!』 まどか「えっ!?喋れるの!?」 ダイナ『大丈夫か?』 さやか「めっちゃ普通に喋ってるし…」 マミ「あ、あなたもしかして…」 まどか「さっきの…お兄さん…ですか?」 ダイナ『そうそう!地球ではウルトラマンダイナって呼ばれてるよ!よろしく!』 シャルロッテ『…』シュルルル 飛び散った破片から再生するシャルロッテ さやか「嘘!?バラバラになったのに!!」 マミ「…どこかに奴の本体があるかもしれません!それを叩きましょう!」スッ 銃を握りなおし、立ち上がるマミ ダイナ『よっしゃ行くぜ!準備はオーケーかい?』 マミ「はいっ!!」グッ ダイナ「ハアアア…!」シュゥウン 腕を交差させ、青い体へとタイプチェンジするダイナ ダイナ(ミラクル)「デュアァ!!」バッ さやか「青くなった!」 ダイナ(ミラクル)「ハッ!」ブンッ シャルロッテ『!!』ドガッ まどか「すごい…怪獣映画見てるみたい…」ポカーン ダイナ(ミラクル)『…見えた!あそこを撃て!!』 透視能力で本体の場所を見破るダイナ マミ「今度こそ決めて見せる!」 マミ「ティロ…フィナーレ!!」ドォン! シャルロッテ『!!!!』グオングオン 本体を破壊されて暴れだす ダイナ『トドメだ!行くぜえ!』シュウン ダイナ「ジュアァッ!!」バシュゥウウ ソルジェント光線が直撃し、光の輪を描いた後に爆発を起こす シャルロッテ『…』ドカーン! さやか「やったあああ!!」 まどか「よ、よかったぁ…」 QB「…」ニヤリ …………………………………… アスカ「魔法少女ぉ?」 さやか「うん…それに契約するかどうか…この戦いを見て決めるって話だったんだけど…」 まどか「あんな恐いの見ちゃったら…」 マミ「…ごめんなさい。カッコ悪いところ見せちゃったわね…」 まどか「そんな…マミさんが無事でホントによかったですよ!」 QB「…さて」 QB「もう無事に終わったんだ。さぁ二人とも!」 QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 さやか「そうは言っても…ね?」 まどか「う、うん…あんなのと戦わなきゃいけないんだよね…?」 マミ「…そうよ、あの怪物たちとの戦い…負ければ当然命を落とす」 マミ「よく考えて決めて?」 マミ(…へたり込んだまま言ってもサマにならないけどね) QB「大丈夫だよ!君達ほどの素質ならそうそう負けはしないよ!」 QB「それに…もちろん君達にもメリットはあるだろう?」 まどか「でも私…やっぱりやめようかな…」 さやか「あたしも…ちょっと考えさせて」 QB「やれやれ…まぁ考える時間は必要だよね」 QB「でも僕は諦めないよ?必ず君達を…」 スタッ ほむら「これ以上そいつの言葉に耳を貸さないで」 まどか「!?」 さやか「あれ!?転校生!?」 ミライ「よかった…みんな無事だったんだね」 まどか「先生!?」 ハヤタ「これで会うのは二度目だね」 さやか「昨日のおじいちゃんだ!」 アスカ「なんだなんだぁ?ゾロゾロと!」 ダン「どうやら彼もウルトラマンらしいが…」 北斗「ええ、宇宙警備隊員の一員ではありません」 郷「この町から発せられていた謎の力…どうやら彼がその一人のようです」 アスカ「君もってことは…あんたらも!?」 さやか「えええ?全員!?先生も!?」 まどか「じゃあ昨日会ったおじいちゃんが…」 ハヤタ「そう、僕があの巨人だ」 さやか「…信じらんない」 まどか「なんだかまだ夢の中にいるみたい…」 ほむら「…」 ほむら「ちょっといいかしら?」 ほむら「状況を整理したいのだけれど…」 …………………………………… さやか「じゃあ皆さん偉い人からの命令でその…宇宙人反応ってヤツ?それを追って?」 ダン「ああ、そしてそこにいる少女…暁美ほむらから事情は聞いた」 郷「そこにいる白い動物と契約して魔法少女となるようだな」 QB「…」 アスカ「…それで?その反応の中の一人が俺だって?」 ハヤタ「聞くところによると君はこの世界の住人ではないそうだね」 アスカ「あと宇宙人でもないっすよ!」 北斗「…この世界に来た時のことをもう少し詳しく教えてくれないか?」 アスカ「教えるってもなぁ…いきなり人間の姿でここに飛ばされたとしか…」 ミライ「もしかするとあなた以外にも別の世界から…」 ダン「…その可能性は否定できないな」 ほむら「ともかくあなた達二人…」 まどか「は、はいっ!?」ビクッ さやか「な、なによ…」 鋭い瞳で睨まれ、うろたえる二人 ほむら「今はその気がないみたいだけど…」 ほむら「そいつと契約しようなんて思わないで」 QB「…わからないなぁ」 QB「契約すればどんな願いでも叶うんだよ?」 QB「君達にも夢があるんだろう?それを叶えることもたやすいんだよ?」 ほむら「こいつの甘言に惑わされないで!」 まどか「…」 アスカ「やめといた方がいいんじゃねえの?命の危険があるわけだし」 アスカ「それに誰かに与えられて簡単に手に入る夢なんて…な」 QB(…) ハヤタ「…ともかく一度拠点に戻ろう。やることは特に変わらないんだからね」 さやか「拠点?どこにあるのそれ?」 ダン「…橋の下だ」 さやか「え」 郷「仕方ないんだよ。持つべき物も何もないからね」 ミライ「ダンボールハウスがあるじゃないですか!」 北斗「作ってる途中で放置してきただろう…」 ミライ「あ…」 マミ「…あ、あのっ!」 全員が一斉にマミに視線を向ける ハヤタ「?」 マミ「も…もしよかったら皆さん…」 マミ「その…私の家に来ませんか?」 ハヤタ「ええっ!?それは…」 予想外の提案に驚く一同 ダン「ありがたい申し出だが…そういうわけにもいくまい」 マミ「だ、大丈夫ですっ!」 マミ「私、一人暮らしで…親もいなくて…」 マミ「で…でも、家は広いし、ご飯だってちゃんと…」 北斗「…どうします?」 郷「今回は少し長い間この町に滞在しなければならないから…腰を落ち着ける場所は欲しいな」 ミライ「子供とのコミュニケーションも忘れてはならないって80兄さんが言ってましたし…」 ダン「…わかった」 ハヤタ「巴マミ…本当にいいのかい?」 マミ「は、はいっ!大丈夫です!」 マミ「あの…アスカさんもご一緒にどうですか?」 アスカ「あ、そう?なんか悪いねぇ~」 さやか「この人全然遠慮しないな!」 まどか「…あれ?」 まどか「ほむらちゃんは?」キョロキョロ さやか「そういやキュウべえもいないね?」 アスカ「それじゃよろしくな!マミさん!…立てる?」 マミ「あ…まだ腰が抜けてて…」 地面にへたり込んだまま動けないマミ アスカ「それじゃ…よいしょっ!」グイッ マミ「ひゃ!?」 マミを背負うアスカ アスカ「それじゃ行こうか!」 マミ「は、はははははいぃ…」カアァ… さやか「まどか!あたし達もかえろ!」 まどか「う、うん…」 まどか(…なんだか今日一日すごく長く感じたよぉ…) …………………………………… 杏子「ふーん…このエリアの魔女退治の手伝いねぇ?」モグモグ お菓子を頬張りながら話す少女 QB「そのとおり。君のグリーフシードの取り分も増える」 QB「悪い話じゃないだろう?」 杏子「って言ってもこのエリアにはマミがいるじゃん。それに他の魔法少女候補もいるんだろ?」 QB「…ちょっとあのエリアにはイレギュラーが多すぎてね」 杏子「ふん、なるほどね…気に入らないから消せってか?」ゴクン 杏子「ホントは魔女退治は建前なんだろ?」 QB「そう解釈してもらって構わないけど…判断は任せるよ」 しばらく考え込み、答える 杏子「まぁ取り分が増えるのは悪くねぇな…」 杏子「いいぜ。やってやるよ」 QB「君ならそう言ってくれると思ったよ!」 杏子「ん、それじゃ行くか!」タタタッ ???『あんな小娘に任せて大丈夫なのか?』 QB『全滅させることは…まぁ無理だろうね』 ???『やつも絶望のエネルギーのための糧か』 QB『必要な犠牲だよ』 QB『…君達の提供してくれたデータは素晴らしいものだ。感謝しているよ』 QB『絶望エネルギーの回収効率が格段に上がったからね』 ???『お前たちはわざわざ少女達の協力を得なければならないのだろう?』 ???『不便なものだな…無理やりエネルギーを回収する方法などいくらでもある』 QB『…残念ながら僕らにはその術は無いのさ』 QB『君達はすでにこの星の生物から凄まじい絶望エネルギーを回収している。実に魅力的だ』 QB『それを提供しつつ協力してもらう代わりに僕達は君達とは異なった科学技術を提供する』 ???『そこまでエネルギーに固執するのか…』 QB『宇宙の寿命を延ばすためさ…そして…』 黙りこむキュウべえ ???『…まぁいい』 ???『我々は目的が果たせればそれでいい』 ~数日後~ さやか「で、結局みんなで住んでるわけですか?」 まどか「すごいよね!…マミさん入れて7人暮らしですか?」 マミ「ええ…でもこれからも増えるかもね」 さやか「ええ!?あれ以上!?」 マミ「…アスカさん以外にもこの世界に飛ばされた人がいるかもしれないじゃない?」 マミ「そういう人達もなるべく一つのところに集まった方がいいかなぁって…」 さやか「うわ~…さっすがぁ!」 まどか「あの…食費とかは…」 マミ「ふふ…まだまだ何人増えても大丈夫よ!」 マミ「それに…アスカさんってこの世界に飛ばされてアテも無く彷徨ってたわけじゃないのよ?」 まどか「どういうことですか?」 マミ「あの後聞いたんだけどね?たまたま優しい人にアルバイト紹介してもらってたんですって」 さやか「ええ~?ヤバい仕事なんじゃないですか?」 マミ「花屋のアルバイトらしいわよ」 まどか「へぇ~優しい人もいるんですね…」 マミ「それとね…なんでもその人も飛ばされて来たらしいわよ」 まどか「ええ~っ!?」 まどか「なんか…すごい偶然だよね?」 さやか「そう?考えすぎでしょ~!」 マミ「今日アスカさんがウチに引っ張ってくるそうだけど…」 まどか「…そうだ!」 さやか「わ!どしたの急に?」 まどか「さやかちゃん!今日も上条君のお見舞い行くんだよね?」 さやか「う…ま、まぁね」 まどか「その花屋さんでお花買って行ってあげなよ!」 さやか「あ!それいいかも!!」 マミ「場所は聞いてるから案内するわ!二人を迎えに行かないといけないし!」 マミ(誰かと一緒に下校なんて!)ワクワク …………………………………… さやか「マミさーん…まだ着かないんですかぁ~?」 疲れた表情でマミに問いかける マミ「それでねそれでね!私もその戦いに同行したの!」 マミ「あの人達と一緒に戦ったのよ!?すごかったなぁ~!」 まどか「へ、へぇ~」 マミ「みなさんすっごく強いのよ!」 マミ「ハヤタさんなんてね、こんな感じで大胸筋で魔女の攻撃を…」ズイッ まどか(ま、マミさんすっごいテンション…) まどかとの話に夢中でさやかの問いにまったく気づいていない さやか「はあ…アレ?」 さやか「マミさん!あれじゃないですか?」 マミ「えっ?あ、アレよアレ!到着よ!」 まどか(やっと終わった…でも楽しそうだったからいいや) 花屋に入っていく三人 ~花屋~ さやか「これ…かな?」 まどか「うん!それ買おうよ!すっごく素敵!」 さやか「そ、そうかな?…えへへ」 マミ「アスカさん、あの話の人は?」 作業着姿のアスカに問いかける アスカ「あー、あっちで花の面倒見てるよ」 アスカ(それにしてもあの人がティガだったなんてなぁ…信じらんねぇ) さやか「これください!」 店員「はいはい…っと、お譲ちゃんプレゼントかい?相手は彼氏?」 さやか「!!…そ、そんなんじゃないですよ!やだなぁ~!あはは…」ドキドキ 顔を赤らめるさやか 店員「あれ~?おばちゃんの勘が外れたか~!」 まどか(好きなら隠すことないのになぁ…) 店員「でも照れることないわよ!それじゃあっちの高いヤツもサービスしたげる!」 さやか「ほ、ほんとですか!」 店員「ホントホント!…ちょっと~?マドカさ~ん?あれ持ってきて~」 まどか「えっ…?は、はい!?」 ダイゴ「はーい!…え?」 まどか・ダイゴ「「あれ?」」 ダイゴ「あの~もしかして…君の名前は…」 まどか「は、はいっ!鹿目まどかですっ!」 ダイゴ「へぇ!君もまどかって言うんだ!」 ダイゴ「僕はマドカ・ダイゴ…こっちは名前じゃなくて名字だね」ハハハ まどか(う~…勘違いしちゃった…恥ずかしいよぉ…) アスカ「ダイゴさん!ここにいたんすか!」 マミ「話は聞いています!遠慮なさらずにウチへ!」 ダイゴ「…いいのかなぁ?」 まどか「え!?じゃあこの人が…」 …………………………………… まどか「それじゃさやかちゃんバイバイ!頑張ってね!」 さやか「な、何をだよ!もう!」 マミ「それじゃ行きましょうか!」 アスカ「また一人増えたな!マミさん!」 ダイゴ「え?僕等以外に誰かまだいるの?」 ~病室~ さやか「失礼しまーす…」ガララッ 上条「…やぁ、さやかか…」 さやか「ははは…また来ちゃった!具合はどう?」 上条「…」 さやか(あ、あれ…?) さやか「そ、そうだ!今日もCD持ってきたよ!」 上条「!!」ピクッ さやか「それでねそれでね!今日はなんとCD以外に…」 ガシャン! さやかのCDを手で叩き割る さやか「き、恭介…!?」 上條「さやかは僕を虐めて楽しいの!?」 上條「毎日毎日音楽のCD持ってきて…」 上條「もう僕はバイオリン弾けないんだよ!?」 さやか「そ、そんなこと言わないでよ!…治るよその手も!」 上條「治らないんだってさ…医者の先生に言われたよ…」 さやか「!」 予想外の答えにさやかの笑顔が消える 上條「僕にはバイオリンしかないのに…もう生きてる意味も無いよ…」 さやか「そんなこと…言わないでよ…」 上條「君に何がわかるんだよ!」 さやか「…治るよ」 さやか「絶対…治るよ…」 上條「…ふん」 さやか「こ、これお花…」ガサッ 上條「いらないよ。もう帰ってくれないかな?」イライラ さやか「…」 さやか「ッ!!」ガラッ ガラッ 仁美「?…今出ていったのは…」 さやかと入れ違いになるように仁美が病室に入ってくる 上條「ああ君か、気にしないでよ」 …………………………………… さやか「…キュウべえ。いるんでしょ?」 QB「…契約する気になったのかい?」ストン さやか「…うん」 QB「それはよかった!さぁ君の願いを言ってごらん!」 さやか「…」 さやか「上條恭介の手を完全に直してほしい」 QB「よしわかった…」シューン QB「おめでとう!君の願いはエントロピーを凌駕した!」 QB「今日から君は魔法少女だよ!」 …………………………………… ???『予想外の邪魔が入ったが…ここまでは順調だな』 QB『まだ油断はできないけどね』 QB『…以前の時間軸ではウルトラ兄弟の介入はなかったハズだけどね』 ???『それだけが疑問だな』 ???『以前の時間軸では奴らに気取られぬように進めていたはずが…』 QB『…誰かがこの危機を彼等に伝えたと?』 ???『それはわからん。お前達も以前の時間軸の記憶を覚えているんだろう?』 QB『もちろん!君達の能力で次元を超えたおかげで暁美ほむらに出し抜かれていることに気付いたんだからね』 ???『我々はどのタイミングで飛ばされた?』 QB『…鹿目まどかがアレに敗れて…そこからしばらくしてこの時間軸に飛ばされたからね』 ???『…まぁいい』 QB『うん、この時間軸で必要なエネルギーは溜まるだろうからね』 ~廃墟~ 杏子「さーて…明日からこの町で魔法少女探しだ!」 杏子「この辺で寝るか…」 杏子「明日から本気出すぞー」ガサガサ 床に自分の荷物をぶちまける杏子 杏子「…」ピクッ 杏子「…おい」 杏子「誰かいるんだろ?出てこいよ!」 暗闇に向かって怒鳴る ???「うわ、ゴメン!驚かせるつもりは…」 杏子「あんた誰だ?」 杏子「あ…もしかしてここの住人?」 ???「ち、ちがうちがう!僕もちょっと前にここに来たんだ!」 杏子「?…あんたホームレスか?」 ???「う…ここに飛ばされて住むところがないから…まぁそんなものかな?」 杏子「はぁ?飛ばされた?どういうことだ?」 ???(…これ言っていいのかな?) ???(…まぁ一人で考えるより誰かに聞いてもらった方がいいよね) ???「実は…」 …………………………………… 杏子「はー…信じらんねぇ…」 ???「でも事実なんだよ…?」 杏子「…まぁどうでもいいや」 杏子「さ!腹ごしらえだ!お菓子お菓子!」ガサガサ ???「…」 グゥゥウウ… 男の腹の虫が鳴く 杏子「…」 杏子「やれやれ…食うかい?」スッ ???「あ、ありがとう!優しいんだね!えーっと…」 杏子「佐倉杏子だ!」 ムサシ「僕は春野ムサシ!よろしくね杏子ちゃん!」 …………………………………… 杏子「ふは~食った食った!」ポンポン ムサシ「いや~本当に助かったよ!なんにもお礼できないけど…」 ムサシ「…そうだ!杏子ちゃん!これ見てごらん!」スッ 青い輝石を差し出すムサシ 杏子「うわ…なんだこれ…綺麗だなぁ!キラキラ光ってらあ」 ムサシ「でしょ?僕の宝物!大切な人との絆なんだ!」 杏子「…へぇ~」 杏子(ホント綺麗だな…なんかあったけえ光だ…) ムサシ「ところで杏子ちゃん…」 杏子「…」 ムサシ「杏子ちゃん?」 杏子「ん…ああ、何?」 ムサシ「君は中学生くらいだよね?ここで何してたの?」 ムサシ「親御さんが心配してるんじゃないのかな?」 杏子「…ちっ」 杏子「…どうでもいいだろそんなの」 杏子「ほら!もう寝るからあっち行った!」シッ ムサシ「?…うん、じゃあおやすみ…」 ムサシ(なにかあるのか?彼女…) ~翌日~ 杏子「ふぁあ…」 杏子「…よし、そろそろ行くか!」 ムサシ「…」グーグー 杏子「あいつまだ寝てるや…」 杏子「…風邪ひくぞおい」バサッ 自分が使っていた毛布を掛けてやる杏子 杏子「ん…?」 ムサシの懐から輝石が転がり落ちている 杏子「…」ヒョイ 杏子「へへ、悪いなムサシ…」グッ 拾い上げた輝石をしまいこみ、そのまま廃墟から立ち去る杏子 杏子「さーて、最初のターゲットは…」 ~放課後~ マミ「鹿目さ~ん?」ガララッ まどか「あ!マミさん!」 マミ「あら…?今日は美樹さんはお休みかしら?」 まどか「はい…なんか体調崩したみたいで…」 マミ「暁美さんは?」 まどか「ほむらちゃんはすぐ帰っちゃいました」 マミ「そう…彼女とも一度話し合いたいと思ってたのにね」 マミ「まぁいいわ…鹿目さん今日も一緒に…」 仁美「まどかさん?ちょっとよろしいですか?」 二人の会話に仁美が割り込んでくる まどか「仁美ちゃん?どうしたの?」 仁美「この後付き合ってもらいたいところがあるんです」 まどか「うん!いいよ!マミさんも…」 仁美「そっちの方には遠慮していただきたいのですが?」 マミ「」 まどか「ま、マミさん…」 マミ「い、いいのよ?私は先に帰ってるから!」タタタ… 仁美「行きましょう?」 まどか「うん…」 まどか(なんか仁美ちゃん変だよ…顔色も悪いし…) ~廃工場~ ???「なんだよ~!また別の世界かぁ~!?」 戦闘機のコクピットで青年が叫ぶ ピッピッ ???「こちらファイターEX!コマンダー!応答願います…」カチャカチャ ???「こちら我夢!コマンダー、応答願います!」ガチャガチャ シーン… 我夢「はぁ~…またガリバー旅行か…」 我夢「とりあえずファイターはここに隠そう…街中じゃさすがに飛べないしね」 …………………………………… まどか「ねぇ仁美ちゃん…どうしたの?」 まどか「こんなとこに連れてくるなんて…」 仁美「…」スッ ゾロゾロ… 合図とともに物陰から虚ろな目の人達が現れる まどか「えっ…?な、なに?」 仁美「…ふ…ふふ…」ニヤニヤ まどか(もしかして…魔女に…!?) 男「…」スッ 操られている男がまどかに手を伸ばす まどか「ひっ…いやっ!」ダッ その場から走り去ろうとするまどか 仁美「…」ブンッ ドスッ! まどか「かぁ…うっく…!」フラッ しかし仁美に腹を殴られうずくまる まどか「だ、誰か…ぁ」ジワッ ダダダッ 我夢「ちょ、ちょっとちょっと!駄目だよ!!」 まどか「!?」 我夢「君!大丈夫?」グイッ まどか「は、はい…」 まどかに肩を貸す我夢 我夢「…どういうつもりですかあなた達!」 まどか「違うんです!この人たちは操られて…」 我夢「え!?」 我夢(もしかして…またメザードか!?) 仁美「…」ダダダッ 二人に駆け寄る仁美 まどか「あ、危な…」 ドスッ! 我夢「ぶっ!!」 我夢「うぐぐ…」ガクン まどか「だ、大丈夫ですか?」 我夢「うん…しかしすごい力だ…」 仁美「ふふふ…」 まどか(!!…首筋に変な印がある!やっぱり操られてるんだ!) 我夢「…君!逃げるよ!」グイッ まどか「あっ…!」 ギューン まどか「ど、どうしよう…」 我夢「あれ…ここどこ?」ポカーン 魔女『ヒヒヒ…』 使い魔『…』カタカタ 我夢「なんだあれは…パソコン?」 まどか「き、来ますよ!逃げましょう!」 ガシッ ガシッ 天使のような使い魔に拘束される二人 我夢「うっ…!まずいっ…!」ギリギリッ まどか「い…ぎぃ…っ!」ギリギリッ まどか(わ、私弱虫で…迷惑かけてばっかりだから…) まどか(バチが…あたったのかな…) 我夢(!!…このままじゃ…) ズバババッ! 使い魔『!?』 二人を拘束している使い魔がバラバラに切り裂かれる 我夢「な、なんだぁ!?」ドサッ まどか「あ…」 さやか「二人とも!大丈夫!?」スタッ まどか「さやかちゃん!?…その格好まさか!!」 さやか「話はあと…あいつを片づける!」 ダンッ 我夢「な、なんなんだこの世界は…」 さやか「ふっ!!」ブンッ 魔女『キッ!?』ブシュッ さやかが力任せに剣でハコの魔女を斬りつける 使い魔『…』スタッ ゾロゾロ 大量の使い魔がさやかを取り囲む さやか「…!」 さやか「どっけえええええええ!!」グルンッ ズババッ!! 回転してまとめて使い魔を斬りはらう まどか「さやかちゃん…」 我夢「あとはあの大型だけか!?」 さやか「よし!このまま一気に…」 シュゥウウウッ 新たに天使型の使い魔が現れる まどか「!?」 さやか「へ、へん!何匹湧いて出ようが…」 さやか「さっきみたいに纏めて片づけてやる!」 使い魔の群れに突っ込んでいくさやか …………………………………… さやか「はぁっ…はぁっ…」 まどか「さやかちゃんっ!!」 我夢「やっぱり…何度倒しても湧いて出てくる…」 使い魔『…』ブンッ ゴンッ さやか「あ…かぁっ…!」フラッ さやか「くぅ!」 倒れそうになるところをかろうじで耐える さやか「このっ!!」ズバッ さやか「…やっぱり魔女を倒さなきゃどうしようもない!」ググッ ダンッ! 魔女に向かって一気に跳躍するさやか さやか「これでえええええっ!!!」 まどか「!?…仁美ちゃんっ!!」 さやか「!!」ピクッ 使い魔が気絶している仁美を担ぎあげる 魔女『ヒヒヒ!』ゴッ さやか「しまっ…!!」 仁美に気を取られ、魔女の攻撃への反応が遅れる ドガガッ! さやか「ぐうあっ!!」 使い魔『…』ガシッ 使い魔に両腕を拘束されるさやか さやか「は、離せーっ!!」 魔女『…』スゥッ 魔女『…ヒヒヒヒヒ!』 さやか「はっ!?」 使い魔「…」グググッ ボキボキッ! さやか「ッ!!あああああああっ!!!」 まどか「ひ…いやあああっ!!」 我夢「!!」 さやか「う…あ…ああ」ピクピクッ 使い魔『…』ググ まどか「さやかちゃんっ!!もうやめて!」 まどか「やめてえええええええ!!!」 我夢「…こんな子供たちを!」スッ 懐からエスプレンダーを取り出す我夢 我夢「許さん!!」 バッ 我夢「ガイアーーーー!!!」 シュウウウウン ズズーンッ! ガイア「ディヤッ!!」 まどか「!…ウルトラマンだ!!」 さやか「あ…」 使い魔『!?』 魔女『!!!』 ガイア「ジュワッ!」バシュバシュッ 使い魔『!』ズバッ ガイアスラッシュで使い魔をまとめて消滅させる ガイア『大丈夫かい?』スッ さやか「う、うん!ありがとう!」 まどか「さやかちゃん!…あれ?」 すでに回復が始まっているさやかの腕を見つめるまどか さやか「これ…あたしの能力みたいだね…」 魔女『ヒィー!!』グオッ ガイアに体当たりを仕掛けてくる魔女 ガイア「ジュワッ!」バッ シーン… ガイア(あれ!?バリアーが張れない!?) ドガッ ガイア「グウッ!」 さやか「ああっ!?」 魔女の攻撃が直撃する ガイア(…間違いない!この世界に来てから光の力が落ちている…!) ガイア『…だったら速攻で決める!』キュイン シュウゥウゥウウ ガイア「ディイアアアアアッ!!」バシュウウウ 魔女『ヒ…』ドカァアアン!! 頭部からフォトンエッジを発射して魔女を撃破する まどか「モヒカンだ!」 さやか「ちょんまげだよ!!」 …………………………………… まどか「さやかちゃん…その腕…」 さやか「ん…もう大丈夫だよ!これも魔法のおかげ?ははは…」 まどか「で、でもちゃんと手当して…」 さやか「だいじょ~ぶだって!心配性だなぁもう!」パシパシ 自分の腕を叩いて笑うさやか まどか「…」 タタタッ 我夢「君達!大丈夫だった!?」 まどか「あ!お兄さん!」 さやか「さっきのお兄さん…そうだ!聞きたいことが…」 我夢「?…何かな?」 さやか「お兄さんってさぁ…」 まどか「うん…ウルトラマンですよね?」 我夢「!!」 我夢「どうして…ウルトラマンのことを…?」 我夢(もしかしてこの世界でもみんな知っているのか?) 我夢「君達はいったい…!?」 さやか「えーっと…」 QB「…回収完了」ヒョコ BACKまどか「…ウルトラマン!」 1 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 3
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…………………………………… Uキラー「ギャオァァアアアアア!!!」 ティガ「…!!」 ダイナ「!…ジュアッ!」 ドガガガガッ 咆哮と共に触手から放たれる雷撃、 それを二人のウルトラマンが鮮やかなバック転で回避する QB『ほらほら避けてるばっかりじゃあ勝つことなんて出来ないよ!』 Uキラー「グゥゥウ…!!」 不規則な動きの触手がウルトラマン達を追いつめる ガイア「…!」 ガイア『まずはあの触手をなんとかしないと…!』シュンッ ザシュッ! Uキラー「!!」 ガイアが右腕から青い光の剣を展開し、 迫り来る触手を細切れに切り裂く QB『速いね…!大したものだ』 ガイア『今だ!!二人とも!』ズンッ 光の剣を収納し、飛び退く ダイナ『!…よっしゃあ!!』バッ ティガ『奴の弱点は…』バッ ティガとダイナが攻撃から止んだ隙に、光線の構えを取る QB『…ふふ』 ダイナ『見とけよ~!俺の超ファイ…』 ドガガガガッ! ガシッ! ダイナ「グアッ!?」 ティガ「グ…ゥ!」 ティガとダイナが光線をUキラーザウルスの頭部へ放とうとした瞬間 瓦礫を吹き飛ばし、地面を突き破って出現した触手が二人の首を締め上げる ダイナ「グゥゥウウ…ッ!!」 ティガ『下からだと…!ぐっ…!』 Uキラー「グルルル…!!」 ガイア『何…!』 QB『よそ見してる暇は無いと思うけど?』 ドゴッ! ガイア「グゥオアッ!?」 巨大な足に蹴り飛ばされ、瓦礫の上に叩きつけられるガイア ダイナ『くっそー!こんなもん…!』 ギギギッ QB『暴れるだけ無駄だよ』 Uキラー「ガォオオオオォッ!!」 ティガ「グウゥ!?」ギギギッ 触手が更に強く二人の首を絞め付ける QB『このまま一気に…』 ドグシャッ!! QB『!?』 QB『援護射撃!?何処から…?』 Uキラー「!」 キュウべえの視線の先 そこには大砲を出現させたマミ そして、発射煙の昇るランチャーを構えたほむらの姿があった スタッ 杏子「今だ!」 さやか「ダイゴさん!アスカさん!!」 ティガ「!!」 ダイナ「…!」 ダイナ「ジュアッ!!」 ティガ「ハァッ!」 バシュシュッ! 首に絡み付いた触手を払い落し、 Uキラーザウルスの顔面へビームスライサーを放つ QB『…!』 Uキラー「!!」 シュイン バチチッ さやか「っあ~!惜しいっ!!」 杏子「くっそ…もうちょっとだったのに!」 バリアーに当たって消滅したビームスライサーを見て、歯がみする二人 Uキラー「グゥ…?」シュー QB『…せっかく生き長らえた命を捨てに来たのかい…?』 眼下の少女達と二人のウルトラマンを見下ろすキュウべえ QB『君達は――――』 杏子「バーカ!よそ見してんじゃねぇっ!!」 さやか「我夢さん!!」 QB『!?』 Uキラー「グガッ!!?」 四人の魔法少女の参戦 その予想外の事態によって生じた一瞬の隙 QB『しまった…!』 その隙を見逃さなかったガイアが既に光線を放っていた ガイア『いけっ!!』 杏子「当たれぇえーーっ!!」 さやか「このタイミングなら…!」 ドガガガガッ!! シュゥウ… Uキラー「グフゥ…!!」 QB『…』 さやか「あぁっ…!」 ほむら「……!」 灼熱の破壊光線が頭部に直撃するより早く Uキラーザウルスはその扇状の手を盾にして、完全に防ぎ切っていた ガイア『駄目か…!!』ダッ L字型に組んだ腕の構えを解き、その場から退避する QB『…なるほどね』 QB『少しの隙も君達には見せちゃあいけないってことか…』 ズズンッ ティガ『君達どうして……』 ダイナ『おいおい!待ってろって言われただろ?』 ガイア『君達のソウルジェムの穢れが完全に浄化されたワケじゃないんだよ…?』 三人のウルトラマン、四人の魔法少女が一ヶ所に集まる 杏子「わかってるよそんな事は!!」 ほむら「だけどこれは…私達の戦いでもある」 マミ「別の世界から来たあなた達が戦ってるのに…」 マミ「私達が黙って見ているだけなんて……出来ませんっ!!」チャキ さやか「みんなで戦えば…きっとヤツを倒すことも…!!」 ガイア『みんな…!』 ティガ『…確かに…君達の援護で助けられた事は事実だしね』 ダイナ『…しょうがねぇな!』 ダイナ『こうなりゃ運命共同体ってやつだ!付き合ってもらうぜ!』 杏子「おお!任せときなよ!」 マミ「はい!」 ズンッ… QB『運命共同体か…』 QB『なら地獄にまで一緒に行かなきゃね…!』 Uキラー「グァルルルッ…!!」 ほむら「!!」 ドドドドドドッ Uキラーザウルスの全身の突起から生体ミサイルが放たれ、 七人に降り注ぐ 杏子「やべ…!!」 ティガ『!!…退がって!』 ダイナ「ジュアッ!!」 ガイア「ディヤッ!!」 キュイン! 三人のウルトラマンが少女達を退がらせ、円形のバリアーを展開する ドガガガガガガッ!! シュゥゥウ… Uキラー「グゥ…」 QB『さて…どうかな…?』 目を細め、眼下に広がる爆煙を見下ろす Uキラー「…!!」 QB『おや…?』 爆煙が晴れた時、 キュウべえの瞳に映ったのは、三人のウルトラマンだけだった QB『彼女達は…!?』 ティガ「…」 ダイナ『さぁて…何処だろうな!?』 ガイア『勝負はここからだ!いくぞ!!』 …………………………………… ヤプール「!…あの三人…現れたか……」 ???「概ね計画通りじゃないか。ここまでは」 ヤプール「ああ、そうだな…だが」 ヤプール「鹿目まどかに止めを刺すことはできなかったよ」 ???「!……驚いた…」 ???「彼女自身が君の精神攻撃を跳ね除けたとでも…?」 ヤプール「それは分からん」 ヤプール「だが何者かの力が働いていることは確かだろう」 ???「……彼女…この世界の住人なのに不確定要素が多すぎるね」 ???「ロクなエネルギーも取れなかったし…どうなっているんだか」 ヤプール(……) ???「そうだ。僕も君に報告しておきたい事があったんだ」 ヤプール「?」 ???「月面で交戦していた二人…春野ムサシと孤門一輝」 ???「あの二人が地球へ帰還するようだ」 ヤプール「!……奴等を始末することは出来なかったのか…!?」 ???「まあ仕方ないよ。ここで無駄に戦力を消費するのは馬鹿馬鹿しいもの」 ???「それに…彼等が相手にしていたのはあくまで失敗作だからね」 ???「ゴミの処理を手伝ってもらったようなものだよ」 ヤプール「…」 ???「心配する必要は無いよ!」 ???「残りのウルトラマン達のデータが取れれば……僕達は…」 …………………………………… Uキラー「グォアァァアアアア!!!」ドガガッ ティガ「ジェアァッ!!」 ダイナ「デュア!」 次々に振り下ろされる触手を避けて打撃を繰り出すものの、 強固な外殻に覆われたUキラーザウルスの体には決定打と成り得なかった ティガ『くっ…』 ダイナ『堅ってぇな!!』 QB『駄目だなぁそんなんじゃあ!!』 ヒュン! ダイナ「!?」ガシッ Uキラー「ギャオオオオォッ!!」ブンッ ダイナ「グアァッ!?」 Uキラーザウルスの触手はダイナを捕らえ、 そのまま瓦礫の山に叩きつける ダイナ『こ、この野郎…!』ググッ QB『まず一人…!!』 Uキラー「ガァアッ!!」 バチュン!! QB『うぐっ!?』 ダイナを踏み潰そうと足を振り上げた瞬間 目の前で強烈な閃光が迸り、視界を奪われるキュウべえ QB『こ…これは…!!マミの…!』 マミ「…これで二度目ね」チャキ したり顔で銃を下げる ティガ『!…今だ!』バッ シュォオオ ティガの胸にある黄金のプロテクターにエネルギーが集中する Uキラー「!!?」 ティガ「ジャッ!!」 ドシュッ!! QB『!…』 Uキラー「グギャァァアアアア!!!」 キュウべえの視界が奪われた一瞬 ティガの両腕から放たれた大型の切断光線がUキラーザウルスの右腕に直撃 Uキラー「グ…グゥゥウウウ…!!」 しかしダメージは与えたものの、切断までには至らない ティガ『く…浅かったか…!!』 マミ「まだです…!もう一撃加えれば…!」 ドゴォォォォオオオン! さやか「おりゃぁぁあああっ!!」 QB『!?』 さやか「これでもぉぉおおっ…!!」ブンッ! Uキラー「グッ!!?」ザクッ ビルの壁を砕き、飛び出てきたさやかがUキラーザウルスの右腕、 ダメージを受けた部分に剣を突き立て、 ドゴォォォォオオオン! QB『な…!?』 杏子「喰らえぇぇえええっっ!!!」 ズバンッ!! 別のビルの壁を砕きながら突き出した巨大な槍が Uキラーザウルスの右腕を完全に斬り落とす Uキラー「グァギャァアアアアア!!!!」 ドズンッ! 肉片となった右腕が鮮血を撒き散らし 巨大な音を立てて地面に落下した 杏子「うぐっ…!!」ドシャッ さやか「っあ!!」ズシャッ それに続いて右腕を攻撃した二人も落下し、地面を転がる Uキラー「グゥオオオォ…」 QB『く…まさかここまで…!』 QB(ヤプールから与えられたこの力が…!) QB(たった四人の魔法少女と…) QB(エネルギー不足のウルトラマン三人に…これ程のダメージを!!) ガイア『キュウべえ!!』キュイン ほむら「…インキュベーター!!」ジャキン QB『!!』 ガイア「ディィヤァァアアアアッッ!!!」 バシュゥゥウウッ!! ほむら「これでトドメよ…!!」 バァン! ガイアがUキラーザウルスの頭部へ向けて、 自身の頭部から光の刃・フォトンエッジを放ち それに続いてほむらも魔力を込めてディバイトランチャーのトリガーを引く QB『!!…勝負に出たか…!』 Uキラー「!」シュイン バチチチチッ!! Uキラー「グゥゥウウウ!!!」 二人の同時攻撃が直撃する寸前、 Uキラーザウルスは亜空間バリアーを展開させ、受け止める ガイア「ハァァアアアアッッ!!」ググッ ほむら「っ……!!」 スタッ マミ「私も…!!」チャキッ ババババッ! QB『…く…!!』 バリアーに阻まれてもなお、三人の攻撃は続く QB『…ふ…ふふ…!!』 バチチチチッ QB『無駄だよ…!』 QB『君達の最後の攻撃も…この亜空間バリアーの前には…!』 ティガ『果たして…そうかな?』 ダイナ『バーカ!そっちは釣り球だってーの!!』 QB『!?』 QB『何…!?』 右方向からの声 そこには両腕を広げてエネルギーを集約させたティガの姿 そして瓦礫の山に倒れていたはずのダイナが両腕にエネルギーを溜め、待ち構えていた ティガ・ダイナ「「ジュァアアッ!!」」 バシュゥゥウウ! Uキラー「!!?」 QB『しまった…!!』 ティガとダイナがUキラーザウルスの頭部へ ゼペリオン光線とソルジェント光線を同時発射 バチチチチッ!! QB『まさか…気付いていたのか…!』 間一髪の所でバリアーを展開し、防御 しかし二方向からの攻撃は続く ガイア『そうだっ…!亜空間バリアーの絶対無敵の防御力は…! ガイア『意識を集中した一方向に対してのみ…!!』 ほむら「だからあなたは…!」 ほむら「あの時、我夢の放った光線を素手で防いだ…!!」 ほむら「飛んで来た攻撃に対して自動で展開されるわけじゃないっ…!」 バチチチチッ!! Uキラー「グ…オ…オオオ!!」 QB『!!…あの時に見破っていたのか…!』 ティガ「ハァアァアアッ…!!」 ダイナ『そのまま…ブチ破れろぉぉおおっ…!!』 バチチチチッ!! ガイア『亜空間バリアーの突破…多方向からの同時攻撃!』 マミ「届いて…!!」 Uキラー「…!!」バキッ… QB『!?…バリアーが…!』 二方向からの攻撃を受け続けた亜空間バリアーに大きな亀裂が入る QB『た…対応しきれない…!!』 QB『こ、この力は……』 QB『決して敗れることなど…無いはずじゃなかったのか…!?』 QB『これが…彼らの…!!』 QB『光の…力なのか…!?』 シュゥン… QB『…!!!』 ほむら「…な!?」 マミ「っ…嘘…!?」 ほむらとマミが攻撃の手を止め、驚愕する 杏子「ッ…!マジ…かよ…!!」 さやか「え…!?」 杏子がさやかに肩を貸して起き上がらせ、 目の前で起こった出来事に絶句する ガイア「!?」 QB『……』 ダイナ『ぐ…くそ……!』 ティガ『もう…エネルギーが…!!』 マミ「アスカさんっ!ダイゴさん!!」 魔法少女達の目に映ったのは 地面に膝を付き、カラータイマーを赤に点滅させたティガとダイナの姿だった QB『エネルギー切れ…か…!』 QB『…今度ばかりは…完全に駄目かと思ったよ…!』 バシュシュシュッ! バリアーを消し、 触手から眼前のガイア、ほむら、マミに向けて雷撃を放射する マミ「あ……っ!!」 ほむら「…っ!」 ガイア『二人とも!……っぐぅ!!』 ドガガガガッ ほむら「我夢…!?」 ガイア「グ…ァ…」 ガイアが二人の盾となって雷撃をその体に浴び、 地面に倒れ込む Uキラー「ガァァァアアアアアァッ!!!」ブンッ QB『君達には驚かされてばかりだよ…!!』 ドガガッ ティガ「グゥッ!!」 ダイナ「グァッ!?」 横薙ぎに払われた触手は二人のウルトラマンを吹き飛ばし 瓦礫を舞い上げる Uキラー「ゴォァアアアアアァ!!!」 バシュシュシュッ! 巨大な六本の足で地響きを起こしながら全身の武器を開放 Uキラーザウルスの全身から次々に放たれる攻撃 ドガガガッ! 杏子「さやかっ!こっちに……ぐぅッ!?」 さやか「杏子!!…うぁあっ!!?」 雷撃に撃たれ、飛び散った瓦礫の破片をまともに浴びる二人 ダイナ『このヤロ……!ぐあっ!?』 ティガ「グッ…!!」 攻撃を阻止すべく立ち上がろうとしたティガとダイナ しかし執拗に続く無差別攻撃を受け、爆煙の中に倒れる ドガァァアアアアアン… 辺り構わず、空に、地上に、あらゆる方向に放たれる攻撃 町の至る所で激しい爆発が起こり、火の手が上がる ほむら「くっ…!!」ダッ 迫りくる攻撃を跳躍して回避する Uキラー「!…グルルァアア…!!」 バシュッ! マミ「!! きゃあぁっ!?」 ほむら「!……マミ…!」 QB『よそ見をしている場合じゃないよ!暁美ほむら!!』 ドシュン ドガッ! QB『終わりだね…』 爆風に吹き飛ばされたマミに気を取らた一瞬、 赤色の光弾を背中に受けるほむら ほむら「!…ッ…あ!!…か…!」ズシャァ そのまま落下し、地面に叩きつけられた彼女の背中は抉れ、 溢れ出した血が焼け焦げた服を真っ赤に染める ほむら「うっ…あ゛っ…ぁ…!」 Uキラー「グルルゥ…」 QB『…』 シュルルル グチャッ Uキラーザウルスの細い触手が斬り落とされた右腕に絡み付き、持ち上げ、 切断面に押し当てる ジュゥゥウウ… 杏子「ッ…!冗談…だろ…っ」 ティガ『再生能力…!?』 焼け焦げるような音と共に切断面同士が張り付き、固定され 元の右腕の位置に収まる Uキラー「グルル…」 QB『……』 QB『まさかロクにエネルギーの残っていない君達が…ここまで戦えるとは…』 QB『想像を超えた爆発力が君達にはあるのかもしれないね』 ティガ『!…』 ダイナ『くっ…まだ…!』 ガイア『…』 カラータイマーが赤く点滅し、地に伏す三人のウルトラマンを見下ろす ほむら「ぐ……かはっ…!」ググッ 口の端から血を垂らしつつも 腕に力を込め、立ち上がろうとするほむら ほむら「っ…!」 ドシャッ ほむら「はぁっ…は…ぁっ…ッ…」 しかしその度に全身の激痛に耐え切れず、力無く地面に突っ伏す ズンッ QB『暁美ほむら…』 QB『幾多の時間軸を渡り歩き…運命を変えようと奮闘した君の旅も…』 QB『ここで終わりだね』 巨体を揺らし、少しづつほむらへ迫るUキラーザウルス QB『残念だったね…』 QB『最後に鹿目まどかに会うことも出来ずに…死ぬんだから』 ズンッ 呪いの呪文のように呟きながら 一歩、また一歩とほむらに迫る ほむら「く…ぅ…ぅぅ…」ググッ 瓦礫の上で腹這いになり 彼女の腕は、何かを掴もうとするかのように空へと伸ばされる ほむら「くっ…く、あぅ……っ!」 ほむら「…ぁ……!」ドシャッ しかし、その腕は虚空を掴み 力無く地面に投げ出された Uキラー「グォァアアア…!!」 巨大な足が、ほむらへ振り下ろされる ほむら「ま……ど…か……」 …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… まどか「……」 『……』 真っ白な世界 地面も、空も、全てが白 何も無い無の空間 まどか「…」 その空間で力無く、地に四肢を投げ出し だらしなく口を開け、虚ろな瞳で虚空を見上げる鹿目まどか 『……』 その傍らに、寄り添うように座り込む 三つ編みで眼鏡を掛けた少し気弱そうな少女 まどか「……ごめん…ね…」 『……?』 不意に、まどかが少女へ顔を向け 弱々しい声を漏らす まどか「あなたは……今も…」 まどか「苦しんで…るん…だ…よね…」 『……』 消え入りそうなまどかの声を聞いた少女の顔は 悲しく、辛そうな表情をしていた まどか「辛い…よね……苦しいよね…」 まどか「うっ…くっ…」ジワッ 心身両方の痛みに、焦点の合わない瞳から一筋の涙が零れ落ちる まどか「最後まで…何にも出来なくて…みんなに守られてばっかりで…さ……」 まどか「馬鹿…だよ…わたし…」 『……っ!』ギュッ 自身の胸を掴み、悲しい表情のまま、まどかの話を聞き続ける少女 まどか「………でも…ね」 『…?』 少女から視線を離し、再びまどかの瞳は虚空に向けられる まどか「キュウべえと契約した時…聞いたんだ…」 まどか「わたしの願いは…叶えられて……みんなの助けになった…ってさ」 『……』 まどか「わたし……ね」 まどか「キュウべえと契約して…魔法少女になって……こんなことになったのは…ね…」 まどか「罰なんだと…思うんだ」 『……!』 少女の瞳が驚きに見開かれる まどか「この運命は……わたしが魔法少女になったのは…」 まどか「みんなや…ほむらちゃんに迷惑掛けてた…駄目なわたしに……」 まどか「神様が与えた……罰」 『………』 まどか「迷惑ばっかり掛けてきたわたしが…」 まどか「最後に…少しだけみんなの力になって…」 まどか「一人孤独に死んでいく…」 まどか「それがあなたへの…せめてもの罪滅ぼし…」 まどか「でも……その罪滅ぼしも…終わる…」スッ 『…!!』 まどかの右拳が開かれる その手に握られていた物は、真っ黒に染まり、ヒビの入ったソウルジェム 『…まどか……』 スッ まどか「……?」 『罰…なんか……じゃないっ…よ』 ソウルジェムの乗ったまどかの右手に、 震える声で、今にも泣き出しそうな少女が自身の右手が添える まどか「え…?」 驚き、再び少女へ視線を戻すまどか 『私は…あなたに迷惑を掛けられたと思ったことなんて…』 『一度も無いよ…?』 まどか「嘘…」 『嘘じゃない…だって…』 『これは私が……暁美ほむらが自分で決めて…』 『自分自身で選んだ道だもの……』 まどか「…!…自分…で…」 ハヤタに聞かされた言葉が、頭を過ぎる 『…まどか…これを見て…』 シゥゥューン… まどか「うっ……え!?」 頭の中に、流れ込むビジョン そこには今、目の前にいる少女、 銃を構えて使い魔と戦う巴マミの姿 そしてピンクの髪をなびかせ、弓を引き絞る魔法少女 鹿目まどか自身の姿があった まどか「あれは…わたし…?」 『そうだよ…』 『…あなたと私が初めて出会った時間軸…』 まどか「……」 『私はあなたに救われた…』グイ まどかを抱き起こす少女、見つめ合う二人 まどか「…でも…でも……」 まどか「あなたは…わたしなんかと出会わなければ……」 『それは違うよ…』スッ まどか「……ん」 少女が指でまどかの涙を拭う 『あなたが救ってくれたのは…命だけじゃない』 自身の胸に手を当て、真っ直ぐにまどかを見つめる 『救われたのは…この心…』 まどか「……?」 『グズで…臆病で……』 『自分に自信が持てなくて……』 『助けてくれる人もいない私は…独りぼっちだった』 『朝に太陽が昇っても独りぼっちの私には…周りの世界が真っ暗な闇に感じられた…』 『……だけど』 悲しい表情の少女はまどかの顔を見つめ、優しく微笑む 『そんな私が…あなたに出会った』 『あなたと出会って…あなたと過ごせて…独りぼっちじゃ無くなった私は…』 『初めて世界が…明るく輝いて見えた』 『そんなあなただから…私は戦えた…』 『まどか…私に光をくれた…自慢の友達…』シュゥ… 言葉を残し、光の粒子となって消えていく少女 その光は穢れの溜まったまどかのソウルジェムに吸い込まれ、桃色の光を放つ まどか「あ…!ま、待って…!!」 『思い出して……最初の気持ちを…』 まどか「っ……!!」 まどか「ほむらちゃんっっ!!!」 …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… まどか「……う」ピクッ まどか「…あ…れ…?」 重い瞼を上げ、起き上がるまどか まどか「……夢…だった…の…?」 辺りを見回すまどか そこは白い世界ではなく、 先程まで彷徨い続けていた不気味な赤い空の砂漠だった ゴゴゴゴゴゴ… まどか「…?」 まどか「あ…!!」 まどかの視線の先、赤い空の一角に小さな穴が空いていた まどか「…ほむらちゃん…!?…みんなも…!」 まどか「それにあの怪物は…!!」 穴の向こうには、 Uキラーザウルスに追い詰められるティガ、ダイナ、ガイアの姿 そして触手に打たれる四人の魔法少女が映し出されていた まどか「……」ガクッ 砂漠の大地に膝をつく まどか「ヤプールの…言った通りだ…」 まどか「わたしは…何も…」 まどか「一人じゃ何にも出来ない……」 「君は一人じゃないぞ、まどか」 まどか「!?」 目を見開いて、声の主を探す まどか「あ……みんな…!!」 動くものは何も無いはずの死の空間 赤い空の砂漠の砂を踏みしめ、五人の男達がまどかの元へ ハヤタ「君には聞こえるはずだ」 ダン「勝利を信じて戦う、仲間達の声が」 まどか「……!!」 目を閉じ、集中する …………………………………… …………………………………… ダイナ「デュアァ!!」バシュッ ドガガッ! ほむら「…!!」 QB『む…!』 ビームスライサーを放ち、ほむらへ振り下ろされた足の軌道を変える 杏子「さやか!そっち持て!」ガシッ さやか「ほむら!諦めるのはまだ早いんじゃないの!?」ガシッ ほむら「!…あなた達…!」 杏子とさやかがほむらに肩を貸し、 立ち上がらせて走る マミ「これで少しは…」 ガイア『すまないマミさん…助かったよ…』シュゥウ 倒れ込んだガイアの巨体に手をかざし、 可能な限りの治癒魔法を掛けるマミ QB『馬鹿な…何故まだ立ち上がる…?』ズンッ ググッ ティガ『そんな力で…彼女達の光を消すことは出来はしない…!!』 ティガが立ち上がり、Uキラーザウルスへ向かって突進する …………………………………… …………………………………… まどか「聞こえる…みんなの声が…」 目を開き、声を震わせるまどか ダン「…うむ」 郷「だがこのままでは…いずれ彼らにも限界が訪れるだろう」 ミライ「兄さん達!早く助けに行きましょう!!」 まどか「!?……出来るんですか…そんなこと…?」 ダン「…この異次元空間の一角に俺達のエネルギーをぶつけてゲートをこじ開ける」 郷「俺達もそうやってヤプールの作り出した別の次元から脱出し、ここまで来た」 ミライ「僕達がいた空間には少しだけ歪みがあったからね。少ないエネルギーでもなんとか脱出できたんだ」 ハヤタ「問題はここだな。歪みの無いここから脱出するにはかなりのエネルギーが…」 北斗「……」 口々に話す仲間達に対し、 顎に手を当て、考え込む北斗 ダン「どうした。エース」 北斗「…俺達がいた空間の歪み…あれがあったから少ないエネルギーで脱出できた…」 ハヤタ「?…それがどうかしたのかい?」 北斗「…あまりにも出来過ぎていると思うんです」 ダン「……?」 北斗「まるで俺達を空間の外に誘い出すかのような…」 ハヤタ「あの空間に欠点があったとは考えられないか?」 北斗「いえ…あのヤプールがそんなミスをするとは思えません!」 郷「…」 ハヤタ「…確かにそうかもしれないが…」 ハヤタ「今はこの空間から脱出することが先決だ」 ダン「…だが警戒はしておく。それで構わないな?」 北斗「!…はい!」 ハヤタ「…さて、まどか」 まどか「…」 ハヤタ「我々はこれからこの空間を脱出し、奴と戦うことになるが…」 ハヤタ「君はどうする?」 まどか「…!」 後ろ手に腕を組み、まどかに問い掛ける ハヤタ「以前僕が言ったように…仲間の帰りを信じて待つことも一つの戦いだ」 ハヤタ「君自身が決めることだ。誰も文句は言わないし恨んだりもしない」 まどか「わたしは…」 まどか「…」ピクッ まどか(……?) 視線を自分の右手に落とし、握られた拳を開く まどか「…!」 まどか(夢じゃ…なかったのかな……) まどかの右手の上のソウルジェムの穢れは完全に浄化され 光り輝いていた まどか「……」グッ 『思い出して……最初の気持ちを…』 まどか「………ハヤタさん」 ハヤタ「?」 まどか「もし…わたしの手に入れた魔法少女の力が…」 まどか「みんなを守る為になるのなら……」 まどか「わたしは………」 まどか「戦います」 BACKまどか「…ウルトラマン!」 10 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 12
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鹿目まどか . { ト. | /⌒ / |-‐…・・・‐- // , |^´Уハ/ /__,,.. / / __\ \|\ /∨ / ` {′/ Ⅵ__/ /⌒\ '⌒≧=-`ヽ .,. /// \__i{/斗r…ミ / ≧=―一' / /-=ミ / / _ ,.. '"⌒ `⌒ヽ Χ \ ___彡′ // ⌒\ / / ´/./ .. -‐ / i \/{ \ } / / /.// / / i 、 \ {\ \ 丶 ≧=一 / / | / / / -=ニ=‐|八/ ハ \‐- |\ _ヽ\ \厶-‐\ \ー‐‐ァ ー‐=彡′| / / -=ニ=‐. |/´ / / i i ヽ斗= }\ \ヽ孑=ミ、 `、 i .< ヽ / / ‐=ニ=-. / / i , ノ V i i i しノ ヽ i i i しヾ\ト、| \| \ \____彡' ,/ -=ニ=‐ ∧ | /, / / 弋_り 弋_り ノ 、ノ \ ___\ `、_,. -=ニ=‐ i { .{厶イ ノ / \ ≧=- , /, \{\ \、... ≧=一 -=ニ=‐/ .. -‐====‐- |\ \\| |/i{ . \ヽ _ _ 八 \ \ ハ/} -=ニ=- ..斗r '"__,,.. -‐=ニ, \| |{ `トミ .k |}ノ < \ 〉 -=ニ=- /// ノ 乂 ノ` ヽ| } ア爪 { \ \ -=ニ=- -‐ __ ‐- .../// / __ ,,.. ノ^ー―=彡.. __ ヽ \ -=ニ=-__ _,.. -‐==ニ二三 ̄ __,,.. -‐\_,. '" / / ( ` ̄ ̄ _) { ̄ -=ニ=- /ニニ〉-‐ ./ / ´ ____`、 ,.. / / , { ) __ ( ‐=ニ=- ... -‐ァニニ/ /__/_,,... -‐==ミ-‐ ´ / / / ∧ `⌒Y´ハY´.へ,∩=ニ=- .,ニニ/ / ____/ } __ ' /| __ -‐= 、 / ∧ 0 0乂ノへ ヽ ` } __\ }ノ´ \ _.. ´ .′ 〈 / `゙./ { \ x==ミ } ハ /\つ} ./ /´\〉〉 /. . / / . /ー‐ァ / 八 (ニニニ\ / /´∨ニ,〉 へ.\)ク / 〉-= { . . `¨ . . ./ニ} i / / ` ̄)ニニニ〉ー=彡 . |/ /ー‐ァ‐'ノ人 '" ` ..,,___ . . . . /ニ/ / | /.\ r‐'ニニニ/. . . . | /ニ// . ヽ _..ノ_,ー'^ー=ニニノ´ \ / |__,./、 `ー\ニア´一(. . . /ニ/^´ \ r' } ト、 \ |ニニニニ/ ∨ /⌒ 決勝 11月23日 2名中1位 優勝 1位 277票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 191票 美樹さやか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:48:00 参加25レス 有効投票18票 AA 合同ラシ【ワルプルギスの夜ラシ】21:21:21 参加26レス 有効投票10票 AA 準決勝 11月20日 2名中1位 準決勝進出 1位 191票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 116票 佐倉杏子@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:35:00 参加27レス 有効投票23票 AA 準々決勝 11月16日 2名中1位 準決勝進出 1位 272票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 250票 黒猫(五更瑠璃)@俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:35:00 参加42レス 有効投票38票 AA 決勝トーナメント1回戦 11月8日 2名中1位 準々決勝進出 1位 272票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 145票 新垣あやせ@俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:35:00 参加37レス 有効投票32票 AA 敗者復活決勝 11月2日 2名中1位 決勝トーナメント進出 1位 251票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 139票 千反田える@氷菓 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:35:00 参加27レス 有効投票24票 AA 敗者復活2回戦 10月27日 2名中1位 敗者復活決勝進出 1位 192票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 93票 白井黒子@とある科学の超電磁砲S 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:35:00 参加24レス 有効投票20票 AA 敗者復活1回戦 10月23日 2名中1位 2回戦進出 1位 198票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 88票 赤座あかね@ゆるゆり♪♪ 本ラシ【アルティメット☆ラシ】22:35:00 参加30レス 有効投票27票 AA 2回戦 9月20日 3名中2位 敗退 敗者復活戦出場 1位 438票 新垣あやせ@俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 2位 413票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 3位 201票 暁美ほむら@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 合同ラシ【少女たちの願いラシ】22:30:00 参加26レス 有効投票9票 AA 1回戦 8月28日 3名中1位 2回戦進出 1位 249票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 207票 秋山優花里@ガールズ&パンツァー 3位 37票 平松妙子@これはゾンビですか? OF THE DEAD 本ラシ【まどっちラシ】22:30:00 参加10レス 有効投票7票 AA 一次予選16組 8月08日 157名中1位 本戦進出 1位 209票 鹿目まどか@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 2位 206票 巴マミ@劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語 3位 194票 イカ娘@侵略!!イカ娘 4位 174票 秋山優花里@ガールズ パンツァー 5位 169票 宮永咲@咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 6位 157票 桐ヶ谷直葉(リーファ)@ソードアート・オンライン 7位 150票 杉浦綾乃@ゆるゆり♪♪ 8位 146票 香椎愛莉@ロウきゅーぶ! 9位 136票 結城美柑@To LOVEる -とらぶる- ダークネス 10位 121票 松前緒花@劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME 11位 120票 宮本来夏@TARI TARI 12位 100票 綾野珪子(シリカ)@ソードアート・オンライン 13位 98票 沙織・バジーナ(槇島沙織)@俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 14位 96票 内田ユカ@みなみけ ただいま 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓ここまで本戦進出〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 15位 92票 一色もも@ビビッドレッド・オペレーション
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…………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… ドガッ!! マミ「うぁ…!!」 ダイナ「グゥッ!?」 ティガ「…!!」 触手の強烈な一撃に吹き飛ばされ、ビルに叩きつけられる Uキラー「ギャォァアアアアア!!!」 QB『ほらほら!もう後が無いよ?』 耳を劈く咆哮を上げ、 大地を砕き、Uキラーザウルスが暴れ回る ダッ ガイア『まだまだ…!!』 杏子「おい!アンタ達は退け!」 さやか「そうですよ!ただでさえ消耗してるんですから!」 吹き飛ばされた三人と入れ替わるように、 ガイア、杏子、さやかが飛び出る Uキラー「グォァアアアアア!!!」バシュッ ガイア「!! デュア!」シュン バチッ! 杏子「! 今だ!行くぞ!」 さやか「うんっ!!」 Uキラーザウルスの光弾をガイアがバリアーで弾き返す ガイアの股を通り、Uキラーザウルスの足へ杏子とさやかが斬りかかる QB『!!…しつこいなぁ君達は!!』 ドガガッ 杏子「…っぐ!!」 さやか「ぁあっ!!?」 決死の攻撃もUキラーザウルスの攻撃に阻まれ、届かない ガイア『!!』 QB『そして…』 QB『そこにいることは分かっているんだよ!暁美ほむら!!』 Uキラー「グォアッ!!!」 ほむら「っ!?…しまった…!」 ドゴッ! ガラガラガラ… Uキラーザウルスの触手が半壊したビルに突き刺さる そのまま先端の爪がほむらを掴み、拘束する ほむら「うっ、あ…!あぁっ!!」ギギギッ ほむら(っ……ランチャーがっ……!) QB『ふ…ふふ…ふふふふ…何が光だ…』 QB『このままバラバラに…!!』 ギギギッ… ほむら「!!…!……」 ほむらの肌を突き破る爪、少しづつ強くなる絞め付け ほむら「ぐっ…!!…く…!」 ほむら「………」 ほむら「…ふ…ふ」 QB『?』 血が滴る唇の端を吊り上げ、笑みを浮かべるほむら QB『なんだ…!!なにを笑っているんだ!!』 グググッ ほむら「っ…つ…ふふ…」 ほむら「…なんだか……可笑しいんだもの……」 見下したような 挑発をするような態度で、キュウべえを睨みつける QB『何が言いたいんだい!?』 ほむら「ふ…くふ…ふふ……インキュベーター…」 ほむら「…感情の無いあなたが……」 ほむら「何を熱くなってるの……?」 QB『……!!』 QB『やめろ……暁美ほむら…!!』 ほむら「…っふふ……あなた…」 ほむら「それじゃあまるで………」 QB『!!!』 グギギギギッ ほむらに止めを刺すべく、絞め付けを一気に強める ほむら「!!うっ、ぁぁあああっぐっ!!」 体に圧し掛る触手、 それに伴う背中に受けた光弾の傷 全身の骨が軋み、激痛に叫びを上げるほむら バキィイン! Uキラー「!!」 QB『なに!?』 暗雲立ち込める空 その一角が砕け、巨大な穴が開く ティガ『…く…何だ…?』 ダイナ『あの……穴は…?』 ガイア『……また何か来るのか!?』 ほむら「うっ……ぁ?」 さやか「……なに…?」 杏子「……もう何がでるやら…」 マミ「……新手…?」 その場にいる全員の視線が空の穴へと集中する シュン ズバッ! QB『…!』 ほむら「あ……!」 空を裂き、穴の向こうから光輪が飛ぶ その光輪はほむらを捕らえたUキラーザウルスの触手を斬り落とす ポスッ ほむら「う……た、助かったわ…」 ティガ『構わないよ……しかし一体何が……』 大きな手のひらでティガがほむらを受け止める QB『なんだ……何が起こって…!!』 シューン QB『!!!』 ズズーン… マン『…なんとか…脱出できたか』 セブン『そこまでだ!!インキュベーター!』 ジャック『これ以上貴様の好きにはさせんぞ!!』 QB『!!…そ…そん…な……!』 エース『みんな、無事か!!』 メビウス『後少しだ…!諦めないで!』 空の穴の向こうから 大地を揺らし、土埃を巻き上げ 五人のウルトラマン達が出現する ほむら・マミ・杏子・さやか「!!!」 ティガ『!!…』 ダイナ『!…へへ…』 ガイア『は、ハヤタさん達が…!』 地に伏した体を起き上がらせ、 歓喜し、驚くほむら達 Uキラー「グルル…!」 QB『馬鹿な……そんな馬鹿なことが…!』 QB『ヤプールの力以外で…空間に穴を開けることなんて…!不可能のはずだ!!』 焦りを隠しきれないキュウべえが叫ぶ メビウス『どんな時でも最後まで諦めず…不可能を可能にする…!!』 マン『それが……ウルトラマンだ』 QB『ふ…ふざけるな…こんなことが…!』 シュバッ! マン『…』 セブン『…』 ジャック『…』 エース『…』 メビウス『…』 ティガ『…』 ダイナ『…』 ガイア『…』 Uキラー「グァルルルォォオオ!!」 唸るような低い咆哮を上げるUキラーザウルス その眼前に八人のウルトラ戦士が集結し、ファイティングポーズを取る QB『何が光だ……!!』 QB『いくらウルトラマンが集まったところで僕を止めることは…!!』 マン『いや…勝利を信じて諦めないのは…我々だけではない』 QB『!……何を…』 ゴゴゴゴゴゴ… QB『うっ…?』 空の穴から光が溢れ出し、 キュウべえが空を仰ぐ マミ「また……何か来るのかしら…?」 杏子「もう何が来ても驚かねぇぞ……」 さやか「……」 さやか(…まさか) ほむら「あ……あ!!」 ほむら「……あの…光は……!」 シュゥゥ…… 灰色の空 その薄暗く不気味な色の中に差し込む一筋の光 包み込むような 淡く、優しい輝き 暁美ほむらにとって、見覚えのある 忘れるはずの無い友の光 桃色の粒子を身に纏い 二つに分けた髪とフリルのスカートを風に靡かせて ゆっくりと地上に舞い降りる 魔法少女 鹿目まどか スタッ まどか「……」 QB『な…何故だ…!!鹿目まどか、君は……!!』 QB『もう魔女になる寸前だったというのに…!!』 まどかの出現に呆気に取られる一同 杏子「…前言撤回……驚いた…」 さやか「帰って来た……まどかが帰って来た…!!」 マミ「鹿目さん…!本当に…鹿目さんなのね…!」 ほむら「……ま、まど…」 ほむら「……っ」 真っ直ぐにUキラーザウルスを見据えるまどか その背中を見て、ほむらは言葉を止める ほむら(今は……まだ…) まどか「……」ス… Uキラー「グルル…!」 QB『…!!』ビクッ 身の丈ほどの弓を左腕で支え 右腕で弓を引き絞る QB『そ…そんなもので…!!』 まどか「…いけぇっ!!」 シュパッ! Uキラー「!?」 まどかの放った光の矢は分裂し、 光の軌跡を描いてUキラーザウルスへ飛ぶ QB『な…!?』シュン Uキラー「グガッ!!」 ガガガッ バチッ! 分裂した矢はUキラーザウルスの両腕に阻まれ、弾け飛ぶ 両腕の防御を通り抜けた矢も亜空間バリアーに阻まれ、同じように消滅する QB『何故…何故…!!』 QB(以前の時間軸程ではないけれど…!) QB(今の彼女がなぜこれほどの力を!?) まどか「っ…」 杏子「へっ…ダメージは対して無いみたいだけど…」チャキッ さやか「あいつ…結構面食らってるよ!!」シャキン 再び刃をUキラーザウルスへ向ける二人 QB(!…なぜだ…!あの二人も既に相当のダメージを…!) QB(もう動くことなど出来ないはずなのに…) QB『わけが……解らないよ……』 ジャック『魔法少女達の……信じる心』 エース『その心は…時として不可能を可能にする!』 ダイナ『へへ!勢い付いてきたな…』 ティガ(まどかちゃん…彼女には人の光を輝かせる力がある…) ガイア『もう負ける気がしない…!』 QB『ぅ…ぅぅうううう…!!』 Uキラー「ゴォガァァアアアアアアアアッッ!!!」 今までに無いほどの強烈な咆哮を上げるUキラーザウルス QB『…いいだろう』 QB『何人揃おうと同じ事…君達全員まとめて消し去ってやる!!』 Uキラー「グォォオオオオオオオオ!!!」 ヒュヒュヒュン! 全身の触手全てを使い、 眼下の者達に向けて攻撃を仕掛ける セブン『! 来たぞ!』 マン『…我々の力を合わせ、この悪魔を倒す!』 ジャック「シェアッ!!」 エース「デァアッ!」 襲い来る触手を避け、飛び立つ四兄弟 ティガ『気をつけてください!奴の弱点を破壊するにはバリアーの突破が最優先です!』 ダイナ『よーし!やってやるぜぇ!』 ガイア『あの雷撃が来る前に触手の数を減らさないと!』 それに続いて飛び立つ三人のウルトラマン メビウス『杏子ちゃん!さやかちゃん!君達はこっちに!』 杏子「は!?お、おいちょっと…」 さやか「え!?」 メビウス『いいから早く!』 メビウス(あのバリアーを突破する攻撃を…!) 手の平で杏子とさやかを胸にしまい込むように乗せて、メビウスが飛び立つ まどか「よし…!わたしも…!」 ほむら「……まどか」 ガシッ まどか「あ…」 ほむらがまどかの肩に手を当て、呼び止める ほむら「……」 マミ「暁美さん…」 まどか「ほ、ほむらちゃん……あの…」 ほむら「……」 グイッ まどか「わ!」 マミ「あ…?え?」 まどかの体をUキラーザウルスの方へ向けるほむら ほむら「マミ、あなたも手伝いなさい…」 マミ「…?」 ほむら「私達の魔力をまどかに送り込むわ」 マミ「!…」 まどか「え…?」 ほむらの提案に、目を丸くする二人 ほむら「私達が受けたダメージでは…今奴に向かって行っても足手まといになるだけだわ」 マミ「じゃ…じゃあ私が回復を…」 ほむら「…無茶よ、あなた自身の傷も治せてないじゃない」 マミ「!…」 マミの体の傷を見て呟く ほむら「自分の体を治す余裕も無いほど…あなたの力が弱まっている証拠よ」 マミ「う…」 マミ「……」スッ まどか「!……マミさんも…」 まどかの背中に手をかざす二人 マミ「少しだけど…足しになるでしょう?」 ほむら「チャンスは一回よ、まどか」 ほむら「集中しなさい」 まどか「……!」 まどか「うんっ!」 Uキラーザウルスの巨体を真っ直ぐに見据え ゆっくりと弓を引き絞る まどか「……」 ググググッ… マミ「……」 ほむら(…あとは彼らが隙を作ってくれれば……) …………………………………… セブン「デュワァッ!!」 マン「シュワッ!」 ズバババッ アイスラッガーを逆手に持ち、振るうセブン 光輪を投げるウルトラマン 五人のウルトラ戦士の参戦で、大量の触手が次々に切り裂かれ 地に落ちる Uキラー「グゥゥウウウ…!!?」ブンッ 腕を振り回し、 全身から生体ミサイルを放つUキラーザウルス ジャック『まだまだ…!』シュン エース『次はコイツだ!!』シュン QB『!?』 ミサイルを避け、接近する二人 ジャックが左手首のウルトラブレスレットを変形させ、Uキラーザウルスの右腕に エースが頭部に集束させたエネルギーを光輪にしてUキラーザウルスの左腕に、それぞれ放つ ズバンッ! Uキラー「グァギャァアアアアア!!」 QB『く…』 白熱化し、空を裂く刃は巨大な扇状の両腕を斬り落とし、 辺りに肉片が飛び散る QB『だが……これくらいのダメージならすぐに…!』 Uキラー「!!」 シュルルル ガイア『!!…駄目だ、奴には再生能力が…』 残り少ない触手が斬り落とされた両腕を拾い上げ、体へと引き寄せる マン「シャッ!!」 セブン「デュワッ!」 ピタッ QB『…?』 Uキラー「?…グ…?…」 QB『な、何だ…!?引き寄せられない……持ち上げられない!?』 二本の腕は空間に固定されたように動かない マン『アスカ!!』 セブン『我々がウルトラ念力で止めている…今の内にあの能力で…!』 セブンが叫ぶ ダイナ『!!……そうか!それかぁ!!』 シュィン ダイナ(M)「デュア!!」 両腕を交差させ、ダイナが青い姿 超能力を得意としたミラクルタイプへチェンジする ダイナ(M)「ハァァアアアア……!!」シュゥゥ ダイナ(M)「ディヤァッ!!」バシュッ 右腕に圧縮した空間を衝撃波として撃ち出し、それが落ちたUキラーザウルスの両腕に直撃する QB『!……』 放たれた衝撃波・レボリウムウェーブは直撃と同時にブラックホールを作り出し、 両腕を次元の彼方へ吹き飛ばす ダイナ(M)『はっはー!どうだこの野郎!!』 QB『!…両腕が…っ』 エース『よぉし!!』 ジャック『あとはあの亜空間バリアーを…!!』 ティガ『!……よし』 QB『!…』 Uキラー「ギャォァアアアアアァ!!!」 バシュシュシュッ! 怒り狂うUキラーザウルスの全身から、 あらゆる方向に雷撃、光弾、ミサイルが放たる ティガ「……ハッ!」 シュゥン ティガ(S)「ジュアッ!!」バッ 交差させた両腕を振り下ろし、スカイタイプにチェンジするティガ そのまま攻撃を避け、Uキラーザウルスの頭部に向かって飛行する QB『!!…速い…!』 シュゥゥゥウウ Uキラー「!?…グ…グゥゥゥウウウ!!」 超高速で飛び回り、翻弄するティガ 触手をほとんど斬り落とされたUキラーザウルスはティガを止めることは出来なかった QB『くぅううう…!!』 ティガ「…」 ティガ(S)『今だ!!』 QB『…!!?』 Uキラー「グルゥ…!!」 QB『……上か!?』 Uキラー「グォオオオォオオオォ!!」 Uキラーザウルスが大きく首を持ち上げて、 遥か上空から迫る三人へ咆える ゴォォォオオオ… メビウス「ハァァァアアッ!!!」 杏子・さやか「「うぉぉおああああっ!!!」」 メビウスの手から飛び降りた杏子とさやか 二人の魔力を纏わせた武器がUキラーザウルスの頭部を狙い、 メビウスが落下の勢いを加えたキックを繰り出す ティガ(S)「…!」シュン Uキラーザウルスの前から飛び去るティガ QB『!…そっちは囮だったってワケかい…!!』 ほむら「チャンス…!!」 ガイア『!! 今です!あのバリアーに…!』 マン「シュワ!!」 セブン「デュワ!!」 ジャック「シェアァッ!」 エース「デァアアッ!」 バシュゥゥゥウウ!! ガイアがまどか達を守りながら叫ぶと同時に、 四兄弟がUキラーザウルスの頭部へ向けて、地上から必殺光線を放つ Uキラー「グォォオオ!!」 QB『だが…!』シュン バチバチバチバチッ!! 七人の攻撃が亜空間バリアーのに直撃 耳を劈く轟音が鳴り響き、強烈な閃光が辺りを照らすが、 バリアーの破壊までには至らない 杏子「くっ、そぉおっ!!」 さやか「く…ぅぅううう!!」 メビウス『…!』 グググッ QB『不意打ち気味の狙いは悪く無かったが……もう一押し足りなかったね…!!』 さやか「っ…!…うっ!!」 メビウス『……ならもう一押しだ!!』 QB『…!?』 メビウス「ハッ!!」シュイン 光と共にメビウスの体を炎が包み込み、 強化形態、バーニングブレイブへと姿を変える メビウス(BB)『二人とも!続いて!!』 さやか「え!?」 杏子「何だ!?」 バチバチバチ…! メビウス(BB)「ハァァアアアアア…!!」 バリアーに接触した右足を軸に、高速回転を始める Uキラー「!? グゥゥウッ!!」 QB『何をする気だい…!?』 バチバチバチバチッ!! QB『!!…キックの威力が…!』 メビウスの足元からさらに強烈な火花が散り、 その火花は螺旋を描きながら円錐状の炎を起こす 杏子「あ、アレに続けってか!?」 さやか「やるしかないよ!!」グンッ 杏子「…あ~っ!もうっ!!やってやるよ!!」グンッ さやかが突き立てた剣を軸に、 杏子が槍を軸にしてメビウスに続いて高速回転する メビウス(BB)「セァアアアーーーーッ!!」 さやか・杏子「「だぁぁああーーーーーっ!!!」」 バチバチバチバチッ!! ピシッ QB『!!…そ、そんな…!バリアーが…!!!』 パキィィイイン…! Uキラー「!!?」 セブン『…!』 マン『よし…!』 ガラスの砕け散るような音を響かせて、 亜空間バリアーはエネルギーの粒子を散らし、消滅する 杏子「うわぁっ!!」 さやか「あっ!?」 ポスッ メビウス(BB)『二人とも!お疲れ様!』シュン バリアー消滅時の衝撃で吹き飛ばされた二人を手で受け止め、その場から飛び去るメビウス 杏子「ど…どうだ…!」 さやか「う……目が回る…」 ほむら「!!」 マミ「鹿目さんっ!!」 まどか「……っ!」ググッ まどかが弓を引く手に、より一層力を入れる QB『…!……鹿目…まどか!!』 Uキラー「ゴォァァアアアアアァッ!!!」 ガシュン! まどか「うっ…!」 マミ「!!…あ、危な…」 Uキラーザウスの腹部から巨大なクワガタの鋏の様な牙が飛び出し、 まどかを狙う ガイア「!…ディヤッ!!」 ガシッ! Uキラー「ガ…ァアアアア!!」 マミ「我夢さん…!!」 QB『っ…まだそんなパワーが…!!』 Uキラーザウルスの牙を受け止め、 まどか達を背中に庇うガイア ガイア「グ…ゥゥウウウ…!」シュゥウ… Uキラー「ガァォォァアアッ!!」 バキバキバキッ… ガイア「ディヤァァアアアアッ!!」 バキッ! QB『がっ…!!』 体を赤く発光させたガイアがUキラーザウルスの牙をへし折り、その場から飛び退く ガイア(エネルギーが足りずに変身は出来なかったが……これなら!) QB『ま…不味い…!!』 マミ「…今よ!」グッ ほむら「まどかっ!!」グッ 魔力を送り込む手に力を込める二人 まどか「……っ!」 Uキラーザウルスの巨大な姿、バリアーが消えて完全に無防備な頭部 そこを真っ直ぐに見据えて、放つ まどか「たぁぁあーーーーーっ!!!」 バシュッ!! QB『うっ!?』 まどかの放った矢がUキラーザウルスの頭部へ、 風を切り裂き一直線に飛ぶ ズバシュッ!! Uキラー「グゴァッ……!!」 QB『!!!』 桃色の矢は、黄色と紫の光の筋を纏い、 Uキラーザウルスの下顎を打ち上げるように直撃 頭部を吹き飛ばし そのダメージは額の結晶体と同化したキュウべえにも致命的なダメージを与える ダイナ『…!!』 ティガ『勝った……か?』 ズシン 巨大な頭部がUキラーザウルスの足元に落下すると同時に、 胴体がゆっくりと沈み込むように倒れ込む 杏子「また何かあるんじゃないか…?」 さやか「……アンタそれ笑えない」 メビウス『いや…そんなことは…』 マミ「やった……の?」 ほむら「…」 まどか「……」スッ 確かな手応えを感じたまどかが弓を下ろす サァァァアア… マン『……む?』 ジャック『…』 ガラガラガラ… エース『いや……もう立ち上がることは無いだろう』 セブン『奴の最期だ…』 Uキラーザウルスの身体が少しづつ灰になり、 音を立てて崩れ落ちる Uキラー「………………」シュー ピシッ ガイア『……?』 パキパキパキッ 静寂が支配する中、 空に赤い亀裂が入り、不気味な音が響き渡る ほむら「!!……」 ガイア『!…気をつけて!まだ何か来る!!』 エース『あれは…!』 さやか「ほらぁ!アンタが余計なこと言うから!」 杏子「あ、アタシのせいか!?」 セブン『落ち着け!何が出てくるか分からんぞ!』 予想外の事態に全員が後ずさり、空の亀裂を睨む バリーン! ズズンッ! ???「フシュゥゥウ……」 ???「……」 ???「グルル…」 マン『…!!』 まどか「!?…か…怪獣!?」 空がガラスの様に砕け散り、その向こう、別の空間から 三体の巨大な怪物が出現する メビウス『…エース兄さん!』 ジャック『エース!…これはまさか……』 エース『ええ、間違いありません……超獣です!』 マミ「超獣…?」 三体の超獣とエースの姿を交互に見つめ、マミが呟く 杏子「ここにきて面倒くさそうな奴等が出やがったな…!」 エース『奴が絡んできている以上…超獣の出現は避けられないとは思っていたが…』ググッ 固く握り締めた両手の拳を怒りに震わせながら、 超獣に戦いの構えを取る ダイナ『ま、待ってくれ!こっちにも分かるように説明してくれよ!』 超獣1『……』 超獣2『…ギィィイイ…』 獲物を見つけた獣のように唸り声を上げ、超獣達がウルトラ戦士と魔法少女達に滲み寄る ほむら「!……来るわ…」 ティガ『不味い…こちらにはもうほとんどエネルギーが残っていない…!』 エース『超獣とは手短に説明すると…』 エース『異次元人ヤプールが別々の生物を合成させることで生み出した…怪獣兵器といったところか』 まどか「ヤプール…!」 表情を険しくして、武器を構えるまどか ガイア『他の生物との合成…?』 マン『……だがこの三体は何の超獣だ?見たことが無いタイプだが…』 超獣3「グルルルゥ……」 さやか「……ん?」 目の前に現れた超獣達 その体色は頭の先から尻尾まで不気味なまでに白く 両目は鋭く発光し、宝石のように赤い 頭部から垂れ下がった長大な耳のような部位、 その先には浮く様に固定された金色のリング そして背中には一同にとって見覚えのある特徴的な赤い印があった さやか「ねぇ……こ、こいつら…もしかして」 マミ「まさか……」 超獣1「グォォオオオォ!!!」ズンッ ほむら「…!!」 杏子「来やがったぜ…!」チャキ シュンッ ドガッ! 超獣1「グァギャ……!!」ズズンッ さやか「……え?」 牙を剥き、襲い掛かろうと駆け出した超獣が、 空の彼方より現れた二人の巨人に蹴り飛ばされ、瓦礫の上に転がる まどか「あ…!!」 マン『…彼等は…!』 超獣2「!?……グゥゥ…!!」 超獣3「ギャォアアアア!!」 コスモス(C)『そのまさかだよ……マミさん』 ネクサス『なんとか戻って来れたか…!』 二体の超獣が、 仲間を蹴り飛ばした銀色の巨人ウルトラマンネクサスと、 太陽の炎の様な赤い姿、コロナモードに変身したウルトラマンコスモスを睨み付け、咆哮する ほむら「あのウルトラマン……孤門…!」 杏子「ムサシ!無事だったんだな!!」 突然の二人のウルトラマンの帰還に歓喜の声を上げる マミ「そのまさかってやっぱり…」 さやか「じゃああの超獣は!」 ネクサス『…話は後だ!』 キュイン! コスモス(C)『まずはこの状況を…!』 超獣1「!!……」 コスモス(C)「ハァァアアア……」 シュゥウ… コスモス(C)「デヤッ!!」 コスモスが両腕に灼熱のエネルギーを球状に集束させ、 炎の破壊光弾、プロミネンスボールを打ち出す コスモス(C)『孤門さん!今です!!』 ネクサス「!!…シュアッ!」バシュッ コスモスが叫ぶと同時にネクサスが両腕をクロスさせ、 三日月状のエネルギーをプロミネンスボールに放つ 超獣2「…!!」 超獣3「ギッ!?」 ドガァァァアアン…! ネクサス「……」 コスモス(C)「……」 エネルギー刃はプロミネンスボールを起爆させ、三体の超獣達の前で炸裂 拡散した灼熱のエネルギーは超獣達を焼き払い、消滅させる さやか「すごい…!一気に三体も…」 まどか「……」 ダイナ『…とりあえずこれで全員集合だな!』 五人の魔法少女と十人のウルトラマンが一ヶ所に集う マミ「あの…孤門さん…あの怪物はやっぱり…」 ネクサス『…その答えは奴等に聞いた方が早そうだ』 さやか「え…?」 バリーン! ヤプール「…結局…こいつらを始末することは出来なかったか」 ???「まぁ…いいんじゃないかな?ここまでは想定内だし」 再び空間が割れ、 その向こうからヤプールと少女達にとって見覚えのある白い生物が現れる エース『出たな…ヤプール!!』 まどか「……!!」 マミ「え……キュウべえ…よね?」 ほむら「違うわ。別個体よ…私達が知るインキュベーターとは別…」 ヤプールの足元の生物を見て驚き、呟くマミ そのマミにほむらが冷静に答える インキュベーター「……」 ほむら「インキュベーター…答えてもらうわよ」 マミ「……私達をおそったあの生物は…」 インキュベーター「超獣だよ……僕達インキュベーターをベースにした…ね」 ヤプール「私の超獣製造機を利用して作り出した」 ガイア『超獣製造機…?』 エース『貴様っ!……またそんなものを持ち出してきたのか…!!』 エースが感情を露わにし、ヤプールを睨み付ける インキュベーター「さて……仕事だよ」 ヤプール「うむ…」スッ ヤプールとインキュベーターが歩き出し、 今尚灰化が進むUキラーザウルスの亡骸に手をかざす QB「………………う…」ピクッ マミ「!!…キュウべえ…?」 ヤプール「!…まだ息があったか」 インキュベーター「死んでいた方が幸せだったのかもしれないのにね」 QB「……ぁ……な、何…を…」 既に虫の息なキュウべえが、ヤプールの姿を見上げる ヤプール「ワルプルギスとの戦闘でウルトラマン達が現れず…尚且つUキラーザウルスが敗れた今…」 インキュベーター「もしもの時の為の保険…使わせてもらうよ」 シュゥゥウウ… QB「う゛…っ!?……あ……そん…な…!!」 ほむら「…!」 メビウス『な…!?あれは…!』 キュウべえの身体から黒い霧状の生物、 宇宙同化獣ガディバが抜け出し、ヤプールの手に戻る ヤプール「よし…十分なデータだ」 インキュベーター「この場にいる者達全員のデータ…これで集まったね」 QB「なん…で……なんで……僕…に」 サァァァアア… インキュベーター「……君、本当は気付いてるんだろう?」 QB「……」 インキュベーター「魔法少女……多数のイレギュラー達との接触で……」 インキュベーター「君の中に感情が芽生えてきたことにね」 QB「!!……う…そ……だ…」 インキュベーター「嘘なもんか!…ほらヤプール、見せてあげなよ」 ヤプール「ああ…」スッ 差し出したヤプールの右手の上に、 不気味な黒いエネルギー球が出現する ヤプール「たった今回収できた……お前の絶望のエネルギーだ」 QB「!!!」 インキュベーター「感情の無い生物からはこんなもの回収できないよね?」 QB「……ぁ…ぁぅ……」 インキュベーター「欠陥品は処分しなくちゃ」 ほむら(…まさかとは思ったけど……やはり…) インキュベーター「ヤプールが君の変化に早目に気付いてくれてよかったよ」 ヤプール「魔法少女達がソウルジェムの秘密を知ったあの夜…」 ヤプール「絶望する巴マミを見ていたお前の中の…微かな揺らぎに気付いた」 ほむら「!……あの日から既に…」 マミ「……キュウべえ…」 QB「…」 ヤプール「おかげで…ワルプルギスと戦闘しなかった者達のデータも取れた…」 ティガ『!…』 ダイナ『俺達の事か…!?』 ガイア『…』 ヤプール「それだけでは無い」 ヤプール「そこにいるウルトラ兄弟達がUキラーザウルスと戦闘出来るように…あの空間に歪みを作ったのも私だ」 マン『…我々のデータも完全に取られたというわけか』 セブン『エースの言う通り…あれは初めから仕組まれていたのか』 ジャック『……用意周到な奴らだ』 エース『仲間を捨て駒のように使うとは……』 メビウス『…こんな…酷い…』 インキュベーター「全てのイレギュラー達のデータは回収済みだ」 ヤプール「しかし…一番のイレギュラーは…」 インキュベーター「……」 一人と一匹の視線が、 一人の魔法少女に注がれる まどか「……」 マン(……この子…か) ヤプール「鹿目まどか……お前は何なんだ?」 インキュベーター「精神攻撃を跳ね除けて…別のイレギュラー達の助けがあったとは言え…生還するとは」 まどか「……」グッ QB「ぁ……ぁ…」 サァァァアア… マミ「!」 マミ「…キュウべえ…!」 杏子「待てマミ!崩れるぞ!」ガシッ マミ「っ…で、でも…!」 キュウべえの元へ駆け出そうとしたマミを引き止める QB「………マ…ミ…」 QB「………」 QB「…」 ガラガラ サァァァアア… キュウべえの身体が Uキラーザウルスから崩れ落ちた灰の中に消える マミ「あ…ぁ……」 ダイナ『……』 セブン『何故だ…?何故そうまでしてエネルギーに拘る?』 ほむら「……インキュベーター、あなた達の目的は何?」 インキュベーター「…宇宙延命のため。それは変わらないよ」 メビウス『だったら…!!』 インキュベーター「だが延命というのは…一時的な滅びから逃れるだけの『逃げ』の手段だ」 インキュベーター「またいつ滅びの危機を迎えるかわかったもんじゃない」 インキュベーター「だからいらないものは…切り捨てなくちゃあいけないんだ」 杏子「なんだと…!」 インキュベーター「例えば…野蛮で愚かな地球人類とかね」 さやか「…!!」 インキュベーター「新しい宇宙に存在することが許されるのは…」 インキュベーター「何者にも倒されず…壊されず…」 インキュベーター「互いに争い合うことの無い、無駄な『感情』というものを切り捨てた生物のみ」 さやか「あたし達はいらないっての!?」 インキュベーター「そういうことになるね」 インキュベーター「…確かに僕達の言っていることは夢物語に聞こえると思うけどね」 インキュベーター「ヤプールの接触でもたらされた技術で…僕達の唯一の欠点だった個々の肉体の弱さ」 インキュベーター「それも完全に克服済み」 インキュベーター「既に超獣製造機により全インキュベーターの改造は完了した」 エース『!!……なんということだ…!』 セブン『…愚かなことを……』 インキュベーター「素晴らしいよ…この肉体は…」 ほむら「見た目的には何の変化も感じられないのだけれど…?」 インキュベーター「自分の意思で…君達が見たあの巨大な超獣の姿になれるからね」 インキュベーター「手に入れたデータで強化された超獣は…ウルトラマン達とも互角に渡り合えるだろう」 ジャック『…個々の戦闘力が跳ね上がったというわけか』 まどか「…」 杏子「マジかよ…」 マミ「そんな奴が…何体も…」 魔法少女達の顔が絶望に染まる ヤプール「……」 インキュベーター「…さて本題に入ろうか」 インキュベーター「僕達が管理することになる新しい宇宙…」 インキュベーター「そこにヤプールの技術を施せば…無益な争いなど全て無くなり…」 インキュベーター「夢物語が現実のものとなるだろう」 ほむら「…何が言いたいのかしら?」 インキュベーター「…君達が望むのなら…」 インキュベーター「新しい宇宙に迎え入れてあげてもいいかな…と思ってね」 さやか「!…」 マミ「!!」 ほむら「……」 杏子「ふん…」 まどか「……」 ティガ『!!…』 ダイナ『ふざけんな!こいつらがお前らなんかに…』 インキュベーター「君達には聞いていないんだよ…僕は魔法少女達に聞いてるんだ」 ヤプール「さぁ、答えを聞こうか?」 チャキッ ほむら「聞くまでも無いでしょう?」 杏子「お前らの手先になるくらいなら…死んだ方がマシだね」 武器を突きつけ、 インキュベーターの誘いを一蹴する二人 インキュベーター「…まぁ君達はそう言うと思ったよ」 ヤプール「では巴マミ、美樹さやか…お前達はどうだ?」 マン『…』 メビウス『…兄さん達…』 セブン『メビウス…今は見ていろ』 ヤプールが手を差し伸べ、マミとさやかに滲み寄る ヤプール「お前達は愚かな人間達に絶望したのではないのか?」 インキュベーター「人間に見切りをつけてこちら側にくるのが賢明だとおもうけどなぁ」 さやか「……」 マミ「私は…」 マミ「……」チラッ 既に原形が失われつつあるUキラーザウルスの亡骸を一瞥し、 マミがマスケット銃を構える マミ「仲間を捨て駒にするような人達は…信用できないわね」 チャキン さやか「…ま…あたしは最初から信用できないとは思ってましたけどね…っと」 マミに続き、 さやかも剣の切っ先をヤプールに向ける ヤプール『……』 インキュベーター「…じゃあ」 まどか「わたしも行く気は無いよ」 インキュベーターの視線の先の少女、 まどかがきっぱりと言い放つ まどか「ここであなた達に屈したら……みんな嘘になるから…!」 ヤプール「…ふうん」 マン『解かるかインキュベーター…これが彼女達の答えだ』 セブン『生命を弄び、可能性を奪うことは許されることではない!』 インキュベーター「…」 ティガ『一つの生命が他の生命を完全に管理し、貪り尽くすなんて不自然だ』 コスモス『心無き力はいずれ滅びる!』 インキュベーター「…ならば君達が滅びるがいいよ。僕達の力の前に」 ヤプール「…」スッ バリーン! ヤプールが手を掲げ、再び空間に穴を開ける ヤプール「…既に我々の母艦が月の裏側に待機している」 インキュベーター「…それに伴い全インキュベーターが地球の周辺宙域に集結してるよ」 メビウス『!!』 マン『なんだと…!?』 さやか「そんな…!」 杏子「総力戦かよ…上等じゃん」 インキュベーター達の答えに驚愕する一同 インキュベーター「今から五日後の正午…この町に超獣を一斉に送り込む」 ヤプール「そして邪魔な貴様達を消し去った後、地球全土に超獣を送り込み…」 ヤプール「地球を制圧した後には人類全てを超獣に改造してやろう!」 エース『……悪魔め』 インキュベーター「…じゃあね。交渉は決裂ってことで」 ヤプール(…もうこれも必要無いな)スッ チャリン ヤプール「精々残された時間を楽しむかがいい………ふふ…ふふふふ…」 シュゥウウ… 不気味な笑い声を残し、 次元の穴の向こうへ消える一人と一匹 まどか(?………あれは…) さやか「……」 杏子「ちっ……人を見下したような笑い方しやがって…」 タッタッタッ… まどか「…あ」 ヤプールが消え去った地点、 そこに落とされた物を拾い上げる まどか「これ…わたしの…だよね…?」 拾い上げられた物は、 まどかがヤプールに奪われたはずの小さなアクセサリー しかし以前の透き通る様な輝きは失われ、 化石の様な冷たい灰色になっていた まどか(……こんな色じゃなかったのに…なんでだろ) まどか「…」スッ 自身の頭の中に浮かんだ疑問を残し、拾い上げたアクセサリーを首に掛け直す まどか(今は…それどころじゃないかな) …………………………………… …………………………………… ハヤタ「……すまない、結局別世界の君達まで巻き込むことになってしまって…」 廃墟と化した町で、 人間体に戻ったウルトラマン達が一ヶ所に集う アスカ「困った時はお互い様じゃないっすか!」 我夢「僕達も危ないところを助けてもらいましたしね」 孤門「それに…奴等をこのまま放っておくことなんてできませんよ」 ダン「……とにかくみんな無事でなによりだ」 郷「しかし…奴等と戦うとなったらそれなりに対策を立てておいた方がいいな」 北斗「ええ…今回の戦いで俺達の光エネルギーは殆どが失われてしまいましたからね」 ダイゴ「……とにかく今はマミさんの家に戻りましょう」 ダン「ああ……」 ムサシ「……えーっとあとは…」 ほむら「…」 さやか「…」 マミ「…」 杏子「…」 まどか「………」 ミライ「…」ハラハラ 少女達を落ち着かない様子で見つめるミライ まどか「……えっと…みんな…」 頼りなさげに、何も無い方へ何度か視線を泳がせ、 再び四人へ向き直るまどか まどか「心配掛けて……本当にごめ――」 ベシッ まどか「痛っ!?」 唐突に頭を叩かれ、言葉を謝罪の言葉を遮られる さやか「…ばか」 杏子「へへっ………バーカ」 小さく歯を見せて、 杏子とさやかが悪戯っぽく笑う さやか「……まぁあたしも人の事そんな言えないけどさ」 杏子「でも…無事だとは思ってたけどな、アタシは!」 まどか「……あはは」 まどかの口から自然に短い苦笑いがこぼれる マミ「鹿目さん…」 まどか「!…マミさん…」 マミ「本当に……よく無事で…」 マミがそっと微笑み、 包み込むような優しい笑顔をまどかに向ける まどか「……はいっ!」 ほむら「……」クルッ まどか(…!) ほむらが踵を返し、廃墟の町へ向かう 杏子「お…おい、ほむら!」 ほむら「無事でよかったわ。まどか」 振り返ること無く、ほむらが小さく呟く マミ(…!) 杏子(お……っと) さやか「…どこ行くの?」 ほむら「……ディバイトランチャーをさっきの戦闘で落とした…拾ってくるわ」 さやか「…ふーん」 タッタッタッ まどか「あ……わたしも行ってくるよ」 ほむらの後を追い、まどかが駆け出す ミライ「あ!…僕達も行った方が…」 さやか「分かってないなぁ先生!」 ガシッ ミライ「え!?…な、なんで?」 まどかが駆け出してすぐに後を追おうとするミライ その袖を持ち、さやかが引き止める さやか「こういうのは少し待ってから行くもんだって!」 杏子「おっ!分かってんじゃんさやか!」 マミ「あらあら…」 ミライ「そういうものなの…?」 少女達は気付いていた 無愛想に答えたほむらの肩が少し震えていたことに ハヤタ「ははは…」 ダン「……俺達は先に戻っているぞ」 溜息混じりに笑い ダン達がその場から立ち去る …………………………………… …………………………………… ほむら「……」カチャカチャ 瓦礫の上に腰を掛け、拾い上げたディバイトランチャーを弄り、 盾に収納する まどか「…ほむらちゃん」スッ ほむら「…!」 その背後から近づいたまどかが 後ろからほむらの肩に手をまわし、優しく抱きしめる まどか「わたし……ね」 まどか「みんなと別れて……独りぼっちになった時にね…解ったんだ」 まどか「ほむらちゃんが……どんなに傷ついて…苦しんで…わたしの為に戦ってくれてたか…って」ジワッ ほむら「!!」 まどか「あは……我慢…してたけど……駄目だなぁ…わたし…」ポロ ほむら「!…まどか…」 まどか「ほむらちゃん…っ…が…我慢してた……か…ら」 まどか「わたしも…我慢しようと…思ってたん…だけどな…」ポロポロ 零れ落ちる涙を拭わず、 ほむらの耳元で囁き続ける まどか「でも……今は…今だけ…は」ポロポロ ほむら「っ……うっ…く…ひっ………く…」ジワッ まどかと顔を合わせず、声を押し殺して ほむらが肩を震わす まどか「……ちょっとだけ…泣いても……いいよね…」 ほむら「っ……まど…かっ……!!」ガバッ 感極まったほむらがまどかに抱きつく 振り返ったほむらの顔は涙で濡れていた …………………………………… …………………………………… 杏子「おーおー…見せつけてくれるねぇ…」 さやか「あいつ素直じゃないなぁ…」 涙を流して抱き合う二人 その姿を廃墟の陰から見つめる四人 マミ「いいのかしら……盗み見なんて…」 ミライ「え!?こ、これ悪い事だったの……?」 目を丸くして驚くミライ さやか「遅いよ!?」 杏子「まぁ時と場合によるというか…何というか……」 …………………………………… …………………………………… ほむら「ひっ…く……まど…かぁぁ…」 まどか「うん……うんっ…!」 溢れ出す思いを抑えようともせず、 お互いの身体をきつく、親に縋り付く子供のように抱き合う ほむら「よかっ……た…ほん……とに…!」 まどか「ごめんね…ほむらちゃんっ……」 二人が声を上げ、涙を流し、鼻声でお互いの名を呼び合う ほむら「もう…どこへも……行かないっ……で……!」ギュッ まどか「うん……みんなで…ずっと一緒にいよう…!?」ギュッ ほむら(もう……離さない…離したくない…) まどか(ありがとう……ほむらちゃん…) まどか(わたしの…最高の…友達……) ~次回予告~ …………………………………… 杏子「おい!これ外せよーっ!!」 さやか「えーっと動けないんですけど…」 ダン「甘えるな!!」 …………………………………… マミ「私…あの時、ヤプールの言葉が…ちょっと心に突き刺さったんですよね」 郷「…」 …………………………………… 北斗「あれはウルトラの星と言ってな…」 さやか「ウルトラの星?」 …………………………………… マン『この…砂漠の砂一粒を狙い撃ちにするかのような精度…』 メビウス『まさか…!』 …………………………………… まどか「あなたは…?」 ???「俺はご覧の通り風来坊よ!」 セブン『こ、こいつ…』 …………………………………… ヤプール「教えてやる…真の計画を!!」 …………………………………… ほむら「世界の…終焉…」 BACKまどか「…ウルトラマン!」 11 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 13
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…………………………………… ~月面~ ネクサス『…驚いたな』 コスモス『ええ、こんなものが地球に接近していたなんて』 月面に降り立った二人のウルトラマン その視線の先には異様な大きさの物体が浮遊していた ネクサス『宇宙船か…?なぜこれの接近にもっと早く気付けなかったんだ…?』 コスモス『わかりません…異次元のゲートを通って出現したとか?』 ネクサス『異次元かぁ…う~ん…』 コスモス『これどうしますか?』 ネクサス『問答無用で破壊…ってわけにはいかないよなぁ…』 コスモス『…じゃあ地球に戻って皆に報告しましょう。ワルプルギスの夜も接近しているそうですから』 ネクサス『そうだね…これを調べるのは魔女を倒してからでも…』 ???「その報告はできないよ」 コスモス『!?』 ネクサス『!…インキュベーター!!』 声の主を睨みつける二人 インキュベーター「これを出現させるのは早すぎたかな?」 巨大な物体を見上げながら呟く コスモス『これのことを知ってるのかい!?』 ネクサス『報告が出来ないってどういうことだ!地球で何かあったのか!?』 インキュベーター「君達イレギュラーへの対処は本当に骨が折れたよ」 インキュベーター「まぁ…今地球に残っているのは変身できない三人だけだけどね」 コスモス『なに!?』 ネクサス『質問に答えろ!』 インキュベーター「ここで消えてもらう君達にそれを知る必要は無いと思うけど」 インキュベーター「君達のデータはもう十分だからね」 バリーン! ズシンズシン! ネクサス『な、なんだ!?』 コスモス『これは…怪獣か!?』 二人の目の前に白い体色の巨大な生物が出現する インキュベーター「ちょっと違うね…さぁ君達にはこいつらの相手をしてもらうよ」 インキュベーター「地球へ向かわせた個体の邪魔になるだろうからね」 ……………… …………………… ………………………… …………………………… ……………………………… …………………………………… ……………………………………………… 一週間後… ~マミホーム~ ガチャッ ほむら「…」 ダイゴ「おや、ほむらちゃん…いらっしゃい」シャアァ… ほむら「ええ」 ほむら「…あなたは何をしているの?」 ダイゴ「見ての通り、花に水をあげてるんだよ」 花を見つめながら話し続ける ダイゴ「こんな時だから少しでも気が休まるように…ってね」 ほむら「…そう」 無関心に答える ほむら「…?」キョロキョロ 部屋を見回すほむら ダイゴ「どうかした?」 ほむら「…美樹さやかが来ていると聞いたのだけれど?」 ダイゴ「彼女はマミさんと特訓してるよ」 ほむら「特訓?」 ダイゴ「うん、一番戦闘経験が少ないのは彼女らしいから…」 ダイゴ「少しでも強くなるんだー…ってさ」 ほむら「…」 ほむら(彼女達も…まだ戦う気は残ってるみたいね) ほむら「あ…ところで我夢はどこ?」 ほむら「彼にに呼び出されたのだけれど?」 ほむら「なんでも渡したいものがあるとか…」キョロキョロ 質問に答え、 我夢の姿を探し続ける ダイゴ「彼ならあの廃工場に行ったよ」 ほむら「廃工場?彼が飛ばされて来た?」 ダイゴ「うん…先に行ってメンテナンスしておくとか言ってた」 ダイゴ「君に伝えるように言われてたんだったよ」 ほむら「?…わかった、ありがとう」 ガチャッ 杏子「あれ?ほむらじゃねーか」 アスカ「ただいま…っと」 ダイゴ「おかえり…見つかった?」 アスカ「見ての通りっすよ…」 ため息混じりに答える アスカ「みんなが消えたあの場所…なーんもありゃしねぇ」 杏子「あの穴も綺麗さっぱりだしな」 ほむら「…」ズキッ 一週間前に起こった出来事がほむらの胸を締め付ける ほむら(私は…何もできなかった…) ほむら(ここまで上手くいっていたのに…)ググッ 悔しさに唇を噛み締める ほむら(ほんの一瞬で…っ…) アスカ「それにムサシ達も戻ってきてないし…」 ダイゴ「ほむらちゃん…孤門は君の家には…?」 ほむら「…」フルフル 無言で首を横に振る ダイゴ「…そうか」 杏子「やっぱなんかあったのか?」 アスカ「かもな…さすがに遅すぎるぜ」 ほむら「…」 ほむら(この時間軸でも…私は…) 杏子「…大丈夫だってほむら!」 杏子「まどかも…あの爺さん達もきっと無事だって!な?」 ほむら「…ええ」 トテトテ QB「やぁ君達」 ほむら「!!」 ほむら「インキュベーター…!!」 アスカ「どっから入ったんだ!?」 杏子「コイツ!どの面下げてここに来やがった!!」 ダイゴ「いつの間に…」 突然の来訪者に驚きを隠せない四人 QB「そんなに驚かないでよ」 ほむら「…」 チャキッ QB「おや」 キュウべえに銃を突きつけるほむら ほむら「インキュベーター…!まどかを何処へやったの!?」 ほむら「あの黒服の男は誰!?」 QB「君は脅しから入らないと話も出来ないのかい?」 ほむら「…ふざけないで!!」グッ 引き金を持つ手に力が入る QB「今日は君に用があるんだよ…時間遡行者の暁美ほむら」 ほむら「…?」 ダイゴ「…ちょっと待て」 ダイゴ「その話をした時君はあの場所にはいなかったハズだけど…?」 杏子「そういやそうだ!なんで知ってんだアンタ!」 QB「…」 アスカ「おい無視か!」 QB「ほむら…数多の時間軸を渡り歩き…運命を変えようと戦い続けてきたんだね」 ほむら「…」 QB「ありがとう、君のおかげだよ」 ほむら「え…?」 アスカ「あいつ…なに言ってやがる」 QB「君は鹿目まどかに魔法少女としての素質があることを知っているね?」 ほむら「…それがなに!?」 苛立ちを隠せないほむら QB「魔法少女の潜在能力は背負い込んだ因果の量で決まる」 QB「壮絶な人生を過ごしてきた人間ほど因果の糸が集中するね」 ダイゴ「壮絶な人生って…」 杏子「アイツは普通の中学生だろ?」 QB「そう、それだよ」 QB「ほむら、ひょっとしてまどかは君が時間を巻き戻すたびに強力な魔法少女になってなかった?」 ほむら「!!」 ほむらの表情が強張る QB「ほらね、原因は君にあったんだ」 ほむら「何を…言っているの…」 QB「君が時間を巻き戻すのはまどかを救うためだろう?」 QB「君が何度も同じ目的で時間を遡るうちに…」 QB「彼女の存在を中心に複数の世界の因果の糸を一つに束ねてしまったんだろう」 QB「君が繰り返せば繰り返すほどまどかに因果が集中していくのさ」 QB「因果律の鎖…それによる拘束だね」 アスカ「…なに言ってんのかさっぱりわかんねぇ」 ほむら「…つまり…まどかに因果が集中したのは…」 ガチャン ほむら「私のせい…なの…?」 銃を落とし、膝をつくほむら アスカ「!!」 杏子「マジかよ…」 QB「その通り」 QB「まどかの体に溜まった莫大な因果の力もそうすれば説明がつく」スタッ QB(まぁこの結論に行き着いたのも彼の協力があったから…なんだけどね) QB「それじゃあね…この状況に絶望したならまた時を戻すといい」 QB「彼女にこれ以上因果の糸を集めたかったら…の話だけどね」タッ 窓の縁に飛び乗るキュウべえ 杏子「お、おい!アイツ逃げるぞ!」 ほむら「…」 ダイゴ「待ってくれキュウべえ!」 QB「…まだ何か聞きたいことでも?」 アスカ「当たり前だろうが!山ほどあるぜ!」 ダイゴ「…皆を何処へやった?」 ほむら「…!」 ダイゴの問いを聞き、ほむらが顔を上げる QB「…彼女達は生きているよ」 アスカ「!! 生きてるのか!?」 杏子「ほ、ほら見ろ!あいつらが簡単にくたばるもんか!」 キュウべえの答えを聞き、二人の表情が明るくなる QB「…いや」 QB「生きてるには生きているが…」 QB「無事…とは言えないかな?」 アスカ「…あ?」 ダイゴ「…もう一度聞く!」 ダイゴ「皆を何処へやった!?」 QB「光量子的空間…異次元空間だよ」 QB「そこへ鹿目まどかとウルトラ兄弟達を引きずり込んだ」 ダイゴ「インキュベーターはそんな能力まで持っているのか!?」 QB「僕達の能力じゃないよ?協力者の能力さ」 QB「鹿目まどかを餌にして面倒なイレギュラー5人を排除する…彼らの作戦は成功したという訳だ」 ほむら「…私を後ろから撃ったあの男?」 胸を押さえながら問いかける QB「その通りだよ。彼らのおかげで僕等は大量のエネルギーを手に入れた」 QB「あと暁美ほむら…君が時間を巻き戻してこの一ヶ月を何度もやり直してるのに気付いたのは彼らが接触してきてからだ」 QB「この世界と切り離された空間…協力者が作り出した異次元空間だね」 QB「そこに潜めば君の魔法の効果から逃れることができる」 QB「前の時間軸で集めたエネルギーも持ち越せるし…一石二鳥どころの騒ぎじゃないね」 杏子「その空間に行くにはどうすればいいんだ!?」 アスカ「そうだ!さっさと教えろ!みんなを助けに行くんだ!」 身を乗り出して問い詰める二人 QB「…君達は話を聞いていたのかい?この世界から切り離されていると言っただろう?」 QB「協力者の意思でゲートを開くか…内側から何らかの力が掛ればなんとかなるかもね」 アスカ「それって…つまり」 ダイゴ「こちらから助けに行くのは…不可能…」 QB「理解してくれたかな?」 杏子「…くそっ!」 QB「それより君達は目の前の事をどうにかすべきじゃないのかい?」 QB「ワルプルギスの夜がこの町に来るまであと二日だよ」 QB「光の力を失った三人と…魔法少女四人でどう戦うのかな?」 杏子「うっせぇ!だったらまどか達を返せ!」 QB「それは駄目だ。協力者はそれを許可しない」 アスカ「ぐ…こ、コイツ!」 ほむら「…あなた達、もうやめて」 アスカ「なんだよ!?」 杏子「…ほむら?」 二人を制止するほむら ほむら「…悔しいけどインキュベーターの言う通り…」 ほむら「今はワルプルギスの夜を倒すことが先決よ」 アスカ「だ…だけどさぁ!!」 ほむら「まどか達の事を気にしている場合ではないわ…我夢のところへ行ってくる」 ダイゴ(…!) ガチャ バタン ダイゴ「…」 QB「彼女は物分かりがいいね」 ダイゴ「キュウべえ、君は何も感じないのか?」 QB「なにも…とは?」 ダイゴ「君の口振りからすると…これまでも多くの魔法少女を見て来たんだろう?」 ダイゴ「彼女達が苦しんでる姿を見て何も感じなかったのかと聞いてるんだ」 QB「…」 QB「僕達には感情というものは無いんだよ」 QB「もしそんなものが芽生えた個体がいるなら欠陥品として即処分だね」 ダイゴ「…」 QB「あ…でも感情の法則性はある程度だが理解しているよ」 杏子「どういうことだ?」 QB「どんな状況なら君達は僕と契約してくれるのか…とか」 QB「どんな言葉を投げ掛ければ絶望してくれるのか…とかね」 QB「これは協力者に色々教えてもらったおかげだね」 ダイゴ「感情そのものは理解していないということか…」 杏子「…もうアンタには怒る気にもならねーよ」 QB「それは安心だね。それじゃ」タッ 窓から飛び出すキュウべえ シーン… ダイゴ「…」 杏子「…」 アスカ「…でもさぁ」 長く続く沈黙をアスカが破る アスカ「キュウべえも酷いけど…ほむらもなんか冷てぇよ!」 杏子「?」 アスカ「一緒に戦う仲間がやばいってのに…気にしている場合じゃないって…」 アスカ「いくらなんでも…」 ダイゴ「彼女…瞳が潤んでた」 アスカ「えっ…」 杏子「ほむらが…?」 ダイゴ「自分の大切な人が目の前で連れ去られて今も苦しんでるかもしれないのに…」 ダイゴ「きっと今すぐにでも泣き叫びたい気分なのに…」 ダイゴ「本当の気持ちを必死で押し殺して戦おうとしている」 アスカ「…」 ダイゴ「まどかちゃん達を一番心配してるのは紛れもなく彼女だよ」 アスカ「あ…」 杏子「…」 杏子「…」スゥッ 杏子「あーーーーーーーーーーーっっっ!!!」 アスカ「うお!?」 ダイゴ「?」 大きく息を吸い込み、杏子が叫ぶ 杏子「はー、すっきりした!」 杏子「もうじっとしてられるか!!アタシも特訓でもしてくらぁ!!」 ガチャ バタン アスカ「…今の俺には…」 アスカ「なんもできねぇのか…」 ダイゴ「せめて信じてあげよう…彼女達の勝利をね」 ガチャ バタン 小さな植木鉢を抱え、部屋を後にする アスカ「…くそったれ!!」 ガンッ カラカラカラ… 床に叩きつけられたリーフラッシャーの転がる音が 静まり返った部屋に虚しく響き渡る …………………………………… ガガガッ! マミ「…」 さやか「わ…わぁああっ!!」タタタッ マミの放った銃弾がコンクリートの地面を抉り飛ばす さやかはその一方的な攻撃から逃げ回ることしか出来なかった マミ「美樹さん!今日も逃げてばかりじゃない!?」 マミ「接近しないと剣は届かないわ!」 さやか「そ、そんなこと言ったって…!」 マミ「私はさっきから一歩も動いてないわよ!」 さやか「え…あ、あれ?そういえば…」 二人の間の距離は10メートル程度 接近戦を主体としたさやかの攻撃が届くはずもなかった マミ「さっきからあなたは逃げ回ってるだけ!」 マミ「相手の有利な間合いを自分が作り出してどうするの!!」チャキッ さやか「あ…ぼ、防御…!!」 バン! ガキン マミ「せめて一太刀くらい浴びせてみなさい!」 さやか「く…くぅ…」 ダッ さやか「わぁああああああ!!」 剣を構え、マミに一直線に突撃する マミ「…来たわね!」 マミ(でも…銃相手に真正面からは愚策!)シュルル 抉れたコンクリートの地面の隙間から飛び出した拘束魔法がさやかに迫る さやか「き、来たっ!!」ダッ マミ「…!」 マミ(やはり飛んで回避したわね…) さやか「やあああああ!!」 マミ「…っ!」ブンッ 上空から振り下ろされる剣の威力を相殺するため マスケット銃を逆手に持ち、振り上げる さやか「…!」ビクッ さやか(や…やっぱ無理っ…!!) サッ マミ「なっ!?」 マミ(どうして剣を引くの…!?このままじゃ…!) バキッ さやか「ぶっ…あっ!」プシュッ ドシャッ マスケット銃の銃底が顔面に直撃し、 そのまま地面に落下する マミ「美樹さんっ!!」 さやか「う…ううっ…」ポタポタ 顔を覆うさやかの手の間から血が滴る マミ「ご、ごめんなさい!当てるつもりは…」 マミ「傷見せて!すぐに治すから!」 キューン さやか「っつ…うぅ」 マミ「本当にごめんなさい…ちょっと熱が入り過ぎちゃったわね…」 さやか「…いいんです」スッ 血が止まったさやかが立ち上がる さやか「あの時あたしがビビっちゃって剣引いたから…」 さやか「それに特訓してもらいたかったのはあたしですから!全然大丈夫です!」 マミ「美樹さん…」 さやか「…それにしてもマミさんはやっぱ一流だなー!」 マミ「?」 さやか「だって相手が目の前まで迫って来たのにあんなに冷静に対応して…ベテランって感じですよね!」 さやか「いやーあたしなんてまだ戦いを怖がっちゃって!ははは…」 マミ「…」 マミ「…美樹さん、今日はこれくらいにして帰りましょう?」 さやか「え…?でもあたしまだマミさんに攻撃を当てることも…」 マミ「いえ…もう十分よ」 マミ「基礎的な動きはだいたい教えたから…それ以外の事は明日佐倉さんに教えてもらいなさい」 マミ「彼女はあなたと同じ接近戦タイプだし色々参考になると思うわ」 さやか「…はい!ありがとうございました!」 マミ「あ!あと明日私の家で作戦会議するから…」 さやか「わーかってますって!それじゃ!」 タタタッ 笑顔のまま手を振り、その場から立ち去る マミ「…」 マミ(ベテラン…か) ~廃工場~ ほむら「我夢、来たわよ」 我夢「あ!遅かったじゃないか!メンテナンスはバッチリだよ!」グイ 大きな包みをほむらに差し出す ほむら「なに?…随分重いけど」 我夢「まぁ開けてみてよ」 ほむら「…?」ガサッ ほむら「これは…銃…かしら?かなり大型ね」 包みの中には銃は 青と銀のフレームで三つの銃口が着いた特殊な造形をしていた 我夢「ディバイトランチャー…孤門さんがこの世界に飛ばされた時に持ってた銃だよ」 ほむら「ああ…たしか初めて会った時に見たような…」 ほむら「でもあれは壊れていたんじゃ?」 我夢「だからここでチョチョイッと修理したんだよ」 我夢「さすがにここじゃ完全に…とまではいかなかったけどね」 ほむら「そう?使えれば問題ないと思うけど」 我夢「ホラここ!継ぎ目があるだろ?」 銃の一部を指差しながら話す 我夢「本来は分離銃だったけどその機能はオミットした」 ほむら「…そう」 我夢「いやでも、その分威力はすごいよ!?」 フォローするように説明を続ける 我夢「指紋認証の解除にはかなり手こずってさぁ…」 ほむら「…実際に撃って確かめた方が早そうね」ジャキ 遠くのドラム缶に狙いを定め、引き金を引く 我夢「あ!ちょっと…」 カチッ NO BULLET ほむら「…?」 カチカチッ NO BULLET 何度引き金を引いても銃弾は発射されず 弾切れを知らせる音声が鳴り響く ほむら「…弾切れじゃない」 我夢「もう…話は最後まで聞いてよ」 我夢「その銃の弾…ここには無いんだ」 ほむら「…は?」 ほむら「どういうこと?何か別の弾で代用するの?」 我夢「代用というか…その銃はエネルギー兵器なんだよ」 ほむら「…ますます分からないわ」 我夢「この世界にはそんなもの無い…のかな?」 我夢「分かりやすく言うと君が使ってる銃と違って実弾を必要としないってこと」 我夢「あらかじめ溜めておいたエネルギーを弾として放つ武器なんだ」 ほむら「つまり今この銃のエネルギーは0だと?」 我夢「そういうこと!」 ほむら「…出来ればエネルギー満タンの状態で渡してほしかったのだけれど」 我夢「えーっと…」 我夢「そのエネルギーチャージにも専用の設備が必要で…」 ほむら「え?」 ほむら「じゃあどうすればいいの?」 我夢「それについてなんだけど…う~ん…」 ほむら「?…勿体つけずに早く教えて」 我夢「…この銃が撃てるかどうかは君次第なんだよね」 ほむら「私次第?」 我夢「うん、魔法少女にしか出来ないことなんだけどね…」 我夢「この銃のエネルギーを魔力で代用できないかな~…ってさ」 ほむら「魔力で?」 眉をひそめて聞き返すほむら ほむら「私が聞くのも変だけど…そんなことできるの?」 我夢「マミさんだって似たようなことしてるじゃないか」 ほむら「あれは彼女特有の能力だと思うのだけど」 我夢「う~ん…なにも銃弾そのものを作り出すってわけじゃなくて…」 我夢「君の魔力を銃に流し込んで放つんだよ…出来ないことはないと思うけどなぁ」 ほむら「…」 ほむら「まぁ…やってみる価値はありそうね」ジャキ ディバイトランチャーを構え直すほむら 我夢「頑張って!」 ほむら「…」スゥ 気を落ち着かせるように深呼吸して 意識を集中する 我夢(上手くいってくれよ~…) ほむら「…」グッ 再びドラム缶に狙いを定め、引き金を引く バァン ドグシャッ! 我夢「!」 ほむら「…っ」ビリビリ 三つの銃口から放たれた弾は空のドラム缶をねじ切るように破壊し、 その後ろのコンクリートの壁に穴を開ける 我夢「やった!やっぱり出来るじゃないか!」タタタッ 笑顔で駆け寄る我夢 ほむら「す、すごい威力ね…腕が痺れるわ…」グッグッ 我夢「数十メートル級の怪物にもダメージを与えられる武器だからね」 我夢「その武器の問題と言えば分離出来ないことと…」 ほむら「その分威力は申し分ないわ」 我夢「うん、その気になればもっと高威力を叩き出すことが出来るんだけどね」 我夢「一番の問題は…」 ほむら「私の魔力ね…分かってたことだけど」 我夢「…うん」 申し訳なさそうな顔で答える 我夢「その銃は威力は凄いけど最大の欠点は君の魔力を消費する」 我夢「命を削るようなものだ…僕としてはあんまり使って欲しくないんだけどね」 ほむら「でもそれって魔法と似たようなものじゃない」 ほむら「私以外の魔法少女も武器を使うのに魔力を消費してるわ」 ほむら「消費する魔力がちょっと増えるだけ…問題ないわ」 我夢「それでも…大量に魔力を乗せて連射なんて危険なことはやめてね?」 ほむら「…ええ」 ほむら「…」 ほむら(この武器があれば…ワルプルギスの夜にもダメージを与えられるかもしれない) ほむら(まともに扱えるかどうかは…私次第…) ほむら「とりあえずもう少しこの銃に慣れる必要があるわね」 ほむら「今日はありがとう。じゃあ私はこれで…」 スタスタ 我夢「ちょ、ちょっと待って!」 ほむら「…?」 立ち去ろうとするほむらを呼び止める ほむら「まだ何かあるの?」 我夢「渡すのがその銃だけならわざわざここに呼ばないよ…」 我夢「ちょっと奥まで来て」 ほむら「?…ええ」 スタスタ 工場の奥まで入っていく二人 …………………………………… 我夢「これ!本命はこれだよ!」 ほむら「これ…は…?」 目の前の巨大な物体に驚くほむら ほむら「戦闘機…?」 我夢「そう!僕が乗って来た戦闘機!ファイターEX!」 自慢げにファイターを指差す ほむら「まさか…これを操縦しろとでも?」 我夢「いやいやさすがにそれは無いよ!」 我夢「空を飛ばすわけじゃなくて…使って欲しいのはこいつのミサイルなんだ」 ほむら「…つまり砲台として使うってこと?」 我夢「その通り!」 ほむら「でもそのミサイルはどうやって撃つの?私が直接乗り込めばいいのかしら」 我夢「ミサイル発射ならこれ!これ使って!」スッ 赤いスイッチの着いた機械を差し出す ほむら「…リモコン?」 我夢「そう!そのスイッチ一つで6発まとめて発射するよ!」 ほむら「…ワルプルギスの夜にたった6発のミサイルが効くかしら?」 我夢「そう言うと思って…そのミサイルにも色々仕込んである」 ほむら「どういうこと?」 我夢「ハヤタさん達…ウルトラマンにもちょっとだけ協力してもらってね」 我夢「このミサイルにスペシウムエネルギーを注入した」 我夢「スペシウム弾頭弾ってとこだね」 ほむら「…スペシウム?」 我夢「…まぁすごい威力のミサイルってことかな」 ほむら「一回スイッチを押して全弾発射…チャンスは一回ね」 ほむら「…とにかくありがとう」 ほむら「このミサイルはヤツに止めを刺す時に使わせてもらうわ」シュン 盾の中にファイターとディバイトランチャーを収納する 我夢「今更だけどその盾凄いね…体積無視だもん」 ほむら「そうね…自分でもちょっと驚いてるわ…」 盾を見つめる二人 我夢「…すまない」 ほむら「?」 我夢「…僕達が戦えればこんなもの作る必要なかったんだけどね」 ほむら「…」 ほむら「…いえ…十分よ」 …………………………………… ~さやかホーム~ さやか「…」 ゴロン さやか「…怖い」 ベットに体を沈め、手で顔を覆うさやか 誰に聞かせるわけでも無い小さい呟きが部屋に響く さやか「怖い…怖い…」 さやか「怖い怖い怖い怖い怖い怖い…!」 さやか「怖いっっ!!!」 さやか「っ…はぁっ…!はぁっ…!」 さやか「なんでだよぉ…」 さやか「なんで今頃…こんなに怖くなるんだよぉ…」 さやか(変身して…剣を構えるだけで…) さやか(前の滅茶苦茶な戦いしてたあたしの姿が…頭から離れてくれない) さやか(ワルプルギスの夜との戦いがもうすぐって考えただけで…) さやか(震えが止まらない…!) さやか「ウルトラマンも…みんな戦えない…」 さやか「たった四人で…あたし達…勝てるの…?」 さやか「…」ゾクッ さやか「怖いよ…」 さやか「死にたくないよぉっ…!」 …………………………………… 使い魔『ギャ!?』 ズバッ 杏子「ふぅっ…一丁上がりっと」 使い魔を槍で斬り捨てる 杏子「結構てこずったな…こんなんじゃ駄目だ…」 杏子(噂でしか聞いたことないけど…ワルプルギスはこれまでとは桁違いの強さだ…) 杏子「…」 杏子(もうこれ以上仲間を失いたくねぇ…) 杏子(いざとなりゃあ…アタシがムサシを助けた時みたいに…) 杏子「…勝てる…よな」 不安をかき消すように、 自分に言い聞かせるように呟く …………………………………… …………………………………… …………………………………… …………………………………… まどか「…」 ザッザッザッ… まどか「ここ…どこ…?」 まどか「わたしは…あの穴の中に落ちて…」 まどか「…いつの間に…こんなとこに…?」 何も無い砂漠が広がる世界 空の色は青ではなく、不気味に黒みがかった赤 その異常な世界を一人歩き続けるまどか まどか「みんな…どこ…?」 スタッ QB「…やぁまどか」 まどか「…!?」 まどか「キュウべえ…っ!!」 突然現れたキュウべえを睨みつける QB「…やだなあ」 QB「そんな顔で見ないでよ」 まどか「…」 QB「まどか」 QB「僕と契約して魔法少女になってよ!」 まどか「ふ…ふざけないで…!」 まどか「みんなの所に帰してっ!」 QB「残念だがそれは出来ない」 まどか「!…っうぅ…」 まどか「じゃ、じゃあっ!…ハヤタさん達はどこ?」 まどか「わたしと一緒にあの穴に落ちたんでしょ!?」 ???「彼等はこことは別の空間に閉じ込めた」 まどか「!?」 QB「おや…?」 声の主の方に振り向く まどか「あ、あなたは…」 まどかの背後に現れた老人は黒ずくめの服装で その手には黒い風船をいくつも持っていた まどか「!!…そ、そうだ!あなたがわたしやハヤタさん達を…!」 ???「そうだ…彼等はもう元の世界に戻ることはない」 ???「お前もだ…鹿目まどか」 ???「…こいつは契約を拒んだか?」ザッザッ QB「ああ…まったく面倒をかけてくれる子だよ」 キュウべえと話しつつまどかに近寄る老人 まどか「っ…こ、来ないで!!」 QB「やれやれ…」 ???「…」ザッザッ 老人はまどかの言葉を無視し、さらに近づく まどか「あ、あなたは何者なの…どうしてこんな…」 QB「…そろそろ教えてあげたら?」 ???「そうだな…聞け、鹿目まどか」 ???「私は異次元人ヤプール」 まどか「異次元…人…」 ヤプール「…」ザッザッ ガシッ ヤプールの手がまどかの髪を掴む まどか「い、痛い!離して!!」 ヤプール「お前が契約を拒むというならば…いいものを見せてやる」シュン QB「!」 ヤプールが右手をかざした何も無い空間に穴が開く その空間の向こうには四足の巨大な怪物 そして血塗れの少女が一人、膝をついていた 『うっ…く…』 まどか「…え?」 まどか「あれって…?」 ヤプール「よく見ろ…あれはお前の知る時間軸の世界ではない」 ヤプール「一つ前の時間軸の映像だ」 QB「ちなみにこの時の記憶は暁美ほむらには無いみたいだよ」 まどか「あれって…まさか…」 まどか「ほむらちゃん…!?」 穴の向こうの映像を見つめ 絶望の表情を浮かべる ヤプール「その通り。あれは暁美ほむらだ」 ヤプール「そして…」 シュン 映像からほむらが消え、別の画面へと切り替わる ヤプール「あれを見ろ」 まどか「!!!」 ヤプールが示した方向には ソウルジェムが砕かれ、血の海に沈む三人の少女の姿があった まどか「みん…な…」 ヤプール「そうだ」 ヤプール「巴マミ、美樹さやか、佐倉杏子…お前も知っている魔法少女だ」 まどか「う…嘘っ!そんなの…!!」 QB「信じないとでも?」 まどか「!…うっ…あ…あ…」ジワッ ヤプール「…ふふ」シュン 再び画面が切り替わり、ほむらを映す QB「さぁここからだ」 『あっ…!?』 まどか「!! ほむらちゃん!逃げて!」 QB「聞こえないよ。過去の映像だからね」 怪物の全身から伸びる触手 その中で最も細いものがほむらを捕らえ、持ち上げる まどか「や、やめ…」 『いっ…ぎゃあぁあああっっ!!!』 怪物は身動きの出来ないほむらに赤い雷撃を浴びせる まどか「ひっ…いやぁああああ!!」 ヤプール「よく見ろ!激痛に苦しむ彼女の姿を!!」グイッ 目を逸らそうとするまどか その頭を掴み、無理やり凄惨な光景を見せつける 『くああ!!ぁああああ!!!』 まどか「やめて…もう…やめて…!!」ポロポロ 堪え切れない涙が溢れ出す QB「…もう十分だよヤプール」 ヤプール「…」シュン ヤプールが手をかざし、映像を映し出す穴を消滅させる まどか「ひっく…うっ…」グスッ ヤプール「…よく聞け鹿目まどか」 ヤプール「彼女があれほど苦しむのは誰のせいか解るか?」 まどか「え…」 ヤプール「暁美ほむらが魔法少女になったのは…鹿目まどか…」 ヤプール「お前を守るためだ」 まどか「!!」 ヤプール「健気なものだなぁ…お前を救おうと何度もここ一ヶ月をやり直し…」 ヤプール「その度に苦しみ、傷つき、絶望する」 QB「因果の鎖に縛られていたのは彼女も同じだったんだよ」 QB「まるで地獄だね」 まどか「…あ…ああ…あ…」 膝を着き、絶望するまどかにヤプールは話を続ける ヤプール「暁美ほむらをこの道に引き込んだのは…」 ヤプール「他でもない…お前だ!鹿目まどか!!」 まどか「…」 QB「さて…本題に入ろうか」トテトテ 俯くまどかの耳元で囁く QB「まどか…このままじゃいずれこの時間軸も同じ結末を辿るだろう」 QB「彼女達を助けたくないかい?」 まどか「!…」 ヤプール「悩む必要などない」 QB「僕と契約すればいいよ」 QB「さぁ…君の願いを言ってごらん!」 QB「もう決まっているんだろう?」 まどか「…」 まどか「…」 まどか「…わかった」 まどか「契約…する…」 まどか「わたしの願いを叶えてよ…キュウべえ」 ヤプール「…」 QB「君の体には大量の因果の力が蓄積されている」 QB「どんな願いでも叶えられると思うよ!」 まどか「わたしの願いは…」 まどか「ほむらちゃんを…みんなを…」 まどか「助けて欲しい…」 ヤプール「…」ニヤ キィィイイン… ヤプール『…やはり以前の時間軸と同じ願いだな』 QB『もちろん…そう言うように仕向けたんだけどね』 テレパシーでお互いの頭に直接語りかける ヤプール『この願いを叶えてやれば…以前のように一ヶ月時間が巻き戻されるのか?』 QB『まったく同じ願いだからね…』 QB『彼女ほどの素質があればそうなると思うよ』 ヤプール『…そして我々は膨大なエネルギーを回収できる…と』 QB『その通り!…恐らくここで回収できるエネルギーを合わせれば…』 QB『僕達の計画に必要なノルマは達成されるだろうね』 まどか「…?」 QB「おっとすまない…じゃあ契約しようか」 シューン… まどか「うっ…くぅっ!」 まどかの体を光が包みこみ その手にソウルジェムが出現する まどか「…」 ヤプール「契約完了…か」ニヤッ QB「そうだね…これで」 QB「…!?」 キュウべえが目を見開き、言葉を止める まどか「あ…れ?」 まどか「何も起こらない…?」 ヤプール「…どうした、インキュベーター」 QB「おかしい…そんな馬鹿な…」 ヤプール「…何を言っているんだ?」 QB「あり得ない…こんなことは…!」 ヤプール「どうしたと聞いているんだ!答えろ!」 QB「か…鹿目まどか…!」 まどかの方へ向き、焦った様子で話す まどか「えっ…?え…?」 QB「君の体に蓄えられたエネルギーを…何処へやった!?」 ヤプール「!?…何を言っている!」 QB「彼女から…彼女から回収できるエネルギーが…」 QB「これっぽっちのハズが無いんだ…!!」 BACKまどか「…ウルトラマン!」 6 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 8
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…………………………………… ~宇宙~ 大超獣「グルル……」 宇宙空間での戦闘 襲い掛かる超獣達を次々に撃破した戦士達 しかし度重なる戦闘でそのエネルギーも限界に近付きつつあった ヒカリ『くっ……残りの大型はコイツ一体だと言うのに!』グッ レオ『やめろヒカリ!むやみに突っ込んだところでヤツにトドメをさすことは出来ない!』 飛びだそうとするヒカリを制止する ヒカリ『ならどうしろというのだ!』 レオ『…幸いヤツ自身もかなりの深手を負っている』 レオ『今のヤツの再生能力を上回る一撃を叩きこむしかないだろう』 80『…しかし今、ここにいる者全員がエネルギー不足です…』 タロウ『……』 シュゥウ… ネオス『!!…見てください、ヤツの傷が!』 大超獣「……」 大超獣が全身に負った多くの傷口が、少しづつ音を立てて閉じ始める マックス『もう再生が始まったのか!?』 ゼノン『時間が無い!ここは全員で一斉に…』 タロウ『それは駄目だ!コイツを倒したとしてもやつらの戦力はまだ残っている!』 タロウ『ここで全員のエネルギーを使うのはあまりにも危険だ!』 グレート『……ならどうするのです?』 タロウ『……やむを得ない。ウルトラダイナマイトを……』 シューン しかし、 タロウが決断を下そうとしたその瞬間 二つの真っ赤な光が駆けつける ???1『はいはいはい!その役目、僕達に任せてくださいよ!』 ???2『達って……やっぱり僕もやるのか…』 レオ『!?』 ヒカリ『なんだ!?』 タロウ『君達は?』 突然現れた二人の赤いウルトラマン 呆気に取られる一同をよそに、元気な声が響く ナイス『あ…ちょ、ちょっと通りすがった者でして……』 ゼアス『まぁまぁ説明なんていいでしょ!』 ナイスを引っ張り、大超獣の前に立つゼアス ゼアス『まずあれなんとかしなくちゃ!ね!?』 ナイス『…まぁここまで来ちゃったし』 タロウ『…まったく状況が飲み込めんが…頼めるか?』 ゼアス『任せてくださいって!……いくよ!』グッ ナイス『…よーし!』グッ 未だに状況が飲み込めない一同を完全に無視した二人が前に進み出て、 大超獣に向けて必殺光線の構えを取る シュゥウ… ゼアス『……受けてみろ!』 シュバッ! ゼアス『スペシュシュラ光線!!』 ナイス『ベリーナイス…光線ー!!』 放たれる光線 しかし… ビュン! パワード『ぬおっ!?』 べス『あら』 ゼアスのスペシュシュラ光線は何故か後ろ向きに飛ぶ 一直線に飛んで来たそれを間一髪のところで回避するパワード ゼアス『あ、あれぇ~……?』 ヒカリ『……おい、真面目にやる気が無いのなら…』 ゼアス『いやいやいや!!久しぶりでちょっとコツが……ね?』 とぼけた雰囲気のゼアスを睨み付けるヒカリ ナイス『あれ?光線ってどうやって出すんだっけ?』 レオ『……』 ナイスが腕をクロスさせ、なにも起こらない その様子に呆れる一同 タロウ『…やはり私が!』 ゼアス『だぁ~いじょうぶですって!!よーし今度こそ!!』バッ ゼアス「ハァァアア………」 気合いを入れてもう一度 精神を集中させ、構えを取るゼアス ナイス(おかしいな……なんで?)クイッ バシュッ!! ナイス『あ!出来た!!』 首を傾げた瞬間、ナイスの腕から勢い良く放たれる光線 ゼアス「セアッ!!」 バシュッ!! それと同時に再び放たれたゼアスの光線 その二つが合わさり、動きの止まった大超獣へ一直線に飛ぶ 大超獣「!!!」 ドガァァアアン!! ヒカリ『!!』 レオ『おお……!』 合体光線を受けた大超獣は粉々に吹き飛び、 もう二度と再生することはなかった ゼアス『やったーー!!』 ナイス『ほっ……』 レオ『……一時はどうなる事かと思ったが…』 ヒカリ『ああ、中々の実力を持っているようだ』 予想外の力を見せつけられ、驚きを隠せない一同 タロウ『一働きしてもらったばかりで悪いが…君達が何者なのか説明してくれないか?』 ゼアス『あ、え~っとですね……』 ナイス『僕達は――』 …………………………………… …………………………………… ~見滝原~ 大超獣「ギャァ!!」 ゾフィー『今だ!一気に持ち上げる!!』 マン『まどか!仕上げは君に任せるぞ!』 まどか「は、はいっ!!」グッ 攻撃を受けて倒れ込む大超獣 まどかへ言い放つと同時に大超獣の懐に飛び込む六人 メビウス「セアッ!!」 セブン「デュワッ!」 グンッ 大超獣『!!?』 一気に上空へと運び去られる大超獣 その隙にまどかが最大の技を放つため、魔力を一気に解き放つ まどか(あれだけ特訓したんだ…きっと出来る) まどか(マミさんに教えてもらった武器を変化させる能力……その応用……!) まどか「たぁっ!!」パシュ 宙に舞う魔力を帯びた杖 それは光に包まれたまま形を変えてまどかの左腕に集まり、 手首を中心に弓の形を形成する まどか「よしっ……!」グッ 構えを取り、上空の大超獣を真っ直ぐに見据える その左腕の弓はネクサスの技、アローレイシュトロームに酷似していた まどか「はぁぁあああっ………!!」 シュゥウ… エース『今だ!!』 ジャック「シュアッ!!」 集束するエネルギー それをみた六人は一斉に力を込めて大超獣を投げ飛ばす マン『まどか!!』 まどか「っ……たぁぁああーーーっ!!」 ドシュン!! ドガッ! 大超獣「ガッ!?」 落下する大超獣へと飛んだ弓状の光波はその巨体に直撃し、 貫通、桃色の粒子が飛び散る 大超獣「ガッ…カッ……」 シュウウ… その傷口から広がった光が全身を包み込み、 大超獣は地上へ落下する前に完全に消滅した まどか「………ふうぅ」ペタン 全身の力が抜け、その場にへたり込むまどか ズシン マン『よくやったな。まどか』 まどか「!…えへへ…」 大超獣の消滅と同時に地上に降り立つ六人 マンの言葉にまどかは顔を少し赤らめて、小さく笑う まどか「でも…これで終わりなんですか?」 セブン『どうだろうな…まだ敵の黒幕を叩いていないからなんとも…』 エース『ヤプール……』 ゴゴゴゴ…… メビウス「!?」 ゾフィー『どうやら上手くやったようだな』 ジャック『あれは!?』 一同の遥か上空 暗く曇った空の中に浮かび上がる一際大きな黒い塊 インキュベーターの母艦が姿をその現す セブン『ここまで落ちてきていたのか…』 ゾフィー(我々の肉眼で確認できるという事は既にダメージを受けているという事か……) まどか「あの中に…ヤプール達が?」 マン『そうだろうな。ヤツをなんとかしなければ次々に超獣が送り込まれてくるだろう』 シュゥン ゾフィー『…どうやらさっそくお出ましの様だ』 エース『!!……まだこれ程の数が…』 ズズンッ 超獣「グゥウゥ……」 まどか「あぁっ…!?」 地上にいる一同と遥か上空に浮かぶ母艦 その間に阻むように大量の超獣が空間を破り、出現する その数は今まで撃破してきた数をさらに上回っていた まどか「そんな……まだこんなに…!?」 メビウス『これじゃきりが無い!!』 まどかの表情がさらなる絶望に歪む セブン『くっ……こいつらの相手をしていてはいつまでたってもヤツの所へ辿り着けん!』 ジャック『…来ます!!』 ゴォッ 超獣「グギャアアアア!!」 まどか「くぅっ…!」グッ まどかが弓を握り直し、立ち上がる 一同が休む間もなく、おぞましい数の超獣達が容赦なく襲い掛って来る しかし… ドガガガガッ! 超獣「グギャッ!?」 まどか「えっ!?」 辺りに巻き起こる爆発 超獣達は怯み、その動きを止める ネクサス「ハァッ!!」 ティガ「ジュア!」 ダイナ「ディアァッ!!」 超獣「!?……」 上空に現れた三人のウルトラマン達の一斉攻撃を受け、 数体が爆発四散する セブン『あれは…!』 マン『!! 孤門達、無事だったのか!』 ネクサス『はい!』 ダイナ『全員バッチリ無事だぜ!!』 ティガ『こちらは全て片付きました!あと一息です!』 地上に降り立った三人がマン達に駆け寄る まどか「……ということは」 超獣「グゥウゥ……」 ドガガッ! 超獣「ギァアアッ!!」 まどか「!!……やっぱり…!」 雨の様に降り注ぐ魔力を纏った弾丸 それがの体に当たると同時に連続して爆発が巻き起こり、 まどかの目の前に迫る超獣を撃破する スタッ ほむら「………」 マミ「鹿目さん、無事!?ケガはない?」 まどか「来てくれたんですねマミさん!ほむらちゃん!!」 まどかが振り返った先には銃を担いだ二人の魔法少女 マミとほむらの姿があった ほむら「……まどか」 まどか「ほむらちゃん……」 まどかに駆け寄るほむら ほむら「私、生きてるよ…ちゃんと」グッ まどか「!……へへ……うんっ!わたしも!」 マミ「……ふふ」 まどかの手を握り締め、優しく微笑むほむら その姿を見てマミはくすりと笑う ズシン… 超獣「ガァルル……」 いきり立つ超獣が再開を喜ぶ三人に迫る マミ「! どうやらゆっくり話してる時間は無さそうね!」 ほむら「来たわ!まどか、あなたは私の後ろに……」チャキッ 銃を構え、超獣を見上げるマミ ほむらも同じくディバイトランチャーを握り直しまどかを後ろに退かせようとする しかしほむらの言葉を聞かず、まどかは前に進み出る ほむら「まどか…?」 まどか「ほむらちゃん、大丈夫だよ!わたしももう戦える!これからも一緒に!」 ほむら「!……ええ、そうね」 小さく笑い、肩を並べる三人が超獣を迎え撃つ 超獣「ガァアアア!!」 マミ「来る…!!」グッ マスケット銃を構え、超獣の顔面を狙うマミが引き金を引こうとする その瞬間 ザシュッ!! 超獣「!!!」ズズンッ まどか「わぁっ!?」 マミ「え!?」 ほむら「……どうやらあっちも来たみたいね」 さやか「お待たせ、ちょっと遅くなっちゃった!」 杏子「どうやらアタシ達が最後みたいだな」 背後から斬撃を受けて倒れ込む超獣 舞い上がる土煙の向こうから二人の魔法少女の姿が現れる まどか「さやかちゃんっ!よかったぁ~!」ガバッ さやか「おおっ!?なんか積極的だねまどか…」 さやかの姿が目に入るやいなやすかさず飛び付くまどか 苦笑いを浮かべながらさやかはそれを受け止める マミ「佐倉さんお疲れ様。無茶はしなかったでしょうね?」 杏子「え、えーっとその……まあなんつーか…はははは…」 マミ「もうっ!!あなたはこの前も…」 ほむら「マミ、あなたも人の事言えないわよ」 マミ「えっ…そ、それは…」 杏子「ほーれみろ!お前だってムチャクチャやったんだろ~!」 少し怒った顔で杏子に詰め寄るマミ しかしほむらに指摘され、言葉を詰まらせる ここぞとばかりに意地悪な笑いを浮かべ、杏子はマミを捲し立てる 再開を喜ぶ仲間達の体には所々に小さい傷があった ズシン ガイア『君達の負った傷は仲間を守るために負ったものだ。誇ってもいい』 コスモス『マミさんは君達仲間を心配してくれているんだ。そんなに意地悪しちゃいけないよ杏子ちゃん』 さやかと杏子に続いて地上に降りる二人のウルトラマン 杏子「へいへい………まぁわかってるけどな」 マミ「もう…」 コスモスに言われ少し不満気な態度を取る杏子 しかしその顔は少し照れ臭そうにだった その顔を見て同じくマミも照れ臭そうに視線を泳がせる まどか「あはは……でもこれで…」 ほむら「ええ」 マミ「ようやく」 さやか「全員集合…」 杏子「…ってところだな」 ザッ 五人の魔法少女がそれぞれの武器を構え、並び立つ マン『よし…!』 セブン『ああ!』 ザザザッ マンとセブンがお互いの顔を見合わせ、魔法少女達を背中に庇い並び立つ それに続く様に他のウルトラマン達も少女達を背に庇う様に並ぶ 総勢十名の巨人たちが魔法少女達を背中に庇い、円を作る ゾフィー『ウルトラマン、セブン!ここは…』 マン『ああ、わかっている。それしかない』 セブン『うむ、彼女達ならやってくれるだろう』 円の周囲から少しづつ迫り来る大量の超獣達 それらに構えつつ、話し続ける三人 まどか「ハヤタさん…?」 杏子「おい、なんのつもりだ!今更アタシ達に守られてろって言うのかい!?」 ほむら「私達の手持ちのグリーフシードはそれぞれ一個づつ……」 ほむら「でもここまできて見てるだけというのは御免よ」 さやか「あの黒ずくめのヤツをやっつけないといけないしさ!」 マミ「そうです!私達はまだ…!」 それぞれが険しい表情で一気に不満をぶつける しかし三人はいたって冷静で、少女達を見下ろす マン『これなら大丈夫だな』 セブン『まったく…頼もしいかぎりだな』 ゾフィー『よし……巴マミ!』 ピシュン マミ「えっ!?」ビクッ ゾフィーの指先から放たれたとても小さな光の球 それが頭に入りこんだ瞬間、体を大きく跳ね上がらせるマミ さやか「マミさん!?」 杏子「どうしたマミ!!」 マミ「頭の中に何かが……これは…地図?」 ゾフィー『その通りだ。あの遥か上空に浮かぶやつらの本拠地……そこのな』 空に浮かぶインキュベーターの母艦を指差すゾフィー そしてそれを見上げる一同 さやか「地図?なんでそんな物を?」 ほむら「!……まさか」 セブン『そうだ。お前達五人でやるんだ!』 マン『この事件の黒幕を倒し、五人揃って帰還する……君達に頼みたい』 まどか「!!」 さやか「ウルトラマンの力を借りずにあたし達だけで……か」 杏子「へへ……上等だよ」 武器を握り直し、意気込むさやかと杏子 マミ「この地図、どうして私に?」 ゾフィー『君が一番適任だと思ったからだ』 マミ「!!……」 ティガ『厄介事を請負う……君なら出来る。先輩らしいところを見せてやるんだ!』 マミ「……はい!」 ティガに激励され、決意を固めるマミ ゾフィー『ヤプールは恐らく艦の心臓である機関部、もしくはその周辺にいると思う』 マミ「分かりました!やってみせます!」 ゾフィー『……少し協力者が派手に暴れたからな。艦内に敵が残っているとは考えにくい』 セブン『…?』 杏子「道案内、よろしく頼むぜ~マミ?」 マミ「ふふ……任せなさい!」 さやか「おぉ……頼もしい…」 杏子が再び意地の悪い笑みを浮かべ、マミをからかうが一向に動じない まどか「……」 ほむら「まどか…不安?」 少し表情の暗いまどかを見て、ほむらが顔を覗き込む まどか「うん、ちょっとね……このお守りも光らなくなっちゃったし」 ほむら「…そう」 首から提げた灰色の石をまどかは悲しげに眺める まどか「で、でもみんなもいるし!わたし……」 ギュッ まどか「えっ?ほ、ほむらちゃん?」 まどかの手を掴み、握り締めるほむら その顔にはとても優しい笑みが浮かんでいた ほむら「昨日ね。布団の中であなたとこうした時に気付いたの」 まどか「?」 スッ まどかの手を握る右手に、ソウルジェムの宿った左手を添える ほむら「手を握ってもらうとね……ちょっとだけ勇気が出る」 まどか「!…ほむらちゃん……」 笑みを浮かべたまままどかの顔を見つめるほむら スッ 表情を戻し、 長い黒髪をなびかせながらまどかに背を向け、三人の所へ行くほむら ほむら「それに大丈夫、あなたは私が守るわ」 まどか「……で、でもわたしも――」 ほむら「だからね」 何かを言おうとしたまどかの言葉を遮り、代わりに言い放つ ほむら「あなたも私を守って…ね?」 まどか「!!…うんっ!任せてよ!」 笑顔でほむらの横に並び、少し離れた仲間達の所へ行くまどか それを見守るマンとセブン マン『さて、肝心の突入方法だが』 セブン『やはり数人に援護してもらいつつウルトラ念力で……』 メビウス『はい。僕達が下手に飛び上がれば超獣達に撃ち落とされてしまうでしょうし…』 ゾフィー『それに加えて地上からの攻撃ではあの装甲には傷は付けられん』 ウルトラ戦士達全員で敵の猛攻を防ぎ、 ウルトラ念力で一気に母艦まで飛ばすという作戦 今もなお迫り続けている超獣の大群がいる以上、これが最善の策…… のはずだったがそれに意見する男が一人 ダイナ『俺に良い考えがある!』 まどか「?」 さやか「……なんかやな予感」 意気揚々と言い放ち、魔法少女達のそばに屈みこむダイナ セブン『おい、陣を崩すな!危険だぞ!』 ダイナ『どっちにしろ念力で飛ばすとなりゃあ長いこと陣形は崩れるんだ!』 セブンの言葉にもまるで聞く耳を持たず、ダイナは少女達に右手を差し伸べる ダイナ『みんな!俺の手に乗ってくれ!』 スッ 杏子「なんだかよくわかんねーけど大丈夫なんだろうなぁ?」 マミ「えっと…じゃあちょっと失礼して」 さやか「う~ん……」 まどか「どうする気なんだろうね?」 ほむら「さぁ?……けどこの男の性格上ロクでもない策であることは確かね」 少し躊躇いつつもダイナの手の平に飛び乗る五人 その顔はやや不安気 ダイナ『へっへー!ドーンと任せなさいって!』 シュゥウウ… そんな不安も全く関係なしに立ち上がるダイナ そしてその右腕にエネルギーが集束させてエネルギーボールを作り出す 当然その中には魔法少女達が ほむら「はぁ……」 まどか「う、うそぉ…!」 ダイナの考えを理解したのかやれやれと頭を振るほむら そしてその横にいるまどかの顔が少し引きつる 杏子「げっ!?」 さやか「うわぁやっぱり!!」 マミ「じょ、冗談…ですよね?」 二人に続き、他の三人もダイナの考えを理解し、焦りの色が浮かぶ 超獣「ギャオオオォ!!!」 ズンズンズン! メビウス『!! 兄さん達、来ました!』 メビウス『どうやら念力で少しづつ送っていく暇は無いみたいです…!』 押し寄せる超獣の波 それはもう目と鼻の先まで迫って来ている さやか『帰りは?帰りはどうすればいいの!?』 ゾフィー『協力者が破壊して出来た亀裂が巴マミの脳内地図に記されているはずだ。そこから飛び出せ』 杏子「はぁああ!?飛び出すって…高度何千メートルだよ!?」 マン『……すまん、我々が絶対に受け止める』 ジャック『無茶を頼むがそこだけは安心してほしい』 諦めた様子で話すウルトラ兄弟達 ダイナ『だーい丈夫だって!俺を信用しろよ~!!』 ゾフィー『それよりも内部での戦闘だ』 エース『ヤプールの事だ……なにか奥の手を隠し持っているかもしれんぞ』 マミ「……はい、分かっています」 さやか「か、考えはもう変わらないのね…」 杏子「やれやれ……ま、最後はアタシ達が決めるしかねぇってこった」 それぞれの覚悟を決める魔法少女達 まどか「うぅ……」 先程の決意に満ちた表情は何処へやら ほむらの腕を力一杯に抱きしめるまどか ネクサス『ほむら。時間停止が使えない以上、戦闘の技術で攻めるしかない』 ほむら「分かってるわ孤門。常に移動と周囲の状況を見ること…でしょう?」 ほむら「あなたとの特訓、中々ためになったわ。ありがとう」 ネクサス『うん。そして君には心強い仲間達がいる……それを忘れずにね』 ほむら「……ええ」 コスモス『杏子ちゃん?孤門さんの言葉は君にも言えることだよ』 杏子「分かってるって!……今更一人で突っ張る気もねーよ」 激励の言葉を受けるほむらと杏子 エネルギーボールの中で向き合う魔法少女達 ダイナ『よっし……じゃあいくぜ!!』バッ セブン『失敗したら笑い話にもならんぞ……』 ティガ『頼むよ、元ピッチャー』 魔法少女達の入ったエネルギーボールを右腕に大きく振りかぶり 一同の遥か上空、 高度数千メートルの所に浮かぶ母艦を目掛けて 右腕の光球を豪快に ……投げた ダイナ『届けぇぇえええええーーーーーっ!!!!』 ゴウッ! まどか「きゃぁああーーーーーっ!!!」 さやか「うわぁぁあああああ!!!」 杏子「うぉおおおっ!?」 マミ「くうっ!?」 ほむら「っ……!!!」 ダイナ『よっしゃあ!あれは届くぜ!!』 ザッ 再び定位置に戻り、構えるダイナ エース『ヤプールを倒せばこの超獣達も止まるはずだ!』 マン『頼むぞ…魔法少女達!!』バッ 空の彼方へ一直線で進むエネルギーボールを見送り、 円陣を作ったウルトラ戦士達は 迫り来る超獣達へと向けて必殺光線を放つ …………………………………… ゴォォオオ 杏子「は……ははは!!速い速い!もう笑っちまうね!」 まどか「す、すごい……もう地上があんなに遠く……」 超高速で飛び続ける球体 その中で一同は少し顔を引きつらせながらも問題なく過ごしていた さやか「まどか、大丈夫?この中、結構重力が…」 まどか「あ…う、うん今のところはまだ……」 ほむら「でもあの母艦に今からぶつかるのね……全員が投げ出されたりしないかしら?」 少しづつ距離が縮まりつつある目的の場所を見上げ、ほむらが呟く マミ「大丈夫。ぶつかると同時に私がリボンでみんなを引き寄せる……固まっていれば問題ないでしょ?」 ほむら「なるほど…ね」 さやか「さっすがマミさん!」 ほむらにウィンクして答えるマミ そのマミに笑顔で飛び付くさやか まどか「で、でも大丈夫なんですか?わたし達の今持ってるグリーフシードってそれぞれ一個づつだし……」 さやか「あ……そ、そっか!いきなりマミさんに魔法使わせちゃうのか……」 少しばかり表情を曇らせる二人 しかしマミは笑顔で続ける マミ「…大丈夫よ。それより鹿目さん?あなたは自分の心配をしなさい」 ほむら「ここはマミの言う通りよ、まどか」 まどか「え……」 マミ「どうやらヤツらにとってあなたはかなりのイレギュラー要素を含んでるみたいよ……それこそ地上で戦っているみんなと同じくらいね」 ほむら「ヤツらにとってあなたは私達以上に都合の悪い存在ってこと……この意味が解る?」 まどか「優先的に狙われるかも……ってこと?」 さやか「!!」 険しい表情で向かい合う三人が淡々と話し続ける マミ「その通りよ。そしてあなたは私達よりも実践経験が遥かに少ない……だからあんまり無茶しすぎずに…ね?」 まどか「はい……」 俯き加減で返事をするまどか マミ「……うん、よろしい!じゃあお堅い話はここまで!」 まどか「?」 マミ「大丈夫よ、鹿目さん。私達は一人じゃない、みんなで戦うの」 ほむら「その通りよ」 杏子「そうそう!それに実践経験で言ったらコイツも大したことねーよ!な、さやか!!」 バシバシ さやか「な、なんだとー!あたしはアンタから一本取ったんだぞー!!」 杏子「だぁから実践の話しだっての!」 マミ「ちょ、ちょっとあなた達!?ここ狭いんだから……」 まどか「……ぷっ……あはははは!」 ほむら「……」クスッ さやかの背中を叩きながら話題に乱入する杏子 先程の少し重いムードは完全に消え去り、今は全員が向かい合わせで笑っている マミ「さぁ、そろそろ準備を………」 マミ「……………!!!」 杏子「ん?どうしたマミ?」 リボンを手に取り、上を見上げるマミ しかし突然先程まで笑っていたマミの顔が凍りつく マミ「………ま……ずい……わ」 さやか「え?」 地上と母艦を交互に何度も見るマミ その顔色はみるみる内に青くなる ほむら「………!?」バッ さやか「わっ!?ほ、ほむら?」 まどか「ほむらちゃんどうしたの?」 マミの反応を見て、ただ事ではないと察知したほむらが身を乗り出し、 マミと同じように地上と母艦を交互に見る まどか「?……あれ?これって……」 さやか「!……やばいじゃんか!!」 杏子「!! おいおいマジかよ!?」 そしてほむらに続いて状況を理解する三人 マミ「狙いが………狙いが逸れてる!!」 …………………………………… …………………………………… メビウス『み、見てください!あれ!』 目の前の超獣を吹き飛ばすメビウスが焦りながら空を指差す その先には母艦目掛けて一直線に飛んでいる ……はずの魔法少女達が入ったエネルギーボールが ジャック『狙いが逸れているのか!?』 ダイナ『ち、ちっくしょぉおお!!ここからいっきに追いついて……』 ゾフィー『いや、それでは間に合わん!!』 ドゴッ! 超獣『グギャッ!?』 エース『……ならどうすれば!?』 ゾフィーとエースが協力して超獣を退けつつ言い放つ ゾフィー『こうするんだ!!』 キュイン! マン『あれは……ウルトラサイン?』 ゾフィーによって空へ放たれた光が弾け、 ウルトラの一族の連絡手段である特殊な文字、ウルトラサインが空に輝く セブン『!!』 …………………………………… …………………………………… 風を切り、雲を突き抜けながら進むエネルギーボール その中で焦り、うろたえる五人の魔法少女達 母艦にぶつかるはずの球は既にその横を通り過ぎたにも関わらず、 全く勢いが衰えることがなかった さやか「うわあ!完全に通り過ぎちゃってるじゃんか!!」 まどか「どうするの!?このままじゃ……う、宇宙に飛び出していっちゃったり?」 ほむら「その前に大気圏で消し炭よ……!!」 杏子「冗談じゃねぇぞ!なんかないのかよマミ!?」 マミ「か、考えてるわよ!!けど……けど!」 必死に思考を巡らせる五人 しかしこんな状況でまともな答えなど出るはずもなかった 杏子「…………くそっ!」シュン さやか「ちょ、ちょっと杏子!?」 魔法で槍を作り出し、下向きに構える杏子 まどか「待って杏子ちゃん!何するの!?」 杏子「決まってんだろ!もうこうなった以上内側から割るしかねぇ!」 さやか「なっ!?なに馬鹿なこと言ってんのよ!正気!?」 杏子「このままじゃ全員揃って焼け死ぬぞ!!だったら少しでも可能性のある方に賭ける!」 杏子「ここから出ると同時に魔法で足場を作って一気に飛ぶ!!」 必死に杏子を抑え止めるまどかとさやか 滅茶苦茶な作戦だが杏子の目は覚悟に満ちていた しかしマミの言葉でその決意は揺れる マミ「無理よ!ここ地上何千メートルだと思ってるの!?外に出た途端全員別々に飛ばされるわ!」 ほむら「……でしょうね。それに足場を作ったところでここじゃろくに姿勢制御も出来ない」 杏子「っ……なら……ならどうするって言うんだよ!?」 マミ「そ、それは……」 ほむら「………」 ほむら(何か……何か策があるはず……!こんなところで諦めるわけには…!!) 魔法少女達が中で口論している間にも、 母艦との距離はどんどん開いていく その状況にほむらが唇を噛みしめ、なんとか策を見出そうとした その時 バシッ!! ほむら「ぐっ……!?」 杏子「おおっ!?」 マミ「きゃっ!!」 突然の強烈な衝撃 魔法少女達は球の底に這いつくばり、悲鳴を上げる さやか「え……え?」 まどか「止まっ………た?」 杏子の上に伸しかかった状態の二人が小さく呟く 先程まで焦りながら口論していた三人もぽかんと口を開けたまま動かない マミ「ど、どうなったの?」 ほむら「……とりあえずただ一つ分かる事は」 杏子「助かった……ってことか」 大きくため息をつき、球の中から辺りを見回す一同 凄まじい存在感を放ち続けるインキュベーターの母艦 そしてその遥か下にはうっすらと地上の色が見えた まどか「だけどどうして突然?」 まどかが小さくそう呟いた瞬間、頭の上から呆れたような声が返ってくる ???『片道切符の宇宙旅行たぁ派手なことする奴らもいたもんだな』 ほむら「!?」 咄嗟に上を見上げ、声の主を見つける魔法少女達 その視線の先には鋭い目つきの青いウルトラマン ウルトラマンゼロの姿があった ゼロ『やれやれだな』 さやか「わっ……また新しいウルトラマンだ!」 杏子(?……なーんか見たことある顔のような…) マミ「あ、あの……あなたが受け止めてくださったんですか?」 ゼロ『ん?あー、ちょっと待ってくれ』 キィイン… ゼロ『……おい、隊長さんよ。なんとか間に合ったぜ』 ゼロの姿を呆然と見上げる少女達をよそに、 当の本人は右腕でエネルギーボールを支えながら、空いた左腕を耳に当てて地上のゾフィーへテレパシーを送る 『うむ、ご苦労だったなゼロ』 ゼロ『ああ。一旦レオのジジイと合流するために宇宙へ戻ろうとしたらあんたのサインが見えてな』 『ゼロだと!?』 ゼロ『おおっと……この声は親父か!』 ゼロの脳内に響く声、それは彼の実の父の物であった 『どういう事だ!?なぜお前がこちら側の世界に……』 ゼロ『怒鳴るな怒鳴るな。まあ時間が無いから手短に言うとだな……』 ゼロ『向こうの事件が片付いてしばらくしたらよ、聞き覚えのある声が聞こえてな』 ゼロ『その声がこっちの世界が大変なことになってるって聞いて急いで駆けつけて来たわけだ』 『しかし駆けつけて来たと言っても次元の移動をお前はどうやって……』 ゼロ『声が消えたころにはでかいゲートが開いてたんだよ』 ゼロ『それで今はゲートが閉じないように向こう側の仲間に支えてもらってんのさ』 ゼロ『まあ光の国に着いた頃には親父たちは地球に出発した後だったけどな』 『むぅ……なるほど……やはり今回の一件にはヤプールやインキュベーター以外の何者かが――――』 自身の状況とこの世界に来た経緯をテレパシーでセブンに語る しかしそれはあくまでウルトラ戦士同士でのテレパシー会話なので魔法少女達には聞こえない つまり 今の魔法少女達にとってゼロは突然押し黙った謎の人物にしか見えなかった さやか「なんなんだろこの人……急に現れたと思ったら黙っちゃった」 杏子「おーいどうした?聞こえてるかー?」ブンブン ゼロ『! おお、悪いな』 杏子に手を振りながら呼び掛けられ、ようやくゼロが反応する 杏子「おっ、反応した」 まどか「あの……あなたは一体…」 ゼロ『俺か?俺は……そうだな……』 ゼロ『!……へへ』 おどおどした様子でゼロに尋ねるまどか その問いかけに答えようとしたゼロはまどかに聞こえないくらい小さく笑い、答えた ゼロ『俺ぁご覧の通りただの風来坊よ!』 まどか「?……風来坊さん…ですか?」 さやか「……怪しさ満点じゃん」 『こ、こいつ……』 自分の胸を叩き、得意げにそう言い放つゼロ 彼の頭の中にセブンの気恥ずかしそうな声が響く ゼロ『へへ……怪しさ満点だとよ親父』 『昔のことだ!……次の敵が来た、交信は終わりだ!』 ゼロ『ああ、気をつけろよ』 ゼロ『さぁて!事情は大体把握してる!あそこへ行きたいんだろ?』 ほむら「……この際怪しさなんてどうでもいいわ。あなたの言う通りよ」 マミ「私達は一刻も早くあそこに行ってヤプールを倒さなくては……」 地上との交信を絶ち切り、本題に入る ゼロの問いにマミとほむらは少し躊躇いつつも答える ゼロ『ヤプールか……お前らで本当に大丈夫なのか?』 杏子「なんだとぉ!?」 さやか「それっ!どういう意味!?」 ゼロの何気ない言葉に、 眉を吊り上げ、大声で反論する二人 ほむら「聞き捨てならないわね、今の言葉」 そして静かに反論する者が一人 ゼロ「…?」 ほむら「確かにヤプールは恐ろしい敵よ。初めて会った時に肌でそれを感じた」 ほむら「私は……何も出来なかった」 マミ「暁美さん……」 ヤプールと初めて出会ったあの日 何も出来ず、ただ目の前でまどかが連れ去られるのを見ていることしか出来なかったほむら その時の事を思い出し、 ヤプールに撃たれた胸を押さえ、目を閉じ、唇を噛み締める ほむら「けど…今度は負けない」 ゼロ『!!』 目を力強く見開き、ゼロを見上げるほむら ほむら「どんなに恐ろしい敵だろうとも、どんなに絶望的な状況だとしても……私達は諦めない」 淡々と語るほむら その目に迷いは無い ほむら「そうすれば必ず希望が見えてくる事を知っているから」 ゼロ『………』 ほむらの言葉を黙って聞き続けるゼロ そしてほむらは小さく笑い、振り返る ほむら「……心強い仲間もいるしね」 まどか「……うん!」 マミ「暁美さん……」 杏子「…ま、アタシ達もようやくほむらに心の底から認めてもらえたってことか」 さやか「あたしもバッチリ鍛えたからね!どんどん頼っちゃってよほむら!」 心強い仲間 その言葉を聞いた四人は少し恥ずかしそうに笑顔を浮かべる 今まで誰にも頼らず、一人で戦い続けて来たほむらの口からその言葉が聞けただけで、 ただ純粋に四人は嬉しかった ゼロ(仲間……か) ゼロ『そっか、悪かったな余計なこと言っちまって』 さやか「……まぁほむらが色々言ってくれたし」 杏子「許してやるか!」 先程まで怒っていた二人が胸を張り、腰に手を当て偉そうな態度を取る ゼロ『そりゃどうも……さーてお前らをあそこへ送るわけだが』 まどか「?」 顎に手を当てて、まじまじと少女達の姿を見つめるゼロ 彼の瞳に映る少女達 その体には至る所に傷が目立ち、やや頼りなく映っていた そしてゼロは唐突に左腕のゼロブレスレットを突き出す ゼロ『……母艦をぶっ壊すために溜めてたエネルギーの余りもんだが……お前らを全快にするくらいはあるだろ』 シュィイイン まどか「!……体の傷が!」 さやか「わ!?」 マミ「これは……ソウルジェムの穢れまで…」 ゼロブレスレットに蓄えられたプラズマスパークのエネルギーが魔法少女達に流れ込み、 その体の傷を癒し、穢れを浄化する ゼロ『ま、さっきのお詫びってやつだな』 杏子「サンキュー!あんた良いヤツだな」 ほむら「……助かったわ、ありがとう」 ゼロ『よし、じゃあやるか!』 ピタッ ウルトラ念力で球を宙に固定すし、体に力を込めるゼロ まどか「……あ、あれ?なんか想像してたのと違う…」 さやか「え?ちょ、ちょっと?普通に連れてってくれるんじゃ……」 ゼロ『悪いが俺も急いでんだ。一旦宇宙に戻って仲間を助けなきゃいけねぇ』 さやか「えぇーっ!?」 ほむら「………」スッ まどか「ほ、ほむらちゃん」 マミ「……」グッ 杏子「…まぁしょうがねぇな」 予想外のゼロの行動に さやかは驚きうろたえ、 ほむらはまどかを抱き寄せて衝撃に備えるために球の底に伏せる その隣ではマミはリボンを手に取り、杏子は諦めたような表情を浮かべる ゼロ『そぉおら行ってこい!!』 ドゴォッ! さやか「ま、またこのパターン……!」 まどか「っ……!」 ゼロ『頑張れよー!!』 宙に固定された魔法少女達を乗せた球はゼロに豪快に蹴り飛ばされ 地上から飛んできた時よりもさらに勢い良く飛び ドゴォオオン! 大きな音を立ててインキュベーターの母艦に突っ込む ゼロ『突入成功だな!』グッ 魔法少女達へ激励の言葉を掛けたゼロはその行方を見届け、 球が母艦へ無事突っ込んだところを見るとガッツポーズをして喜びを露わにする ゼロ『よし、急ぐか!』シュン そして宇宙で戦い続ける仲間達の所へと向かうためにゼロは飛ぶ しかし彼には一つの疑問があった ゼロ(しかし天下の大隊長殿も思い切ったことしたもんだ……ほぼ総動員とはな) ゼロ(たしか銀河連邦の決まりでは宇宙警備隊員がここまで大々的に関わった星の人間は………) …………………………………… BACKまどか「…ウルトラマン!」 16 NEXT まどか「…ウルトラマン!」 18
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667. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 22 41 21.91 ID cR9ldRxR0 QB「結果発表だね」 651 3票 こんなのでwwww 怖くて次のページをめくれません 絵本っぽいかも 650 2票 647 2票 不覚にも 645 1票 まどか「 651 さんが優勝だね!おめでとう!」 QB「みんな@みたいだから続行するよ。ところで僕も絵本読んでいいかな?」 まどか「だめっ!…次のお題は 670 で。」 670. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 22 42 06.83 ID LvHA0np90 VIPPERまどか 672. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 22 44 02.59 ID cR9ldRxR0 QB「次のお題は『VIPPERまどか』だね」 まどか「草がいっぱい生えそうだね…」 QB「時間は23 05までかな。よろしく頼むよ」 673. @ 2011/10/15(土) 22 47 18.13 ID SZotJyALP まどか「まどか「安価で1レスSS選手権!!」っと!スレ立て完了、ウェヒヒ今日も楽しみだよー」 674. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 22 52 49.74 ID uarCLn9NO まどか「『安価で新しい必殺技作ってマミさん釣ろうぜwwwwwww』」 675. @ 2011/10/15(土) 22 53 10.92 ID cMix1GpD0 まどか「見滝原に住んでる中学生♀だけど30分以内に500越えたらおっぱいうP…っと」 ほむら「ホムッ…」コソコソ… まどか「なんか一人ですごい数のレスしてる人がいる…」 ほむら「まどかっ、まどかっ!」カタカタカタカタカタカタ 676. @ 2011/10/15(土) 22 54 21.82 ID dllpT2d3O QB「安価をとったらまどかが契約してくれるって約束してくれたよ!」 QB「あ、外れた」カチカチ QB「ああっ、一つずれた」カチカチ QB「ぐああっ! コンマまで被って外し!?」カチカチ QB「くそっ! このっ!」カチカチカチカチカチカチカチ!!! マミ「もう寝なさい」ズボッ QB「ああっ!? コンセント抜くなんてひどいよ! わけがわからないよ!」 677. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 22 55 03.60 ID 5z190tvjP 「クソワロタwwww」の代わりに別なもの流行らせようぜwwwwwwww 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 22 52 40.29 ID Madocchi0 ウェヒヒwwwwwwwwwwww 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/10/14(金) 22 52 43.32 ID Homuhomu0 素晴らしいと思うわ 総レス数2 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています 678. @ 2011/10/15(土) 22 56 58.56 ID w68lp/K1O JC1年のVIPPERだけど質問ある? 1 以下、魔法少女にかわりましてVIPがお送りします 20XX/XX/XX(土) 22 57 17.79 ID MADOXXXX0 髪はピンク色だよ♪ 2 以下、魔法少女にかわりましてVIPがお送りします 20XX/XX/XX(土) 22 57 19.81 ID HOMUXXXX0 特定した 679. @ 2011/10/15(土) 22 57 02.40 ID NXEwdO720 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/15(土) 22 27 00.06 ID madomado0 [1/1] --世 界 終 了のお知らせ-- クリームヒルト・グレートヒェンという日本の由緒正しき魔女が、 驚異的な力を以って、日本時間10月16日の午前0時に マドカチュード9.8以上という人類史上最大の救済が、見滝原を中心として発生する 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/15(土) 22 32 01.27 ID kyubekyub [1/1] ボイランどこいった 680. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 22 58 42.62 ID iMWdjNGI0 まどか「逆立ち先輩ちーっすwwwwwww」 681. @ 2011/10/15(土) 23 01 32.32 ID d3TFnV0V0 さやか「いや、崖の上で仁王立ちしても別に強そうに見えないから」 682. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 03 21.15 ID cR9ldRxR0 まどか「この前初めて仁美ちゃんの家にいったんだけどさ…」 さやか「お、まじで?」 まどか「うん。なんていうか…待遇がすごかったよ…」 さやか「いらっしゃいませまどかお嬢様、みたいな?」 まどか「そうそう…ちょっとビックリしちゃった…」 さやか「そこはもっとVIPPERらしく強気でいけばいいのにー」 まどか「えぇー…それはさやかちゃんに任せるよ…」 683. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 05 22.51 ID cR9ldRxR0 QB「ふむ、時間切れだね」 まどか「23 15までに投票をお願いします!」 684. @ 2011/10/15(土) 23 06 02.80 ID cMix1GpD0 まど神空間 ほむら「こんな所で永遠に一人ぼっちなんて…」 まどか「ティヒヒ、ここからでも2chのVIP板には書き込めるみたいだからさみしくないよ」 685. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 06 38.61 ID 5z190tvjP 674 686. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 07 20.23 ID uarCLn9NO 677 なんかバグってるww 687. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 07 36.62 ID cR9ldRxR0 676 688. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 07 48.47 ID Ws8ER2eV0 674 いい 689. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 09 30.99 ID LvHA0np90 674 690. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 09 34.53 ID SZotJyALP 676 がんばれきゅべたん! 691. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 10 40.02 ID lRzf/agB0 { 673 投票はこっち 681 これか i i 692. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 10 49.85 ID NXEwdO720| 676 693. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/10/15(土) 23 16 29.50 ID cR9ldRxR0 QB「それじゃ結果発表さ!」 674 3票 いい 676 3票 がんばれきゅべたん! 673 1票 677 1票 なんかバグってるww まどか「 674 さんと 676 さんの同着優勝だね!おめでとう!」 QB「それじゃ進行を 674 さんにお願いしようか」
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ゆぎおん!ストーリーWIKIへようこそ♪ このWIKIではゆぎおん!掲示板に於けるストーリーについて書き込まれています。 ストーリー参加者及び新規加入希望者の為に広く門戸を広げる為に設置されています。 ゆぎおん!ストーリーWIKIあらすじ 舞台は日常世界。違うのはその世界には剣も魔法のファンタジックも重火器全般、どのような超科学、異質、異能、特異な能力でも『日常』として受け入れられてしまう世界。 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 無料で会員登録できるSNS内の@wiki助け合いコミュニティ @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください @wiki助け合いコミュニティの掲示板スレッド一覧 #atfb_bbs_list その他お勧めサービスについて 大容量1G、PHP/CGI、MySQL、FTPが使える無料ホームページは@PAGES 無料ブログ作成は@WORDをご利用ください 2ch型の無料掲示板は@chsをご利用ください フォーラム型の無料掲示板は@bbをご利用ください お絵かき掲示板は@paintをご利用ください その他の無料掲示板は@bbsをご利用ください 無料ソーシャルプロフィールサービス @flabo(アットフラボ) おすすめ機能 気になるニュースをチェック 関連するブログ一覧を表示 その他にもいろいろな機能満載!! @wikiプラグイン @wiki便利ツール @wiki構文 @wikiプラグイン一覧 まとめサイト作成支援ツール バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、メールでお問い合わせください。
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…………………………………… ~宇宙~ 地上で戦士達が戦い続ける中 宇宙から地上に降下しようとしていたウルトラ戦士達は突如発生した瘴気に行く手を阻まれ、 事態をどうにか好転させようと瘴気に攻撃を続けていた アストラ『レオ兄さん!』 レオ『分かっている!ダブルフラッシャーでいくぞ!!』 バシュゥゥウ!! 弟であるアストラの掛声とともに、 兄弟の力を合わせて発射する合体光線ウルトラダブルフラッシャー 稲妻のような赤い光線が見滝原上空を覆う瘴気に向かって放たれる ゼロ『こいつで……どうだぁああっ!!』ドンッ! 兄弟の合体光線に続きゼロが胸に装着したゼロスラッガーにエネルギーを集束させ、 必殺のゼロツインシュートを放つ 重なり合う赤と青の閃光が漆黒の瘴気に向かって突き進む しかし シュゥン…… ゼロ『なっ、なにぃっ!?』 レオ『この攻撃でも駄目なのか……!』 三人の合体光線は闇に飲まれて消滅し、 闇の瘴気はなおも少しずつその範囲を広めて地球の空を侵食してゆく ヒカリ『くっ……攻撃も通じないうえテレパシーの念話すら遮断されるようだ!』 タロウ『我々の攻撃をことごとく無効化するこの瘴気……一体地球で何が起こっているんだ?』 …………………………………… …………………………………… ~異次元空間~ クリームヒルト「ォォオオオ………!!」 太く、長く、大樹の枝のように巨大な右腕をゆっくりと上げ、 真っ直ぐに立てた人差し指が魔法少女達に向けられる その指先に集束するどす黒い絶望のエネルギー クリームヒルト『さあいくぞ!せいぜい楽しませてもらうとしようか!!』 バシュッ! 弾かれるように放たれる闇を纏った毒々しい色の光弾 町の中心部から町の外れにいる魔法少女達を狙った長距離射撃、 だがその巨体ゆえに、距離を全く感じさせない 杏子「なん……だよ!あのデタラメな攻撃!!」 さやか「あの光弾……で、でかすぎるでしょ!?」 指一本分といってもそれは山の様な巨体 クリームヒルトにとっては手を抜いた一撃であっても、 魔法少女達にとっては桁外れの質量をもった恐るべき攻撃だった マミ「暁美さん!アイツとまともに戦うための方法は!?」 まどか「ほむらちゃんっ!!」 ほむら「そんなもの……な、ない……あれは……倒せない…!」 驚愕するさやかと杏子の後ろでマミとまどかがほむらに詰め寄るが、 彼女はただ蹲り、体を震わせ依然怯え続けていた ほむら「ここまできたのに……何度もやり直したのにっ……」 ほむら「結局……何も変わらなかった……!」 ほむら「もう私には何も出来ない……運命なんて変えられないっ……!!」 杏子「っ……お前ぇ!!」 マミ「やめて佐倉さん!今はそんなことをしてる場合じゃないでしょう!?」 震えながら弱音を吐き続けるほむらに杏子は激昂し彼女の胸倉を乱暴に掴み、 それを見たマミが必死で制止する 杏子「……ちっ!!」 ほむら「……」 さやか「ほむら……なんで……」 杏子の手から解放されたほむらは情けなくその場にへたり込み、 再び頭を抱えて震えだす その今までのほむらとは違う恐怖に怯えた姿を見たさやかは、 どうしようもない悲しみを感じる それと同時に、 どんな不利な状況でも戦い続けてきたほむらの諦め切った様子を見て、 一同は現在の絶望的な状況を痛感せざるを得なかった ゴゴゴゴ… マミ「!!」 まどか「!……このぉっ!!」パシュッ そうしている間にも轟音を響かせながら迫る光弾 それに反応したまどかは咄嗟に魔翌力を込めた矢を光弾に向けて放つ ドバンッ!! まどか「えっ!?」 マミ「拡散した!?」 まどかの矢が目標を貫くも、 風船のように弾けた巨大な光弾からはさらに小さい光弾が飛びだし、周囲に拡散する まどか「駄目……止まらない!!」 杏子「くそっ!行くぞさやか!!」 さやか「……分かってる!」 武器を構え、 迫り来る光弾に向かって一気に跳躍する二人 剣と槍に魔翌力を纏わせ一心不乱にそれを振るう ズババババッ! 杏子「だぁあああっ!!」 さやか「止ま……れぇぇええええーーーっ!!」 散らばった無数の光弾はまるで生き物のように向きを変え、 二人の魔法少女に向かって一斉に突撃する 杏子とさやかは空中で身を捩らせながらそれらを避けつつ、 それぞれの武器で次々に叩き落としていく ピシッ さやか「!? や、やばっ……」 しかし限界に達するのは体よりも武器の方が早かった 大量の光弾を受け続けた細身の剣には大きな亀裂が走り、 それを狙っていたかのように光弾はさやかへと集中して降り注ぐ ドガガッ!! さやか「ぐっ、うぁあああ!!」 杏子「! さや……がはっ!?」 爆発とともに剣は砕け、 その爆風でさやかは豪快に吹き飛ぶ そしてそれに一瞬気を取られた杏子もまた背中に光弾を受け、 二人は墜落し、地面に叩きつけられる さやか「ぐ……ぁ」 まどか「危ない!!」ダッ マミ「くっ……」シュン ほむら「………」 地面に這いつくばる二人を見て、 まどかは叫びながら駆け出し、マミは焦りの表情を浮かべながら魔翌力で武器を生成する その後ろで、 ほむらは呆然自失といった状態のままその光景を虚ろな瞳のまま眺めていた まどか「二人とも早く!また光弾が襲ってくる!」 地に伏したままの二人の元へ駆け寄り、 まどかは杏子に肩を貸し立ち上がらせる 苦痛に歪む表情を浮かべる杏子 その背中は光弾の直撃を受け、 黒く焼け爛れた傷跡が生々しくむき出しになっていた 杏子「くっ…ぅ……あ、アタシはいい……それよりさやかを……」 まどか「! さ、さやかちゃんっ!!」 痛みに耐えながら杏子が指で指示した先、 そこには全身に傷を負い倒れたまま動かないさやか まどか「今そっちに……!」ザッ まどかは杏子を支えたままさやかの元へと向かうも、 無情にも残りすべての光弾が向きを変えて三人に降り注ぐ シュシュシュン! まどか「あ……!」 杏子「ぼ、防御を……ぐっ!?」ドシャ 槍を構えて守りの姿勢を取ろうとする杏子 しかし鋭い痛みに襲われ槍を手放し、 まどかの手から滑り落ちるように地面に倒れる まどか「くっ!!」ガバッ 杏子「なっ……お、お前!?」 さやか「………」 驚きに見開かれる杏子の瞳 まどかは倒れた二人の魔法少女の上に覆い被さり、 その身を挺して迫り来る攻撃からさやかと杏子の盾となる 杏子「馬鹿野郎!これだけの攻撃が当たればお前……!!」 まどか「っ……!!」 下を向いたままきつく目を閉じ、 まどかは全身に力を入れる ドガガガガガァン!! 周囲の建物を破壊しながら巻き起こる大爆発 そして巻き上がる土煙 まともに当たれば少女三人などバラバラに吹き飛ばしてしまうほどの威力 だが…… まどか「……あ……れ?」 杏子「………ん?」 耳を劈く爆音に反して、 いつまで経っても訪れない体の痛み 訝しく感じたまどかと杏子の二人が恐る恐る目を開き、辺りを見回す まどか「? これは……」 杏子「……!」 最初に二人の目に入ったのは自分達を囲む青い障壁、 それを見た杏子は一瞬で状況を理解し、起き上がって声を上げる 杏子「このバリアー……マミか!?」 杏子が振り向いた先にはメテオールショットを構え、 額の冷や汗を拭うマミが立っていた マミ「キャプチャーキューブ……なんとか間に合ったみたいね」 マミによって魔翌力で生み出されたメテオールショットから放たれる複数の光の帯 それが連結して青い多面体のバリアーを形成し、 迫り来る光弾から三人を守っていた シュゥウ… マミ「治療をするわ!二人とも傷口を見せて!」 杏子「はぁっ……」 まどか「よ、よかった……」 粒子となって消滅するバリアー なんとか危機を脱し息を吐く二人 そこへ駆け寄って来たマミが杏子とさやかの治療を始める 杏子「間一髪ってところだな。サンキューマミ」 さやか「っ……ぅ…ん?」ピクッ まどか「あ!マミさん、さやかちゃん目覚ましたみたいですよ!」 マミ「ええ……」 まどか「? マミさん、どうしたんですか?」 さやかの快復をを喜ぶまどかの表情が明るくなるが、 マミと杏子の表情は未だに少し暗い それを不思議に思ったまどかが問い掛ける しかしそれに答えたのはマミではなく杏子だった 杏子「ちょっと驚いてんのさ……あの馬鹿でかい魔女の力に」 まどか「え……」 傷が完治した剥き出しの背中を手で擦りながら、 杏子は遠方に山のようにそびえ立つ魔女を睨み付ける マミ「あの異常なまでの攻撃翌力……長引けばこちらはどんどん不利になるわ」 杏子「アタシもあの飛び散った小さい光弾一発で意識が持ってかれそうになったしな……」 まどか「じゃ、じゃあどう戦えば……」 さやか「……そんなの決まってるじゃん」 不安で怯えた表情のまどかの後ろで、 ゆっくりと立ち上がる青い魔法少女 まどか「! さやかちゃん、もう大丈夫なの!?」 さやか「傷の治りが早いのよこれが」グッ 笑顔を見せながらまどかの肩に手を置き、前に進み出るさやか 杏子「それで?その戦い方ってのは?」 さやか「……一気に懐に飛び込んでひたすら攻撃……かな?」 杏子「……そう言うと思ったぜ」 額に手を当て、 ため息を吐きながらやれやれと頭を振る杏子 杏子「けど……ま、それしかねぇよな」 マミ「というよりこの距離じゃどうしようもないしね……接近しましょう」 それぞれの武器を魔法で作り出し、 立ちあがってクリームヒルトを睨みつけるマミ、杏子、さやかの三人 周囲に立ち込めていた土煙はもう晴れ始めていた マミ「それから鹿目さん……あなたは暁美さんを安全な場所へ連れて行ってあげて」 まどか「えっ!?わ、わたしも一緒に……!」 虚ろな瞳のままぼんやりと虚空を見つめるほむらを見つめ、 マミがまどかに言い放つ その言葉にまどかは驚き、マミに詰め寄る マミ「……残念だけど今の彼女は戦える状態じゃない」 杏子「ここもあいつの射程内だしな」 さやか「ほーらっ!今度はあんたが守ってあげな!」 まどか「……うん」 深刻な顔で頼むマミと、 明るい笑顔を作りまどかの背中を叩くさやか まどかは仲間の頼みを受け、解せぬ思いを抱きつつもそれを受け入れる まどか「それじゃあほむらちゃん一緒に……」 ほむら「! ひっ……!?」ビクッ まどかがほむらを立ち上がらせようと手を握った瞬間、 ほむらの体は電流が流れたかのように跳ね上がり、小さく声を上げて再び震えだす まどかは驚き、思わず手を引っ込める まどか「あ……ご、ごめん!」 ほむら「う……ぅぅ……」 まどか「……ごめんね」 今度は驚かせないようにゆっくりとほむらの手を取って立ち上がり、 クリームヒルトとは反対方向に体を向ける まどか「それじゃあマミさん……わたし行きます」 マミ「ええ、お願いね……」 ほむら「………」 まどか「でっ、でもほむらちゃんを避難させたら絶対わたしも戦いますからっ!!」ダッ ほむらを連れて遠くへ駆け出していくまどか その場に残された三人の魔法少女達はその背中を見送りながら、 それぞれの胸に悲しい思いを抱いていた さやか「ほむら……どうしちゃったのよ……」 杏子「まさかあいつが真っ先に諦めちまうなんて……想像もしてなかったよ」 マミ「きっと彼女をそうさせてしまうほどあの魔女は恐ろしい存在ってことなんでしょうね……」 三人はやり切れない思いを残しながら、 再び魔女へと向き直る 杏子「まどかを守りたいってあれほど言ってたのにな……信じたくねぇよ」 マミ「彼女のその思いは砕かれてしまったのかしら……」 さやか「………」 マミ「……行きましょう……!」 ダッ 負の感情を振り払う様に声を出し、 遥か遠方のクリームヒルトを目指し、一気に駆け出す さやか(ほむら……あんたは……あんたはそうじゃないでしょ……!?) …………………………………… …………………………………… ~見滝原~ シュゥウ… マン『……駄目だ。いくら光線を撃ったところで全てかき消されてしまう』 ゾフィー『不味いぞ……このままではこちらが一方的に消耗していくばかりだ……』 闇の瘴気に包まれる見滝原 ウルトラマン達は上空の穴に向けてひたすら攻撃を続けていたが、 その全てが瘴気にかき消されて届かない 一同の残り少ない体力ではこれ以上攻撃を続ける事すらも難しい セブン「デュワッ!!」 ジャック「ジェアァッ!」 シュイン! セブンが頭部のアイスラッガーを穴に向けて投げつけ、 ジャックもそれに続いてブレスレットを光刃にして放つ 光線とは違う切断能力を持つ技が空気を切り裂き突き進む バチッ! ジャック『くっ……』 セブン『これでも駄目か!?』 しかし二人の攻撃は見えない壁に阻まれたかのように弾かれ、 再び持ち主の元へと戻る エース『どうする……!?こちらの攻撃はもうほとんど……』 メビウス『僕達のエネルギーも吸い上げられていく……兄さん達、このままでは!!』 マン『………』 …………………………………… …………………………………… ~異次元空間~ クリームヒルト『ほう、こちらに向かってきたか』 女神の胸部に位地するヤプールの顔面 その機械のように不気味に光る緑色の瞳が、 ビルとビルの間を凄まじい速さで駆け抜けてくる三人の姿を捉える クリームヒルト『馬鹿な奴らだ。大人しく殺されていれば苦しまずに済むというのに』 ゴゴゴゴ…… 魔女の下半身に生えた無数の触手のような根が、 まるでそれぞれに意志があるかのように動き始める それらは立ち並ぶ建物の外壁を砕き、地面を突き破り、 砂煙を巻き上げながら、迫り来る三人の魔法少女達を迎え撃つ クリームヒルト『鹿目まどかと暁美ほむらが見当たらんな……』 魔女がその巨体を駆使して町中を見渡し、 残り二人の姿を探す クリームヒルト『力を失った鹿目まどかなど取るに足らん存在だが……暁美ほむらはなんとしてでも殺さねばな』 インキュベーターの母艦内での戦いを思い出し、 憎しみを増大させる クリームヒルト『……まああの三人を見せしめに始末するのもいいだろう』シュン 右腕にエネルギーの塊を作り出し、狙いを定める その間にもクリームヒルトの体からは、 絶え間なく闇の瘴気が噴き出し、辺りをさらなる暗黒へと染め上げていた …………………………………… …………………………………… ドゴォン! マミ「!! 来たわ!」 さやか「あれは……木の根っこ?」チャキッ 杏子「どうやら歓迎されてないみたいだぜ!」ジャキン 疾走する魔法少女達の前方から、 無数の根が鞭のようにしなりながら一斉に出現する それに反応し、 武器を手に取り、足を止めることなく押し寄せる根に少女達は正面から突撃する さやか「たぁぁああああーーー!!」 杏子「ブッた切れろぉおおーーーーっ!!」 ズババババッ!! 丸太のようなものからホースのような細いものまで、 あらゆる太さの触手が二人の魔法少女の攻撃によって次々と斬り飛ばされ、 一斉に宙を舞う さやか「どうだっ!!」 杏子「よーし!このまま一気にアイツのとこまで行くぞ!!」 マミ「二人とも、次が来るわ!!」 銃を出現させてマミが叫ぶ その言葉と同時に千切れ飛んだ根の後ろから、 少女達の前方を埋め尽くすほどの新たな根が押し寄せてくる さやか「! さ、さっきより多いよ!?」 杏子「ちぃっ……ならここは避けて―――」 ドゴォン! 杏子「なっ!?」 杏子が舌打ちを一つ鳴らしながら右方向のビルに飛び込もうとした時、 待ち構えていたように壁を突き破り、大量の根が出現する さやか「杏子、避けて!!」 杏子「し、しまった……!」 バァン!! 槍を突き出し防御の構えを取る杏子 しかし一発の銃声とともに根は吹き飛び、 杏子に襲い掛かることは無かった マミ「佐倉さんそこから離れて!」バンッ 杏子「わ、悪い……また助けられちまったな」 すぐさま体勢を立て直す杏子 銃を構え直したマミが杏子に迫る根を次々に撃ち落とし、 その攻撃を許さない ドゴゴゴゴ…… さやか「!? こっちからも来た!!」 左方向から建物の壁を突き破り、 新たな根が逃げ道を少しづつ削るように出現する 杏子「やべえな……左右の道も塞がれちまってる」 さやか「……もう後ろに退くしかないじゃん!!」 杏子「駄目だ!ここで退いたらそのまま押し切られるぞ!!」 さやか「じゃあどうするの!?突っ込むの?アレに!?」 勢い良く迫り来るおぞましい数の根 前方からは絡み合った根が壁のように迫り続け、 左右からは触手のように蠢く根が今まさに三人に襲い掛かろうとしている そんな状況にさやかは絶望の声を上げる マミ「……美樹さん、佐倉さん!援護を!!」 さやか「!?」 そんな危機的状況の中で声が飛ぶ それを聞いて振り返る二人の視界に真っ先に入ったのは、 巨大な砲台を作り出して狙いを定めるマミの姿 杏子「正面突破ってわけか……!!」 さやか「……よぉし!」 ザシュッ! 咄嗟にマミの意図を理解した二人は地面を蹴って彼女の元へと飛び、 マミを狙う根を速攻で斬り落とす マミ「ティロ……」 さやか「マミさん、お願いします!」 杏子「今だ!いけマミ!!」 マミ「フィナーレッ!!」 ドバァアアン!! マミの放った魔翌力を纏った弾丸が根の塊目掛けて一直線 鋭い爆音を響かせ、 壁のように密集し、行く手を遮る根に巨大な風穴を開ける マミ「道が開けたわ!行きましょう!!」 さやか「さすがマミさん!」 杏子「そらいけっ!!」 ダッ! 一斉に少女達は穴に飛び込み、 その数秒遅れで先程まで彼女達のいた場所に振り下ろされる無数の根 弾け飛ぶ周囲の瓦礫と舞い上がる砂ぼこりが、 その破壊力を物語っていた 杏子「よっ……と!」 さやか「アイツのとこまで……あと半分くらいかな?」 マミ「行きましょう……さっきの根が向きを変えて来る前に」 穴の向こう岸まで辿り着く三人は休む間もなく、 再び大地を蹴り、一気にクリームヒルトへと向かう 危機を脱した事で少女達の中に小さな自信と希望が生まれ自然と足取りが軽くなり、 先程の根達をぐんぐんと引き離してゆく しかしその希望も長く続くものでは無かった マミ「うっ……?」 突然マミが足を止めて立ち止まり、 胸を押さえて小さく呻き声を上げる さやか「マミさん……?」 杏子「マミ、どうした!?」 前を走る二人も足を止め、苦しげな表情のマミを振り返る 杏子「……まさかお前!さっきの攻撃で魔翌力使いすぎたんじゃ……!!」 さやか「えっ!?」 マミ「い、いえ……そんなはずは……」 ドゴゴゴ… 駆け寄ってくる二人を手で制すマミ その背後から、 三人の動きが止まった瞬間を狙ったかのように建物から根が飛びだし、 少女達を狙う 杏子「! 危ねぇっ!!」 マミ「あっ……!?」ドシャッ 頭上をかすめる一撃 咄嗟に飛び出した杏子がマミを押し倒し、 二人は間一髪のところで回避に成功した さやか「マミさんっ!杏子!……くっ……こいつっ!!」チャキッ 蠢く根を睨み付け、 さやかは剣を振りかぶり、その刀身に青く輝く魔翌力を集束させる そこから繰り出される斬撃は彼女の目の前の根などいとも簡単に切断できる はずだったのだが…… ガッ! さやか「な………か、堅いっ……!?」 振り下ろされた剣は根に深く食い込み、切断には至らない さやかは両手に力を込めて剣を引き抜こうとするも、 中程まで食い込んだ剣はそう簡単には抜けない シュルルッ さやか「あっ!?や、やば……」 杏子「さやか!離れろっ!!」 さやか「!!……」 ドガッ! 杏子の声に反応し、 剣から手を離し、後ろに飛び退くさやか 次の瞬間、地面に倒れたままの姿勢から杏子が槍を投擲 さやかを狙おうとした根は千切れ飛び宙を舞う 杏子「何やってんだ!あんな根っこさっきまで斬れてただろ!?」 さやか「ち、違うよ!なんかあの根っこ急に堅く……」 起き上がり、 地面に転がる根の破片を視界に捉えながらさやかの手を取り立ち上がらせる さやか「あ、あれ………?」ガクン 杏子「!……さやか?」 杏子の言葉に反論しようとするも、 さやかは彼女の腕から滑り落ち、地面に膝を着く 杏子「……おい冗談だろ?まさかお前も魔翌力を使いすぎて……!」 さやか「そ……そんなワケないじゃん!あたしはまだ……!」 シュルルッ 杏子「!……んの野郎!!」ジャキッ 間髪入れずに出現する無数の根に対し、 杏子は唇を噛み締めて槍を拾い上げる 杏子「いい加減うぜぇんだ……よぉぉおおーーーっ!!」 ドガガガッ!! 炎のように燃える赤い魔翌力を帯びた槍を横薙ぎに振るい、 衝撃波のように斬撃が飛ぶ 杏子とさやかに迫る根は纏めて吹き飛び、跡形も残らない 杏子「はぁっ……はぁっ……どうだっ!何本来ようが纏めて吹っ飛ばしてやる!!」 周囲に蔓延る根を一掃し、 額の汗を拭いながら大声で捲し立てる 杏子「ッ……はぁ……はぁ……」 さやか「……杏…子?」 膝に片手を置き、 汗を滴らせながら肩で息をして、いかにも苦しげな表情の杏子 そんな彼女にさやかは奇妙な違和感を覚える さやか「ど、どうしたの?あんたどっか苦しいの?」 杏子「っ……馬鹿言え!あれくらいの攻撃でアタシがへばっちまうとでも……」 マミ「……待って!」 心配そうに顔を覗き込みながら手を伸ばすさやか 杏子はその手を払いのけ、声を荒げてさやかに反論しようとするも、 起き上がったマミに制止される 杏子「……んだよマミ」 さやか「マミさん?」 マミ「……周りを見て」 マミに促され、二人は自分達の周囲を見回す 目に入ったのはお互いの姿、根の破片、荒れ果てた町並み そして…… さやか「なに……?この黒いの?」 杏子「瘴気か……?いつの間にこんな……」 シュゥウ… 杏子「!?……な……に!」 辺りに蔓延するどす黒い闇の瘴気 それが赤い魔翌力を纏う杏子の槍に纏わりつき、 その輝きを奪い去る 杏子「どういうことだ!?アタシの魔翌力が……!」 冷や汗を浮かべ、 杏子は驚きの表情のまま手に持った槍を見つめる さやか「!……もしかしてさっきのも!?」 マミ「そうよ、根が堅くなったんじゃない……私達の力がこの瘴気に吸い上げられている」 クリームヒルト『はははは!気付くのが少し遅かったな!!』 杏子「!!……」 マミ「!! 避けてっ!」 異次元空間全体に響き渡る声 それに反応して空を見上げた少女達の視界に入ったものは、 一斉に降り注ぐ血のように赤いレーザー光線 マミが二人に向かって叫ぶが、間に合わない ドガァァアアン!!! さやか「うぁぁああああっ!?」 杏子「ぐっ、ぅうああぁぁ!?」 その場から飛び退いて回避を試みる少女達 しかし凄まじい爆風と衝撃に、 三人の体は風に吹かれた木の葉のように為す術もなく吹き飛ばされる クリームヒルト『はぁーーーっはははははは!!』 ドゴゴゴゴゴ…… 続けざまに空から降り注ぐ無数の閃光は、 建物を次々に倒壊させ、道路を破壊し、街路樹を焼き払う 崩れゆく町並みはまさに地獄絵図 クリームヒルト本体が放つ攻撃は、 たった一度で少女達の見る光景を一瞬にして変貌させてしまうほどの破壊力を持っていた クリームヒルト『くくく……さぁて何人死んだかな?』 業火に包まれる町を見下ろし、 心の底から悪魔は不気味な笑い声を漏らす …………………………………… …………………………………… まどか「……うっ……く……ぅ?」ピクッ 魔女から遥か遠くに離れた場所、 まどかがさやかや仁美達と毎日学校へ通うための通学路 作り出された偽りの異次元空間だとしても、 道の脇に流れる水路も生い茂る木々もその美しさは変わらない しかしこの場所も、 魔女の攻撃により酷く荒れ果てた光景に変わっていた まどか「!……わたし……気絶してた…?」 慌てて起き上がり、 まどかは周囲を見回すと同時にその変貌ぶりに絶望する まどか「あれ……?」 だが彼女にとって、 本当に絶望的な事実はそこから遅れてやってきた まどか「ほむらちゃん……?ほむらちゃん……!?」 仲間達に頼まれ、 先程まで手を引いて一緒に逃げてきたほむらの姿が どこを見渡せども見つからない まどか「ほむらちゃんっ!どこ!?」 体から嫌な汗が滲み出るのを感じ、 まどかは彼女の名前を必死で叫びながらその姿を探す しかし視界に入るのは、 根元からへし折れて倒れた木々達、滅茶苦茶に散乱した瓦礫 そしてその瓦礫に埋め尽くされ、流れの止まった水路 まどか「どうして!?……た、たしか空から光線がたくさん降って来て……」 まどか「爆発が起こって……わたし達はそれに吹き飛ばされて……」 気絶する寸前の記憶を何とかして思い出そうとするも、 まどかの頭の中は嫌な考えでいっぱいになり、どんどん顔色が青ざめていく まどか「いや……いやっ!ほむらちゃんっ!!」 まどかは負の思考を振り払い、 ほむらの名を叫びながら走りだす …………………………………… …………………………………… ガラガラガラ…… 杏子「っ………生きてるか……マミ?」 マミ「……なんとか……ね」 体に圧し掛かった瓦礫を押し退け、 息も絶え絶えといった様子でゆっくりと立ち上がる杏子とマミ 二人の下に散らばった瓦礫の上には、 全身の傷口から滴り落ちる血の跡が点々と続いていた さやか「はぁっ……はぁっ……うっ…く……」ドッ 二人から少し離れたところで、 さやかはだらんと垂らした左腕を右手で押さえ、建物の壁にもたれ掛かっていた 大量の血が付着したマントはズタズタに裂け、もはや原形を留めていない さやか(傷の治りが……遅い……あいつに力を奪われてるんだ……) 激痛に顔を歪ませながら魔女の姿を睨みつける クリームヒルト『全員生存か……ここまで生き残ってきたのはやはりまぐれでは無いな』 マミ「う……く…」 杏子「ちっ……」 さやか「あいつっ……滅茶苦茶だ……」 クリームヒルト『ふぅむ……ここで貴様らを始末することは簡単だが……』 自身の眼下で足掻き続ける三人を見下ろす魔女 絶望に染められながらも、 彼女達の瞳の奥には力強い抵抗の意思が感じられた 杏子「下種野郎……が……」 さやか「なんとかして……先に……行かなくちゃ」 クリームヒルト『どうせならその瞳を絶望で染めてやりたいものだな』 キィイイン… 女神の胸部に位置するヤプールの顔面 その緑の両眼が妖しく輝くと同時に、 鉄の擦れるような不気味な音が町中に響き渡る マミ「……ぐぅッ!?」 杏子「なっ……!?」 さやか「あ……頭が……!!」 直後、少女達に奔る強烈な頭痛 頭の砕けるかと思うほどの痛みに思わず膝を着く クリームヒルト『………』シュン さやか「くぅぅうううぁあああ……っ!!」 杏子「なんっ……だよぉおお!!」 不快な音は鳴りやむが、 三人は激痛に苛まれ、それに耐えられず頭を抱えて地面をのたうち回る そうしている間にも周囲の瘴気は少女達を蝕んでゆく マミ「あ……ぅううっ……」 シュゥゥウ マミ「……!?」 朦朧とする意識の中、 薄れゆくマミの視界がありえないものを捉えた それはマミにとっては一つのトラウマとも言えるもの 自身を追い詰めたお菓子の魔女の姿だった 魔女『………』 マミ「な、なんっ……で……!?」 痛みに耐えつつおぼつかない足取りで立ち上がり、 マミは自分を凝視してくる魔女との間合いを取ろうとする 魔女『………』グバッ マミ「あ………」 しかしマミが一歩後ろに退いた瞬間 かわいらしい人形の姿の魔女の口から大蛇のような凶悪な生物が吐き出され、 マミの首目掛けて飛ぶ マミ「い……いや……」ガチャッ 咄嗟に足元の銃を拾い上げ、 大口を開けて迫る魔女へとその銃口を向ける だが、錯乱した状態でまともな狙いなどつくはずもない それでもマミは目に涙を溜め、 恐怖に絶叫しながらマスケット銃の引き金に指を掛ける 魔女『………』 マミ「いやぁぁああああああーーーーーーっ!!!」 バァン!! マミ「はっ!?」ビクッ 鳴り響く銃声 それと同時にマミは夢から覚めたように体を跳ね上がらせ、 目を大きく見開く 目と鼻の先まで迫っていたお菓子の魔女の姿は消え去り、 まるで幻でも見ていたかのような錯覚に陥る 杏子「っ……んぅ……?」 さやか「あれ……頭痛が……」 三人を襲う頭痛はいつの間にか消え、 マミの後ろでさやかと杏子が頭を押さえながら立ち上がる 杏子「! おいマミ!どうしたんだ!?」 さやか「マミさん?」 マミ「私は……何を……?」 銃を構えたまま呆然と立ち尽くすマミを心配し、 二人が彼女の肩を掴んで呼び掛ける クリームヒルト『……今の幻術から抜け出したか』 杏子「幻術だと!?どういうことだっ!」 不意に放った魔女の言葉に食って掛る杏子 クリームヒルト『言った通りの意味だ。佐倉杏子、貴様が私に使った幻術……それのちょっとした真似事だ』 マミ「やっぱり……あれは幻だったのね」 さやか「嘘……あいつそんなことまで……」 クリームヒルト『当然だ。貴様ら人間に出来て私に出来ないはずがないだろう?』 驚愕する二人を見下ろしながら得意げに言い放つ魔女 だがその言葉に反論する少女が一人 杏子「へっ!自身満々なのは結構だがアンタの幻術あっさりマミに撥ね退けられてんじゃねーか!」 クリームヒルト『そうだな。そこで私は考えたのだが……』 ボゴォッ!! 三人の魔法少女の背後に響く轟音 道路のコンクリートを突き破り、 地面から高層ビルの高さまで到達するほどの長い根が一斉に出現 まるで一本一本に意志があるかのように横一列に並んだ根は巨大な壁を作り上げ、 少女達の退路を完全に遮断する さやか「なっ!?」 杏子「!……これで逃げるのは無理ってわけか……」 マミ「どういうつもりなの!?」 クリームヒルト『貴様らを始末し、その全てを私の中に取り込んでやろう』 闇の瘴気を全身に纏いつつ、 慌てふためく少女達を見下ろし悠然と言い放つ マミ「吸収する……ってこと?」 杏子「ふざけんな!!」 さやか「っ……冗談じゃないわよ!誰がアンタなんかに!」 クリームヒルト『貴様らの意志などどうでもよいのだよ!これは私が決めた事だ』 三人は激しい言葉と態度で向かっていくも、 魔女は一蹴 それ以上の反論を阻止するかのように根の壁がゆっくりと前に進みだす マミ「!?」 クリームヒルト『どうした?逃げ道は無いと分かった以上貴様らのやる事は一つだろう?』 杏子「く……ちくしょうっ!!」 さやか「!! マミさん、行きましょう!」 ダッ 迫り来る壁から逃れるために駆け出す三人 だが彼女達の行く先に待っているのは更なる絶望の塊 少しずつ力を奪われながら逃げることも立ち止まることも許されず、 勝ち目の無い戦いに身を投じる そんな少女達の唯一の希望は、町の外れへと逃がした二人の魔法少女 杏子「アタシ達が先行する!マミ、アンタは距離を開けてついてこい!!」 さやか「援護お願いします!マミさん!」 マミ「分かったわ……二人とも気をつけて!」 廃墟の町を駆けながら指示を飛ばす杏子 それは少しでも生き長らえるためのささやかな抵抗 しかしそんな彼女達を嘲笑うかの如く、悪魔は囁く クリームヒルト『おおっとそうだ!いい事を教えてやろう』 さやか「なによっ!まだ何かあんの!?」 杏子「もうアイツの言葉に耳を貸すな!ロクなことにならねぇ!!」 傷付いた体に鞭打ち、 襲い来る根を渾身の力を込めた斬撃で次々に切断し、疾走する三人 そこへ告げられる恐怖の言葉 クリームヒルト『先程の幻術、貴様らはなんとか撥ね退けたようだが……精神が弱りきっているあの女はどうだろうな?』 杏子「……!」 さやか「!!……そ、それって……!」 精神が弱りきった少女―― その言葉を三人は一瞬の内に理解し、 マミが咄嗟に振り返り、叫ぶ マミ「暁美さんっ!?」 …………………………………… BACKまどか「…ウルトラマン!」 19